化膿性汗腺炎(慢性膿皮症)の原因や予防法は?クリニックにおける2つの治療法

「できものによって痛みや腫れを感じている」
「治療したいけど何科を受診すれば良いか分からない」

身体に痛みや腫れを伴う赤いおできが発生し、どう対処すべきか困っていませんか?

もし化膿性汗腺炎が原因の場合、悪化すると膿が出て症状の範囲が拡大することがあるため、早急な対処が必要です。

化膿性汗腺炎は外科手術を受ければ患部を切除できる可能性があります。薬による治療も可能なので、まずはクリニックへの相談を検討しましょう。

本ページでは、化膿性汗腺炎の原因や予防法、クリニックによる治療法を解説します。化膿性汗腺炎の対処法が分かるので、ぜひご一読ください。

化膿性汗腺炎とは?|しこりができて腫れたり膿が出たりする病気

化膿性汗腺炎は、痛みや赤い腫れを伴うおできが繰り返しできる皮膚性の疾患です。

化膿性汗腺炎の具体的な症状は以下の通りです。

症状 特徴
結節(けっせつ) しこりやこぶのようなもので、時間が経つと赤く腫れる場合がある
膿腫(のうしゅ) 皮膚の下に膿がたまったもの
瘻孔(ろうこう) 痛みを生じながら、穴から膿が流れ出る状態
瘢痕(はんこん) 再発を繰り返し皮膚が厚くなった結果、傷跡が残った状態

(参照:化膿性汗腺炎について知っていますか?

乳房の下部やお尻、足のつけ根、わきの下などによくでき、20~40歳代を中心に発症します。化膿性汗腺炎は放置すると膿がたまり、さらに症状が進行するとおでき同士が皮膚の下でつながってしまう場合もあります。

症状が重くなると腫れや痛みを引き起こすので、早めの治療が肝心です。また、症状への対処が遅れると瘢痕(はんこん)と呼ばれるあざが残ってしまう場合もあります。

化膿性汗腺炎の原因

化膿性汗腺炎の原因として毛穴のつまりが影響していると考えられています。

毛穴のつまりが起こるのは、加齢やターンオーバーの乱れにより角質がスムーズに排出されないためです。また、ホルモンの影響でも毛穴を詰まらせます。

詰まった毛穴の周辺に力が加わったり摩擦が起きたりすると、毛を包んでいる袋が破れて内容物が漏れ出し、炎症につながる仕組みです。

また、喫煙や肥満といった要因が、化膿性汗腺炎の発症リスクを高めると考えられています。家族からの遺伝も発症のきっかけとして指摘されていますが、詳しい原因は明らかになっていません。

化膿性汗腺炎とよく似た病気|違いや見分け方を解説

化膿性汗腺炎と似ている病気として、粉瘤や毛嚢炎などがあります。

疾患 特徴
粉瘤 皮脂などの老廃物が皮膚の内部に蓄積されて生じる良性腫瘍
毛嚢炎 毛根を包む「毛包」に細菌が侵入することで生じる炎症
化膿性汗腺炎 毛包が破れて内容物が漏れ出したことによる炎症

別の病気だと思って誤った治療法を試すと、症状が改善しなかったり悪化したりする可能性があります。化膿性汗腺炎とよく似た病気との違いや対処法を紹介します。

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤(ふんりゅう)は本来剥がれ落ちる垢や皮脂といった老廃物が、皮膚の内部に蓄積されることで生じる良性の腫瘍です。

粉瘤は最初のうちは小さなしこりですが、時間の経過に伴って老廃物が皮膚にできた袋の中にたまり、大きくなっていきます。

化膿性汗腺炎との違いは、粉瘤には患部に小さな穴が空いていることです。この穴から細菌が侵入し感染を引き起こし、痛みや熱感といった症状が現れます。

化膿性汗腺炎によるおできと同様、症状が進行すると膿みが出てくる場合もあります。

早い段階で処置すれば抗生剤の服用で治癒できるので、まずはクリニックを受診するのが大切です。粉瘤の原因や症状、治療方法について詳しく知りたい方は、次のページをご確認ください。

粉瘤(アテローム)について

毛嚢炎(もうのうえん)

毛包炎は毛根を包む毛穴の奥部分(毛包)の炎症です。

表面のキズから細菌が侵入することが原因で起こります。毛包炎では赤みを帯びたり、周囲が膿を持ったりといった症状が現れます。

化膿性皮膚炎と毛嚢炎は症状がよく似ていますが、発生する場所や要因が異なります。

毛嚢炎は首の後ろや太もも、陰部付近できやすいです。それに対して化膿性皮膚炎は、乳房の下部やお尻、足のつけ根、わきの下などでよく発症します。

毛嚢炎は、予防・対処法ともに皮膚を清潔に保つことが重要です。軽度なものであれば、1週間程度、患部を清潔に保てば回復します。

化膿性汗腺炎の予防方法

化膿性汗腺炎の発症を予防するには、肥満や喫煙を避けることが重要です。

肥満は皮膚にかかる圧力を増やしたり、衣類などとの摩擦を助長したりするため、化膿性汗腺炎の発症確率を高めます。食生活や運動の習慣を見直し、太りにくい体を維持しましょう。

当院では効率的に肥満を改善するために、食事量を調整するGLP-1などの治療を提供しています。より高い肥満防止効果を実感したい方は、施術を受けることも検討してみましょう。

医療痩身については以下のページで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。

痩身エステと医療痩身の違いとは?医療痩身の効果と3つのメリット・デメリットを解説

また、たばこに含まれる化学成分は皮膚の硬化を促進するため、化膿性汗腺炎が発症する原因になります。禁煙により化膿性汗腺炎以外の病気も予防できるので、喫煙習慣の見直しをしてみてください。

化膿性汗腺炎の治し方は?2つの治療方法

化膿性汗腺炎の主な治し方は、投薬治療と手術による除去の2つです。手術で切除した方が抜本的な改善を見込めます。それぞれの治療の特徴を解説します。

手術による除去

化膿性汗腺炎の手術では、皮膚を全層にわたって大きく取り除く処置が行われます。

症状が広範囲に及んでいる場合、皮膚を切って移動させたり皮膚移植を行ったりするケースもあります。

これらのケースでは大学病院・総合病院へのご紹介となり、当院では一部皮膚の除去のみ対応可能です。

発症から長期間が経過し、炎症箇所が皮膚の下で広がっている場合、取り残しにより症状が再発する可能性があります。ごくまれに化膿性汗腺炎が発症した箇所から皮膚がんにつながることもあるので、患部をしっかりと切除することが重要です。

患部より広めに切除部分を取ることで、完全な除去を目指します。

薬による治療

手術で患部を思うように切除できなかったり、症状が改善しなかったりした場合は、薬による治療も行われます。

飲み薬や塗り薬、注射薬などが薬による治療の選択肢です。

例えばヒュミラという治療薬を使えば、患部のしこりやおできを減少させられます。また化膿性汗腺炎による痛みを軽減させることも可能です。

ただしヒュミラの治療効果が現れるまでには、3ヵ月程度必要になります。ヒュミラはおなかや太もも、二の腕の後ろ側に注射を打つことで、成分を体内に行き渡らせます。

自分で注射を打つこともできるため、通院の手間がなくせるのがメリットです。

なお、当院では薬による治療は行っておらず、ご希望の場合は総合病院へのご紹介となります。

化膿性汗腺炎に関するよくある質問

化膿性汗腺炎に関するよくある質問に対する回答をまとめました。化膿性汗腺炎への疑問を減らし、施術への不安を軽減しましょう。

Q.化膿性汗腺炎が自然治癒することはありますか?

化膿性汗腺炎の原因となった点が改善されれば、抗生物質を使わなくても症状が自然治癒する可能性があります。

Q.化膿性汗腺炎は難病に指定されていますか?

化膿性汗腺炎は難病には指定されていません。
(参照:厚生労働省科学研究費補助会

化膿性汗腺炎は病名が広く知れ渡っていません。そのため受診した科目によっては、正しい診断が下りない可能性もあります。

難病に適用される医療費補助の優遇は受けられませんが、一部の助成制度は利用できます。例えば高額療養費制度や、負担金の払い戻しを受けられる付加給付制度などです。

各制度の利用条件などに疑問点があれば、加入元の保険組合に問い合わせしてみましょう。

Q.化膿性汗腺炎ができやすい部位はありますか?

化膿性汗腺炎は男性の場合、わきの下やお尻、股などにできやすいです。女性の場合、胸やわきの下、お尻、足の付け根などに症状が現れます。

わきの下やお尻など自分からは見えにくい場所にできていると、症状の進行に気づかないことがあるので注意が必要です。

症状が進行すると赤く腫れ上がったおできに膿がたまり、次第にできものの範囲が拡大してしまいます。さらに悪化すると皮膚の下でおでき同士がつながり、炎症が広がることがあります。

患者様からご好評いただいている
当院の5つの特長

  • チーム医療

    日本形成外科学会形成外科専門医のもと、形成外科、皮膚科、整形外科など複数の科の専門の医師が所属しています。

  • 痛みをケア

    幅広い手術方法から専門の医師が適した方法を選択し、痛みが少ない治療を目指します。

  • 綺麗な傷跡

    外科的摘出手術を行い、周辺の皮膚を傷付けることなく、細心の注意を払って治療にあたります。

  • 入院不要で日帰り手術もOK

    診察から手術までがとてもスムーズ。日帰り手術が可能です。

  • アクセス良好

    JR新宿南口、JR渋谷駅といった都心ターミナル駅から徒歩3分の好立地です。

当院には下記のようなお悩みを抱える患者様が多数来院されています。
思い当たることはありませんか?


  • できものによって
    痛みや腫れ
    感じている方

  • 乳房の下部やお尻、
    足のつけ根、わきの下
    できものがある方

  • 毛穴から
    膿が流れ出て
    痛みがある方

新宿南口や渋谷といったターミナル駅から徒歩3分とアクセスも良好なので、化膿性汗腺炎の治療を検討中の方はぜひ当院へご相談ください。

監修者医師

高山 昌賢 医師

保有資格

日本形成外科学会 形成外科専門医・指導医
略歴

  • 2005年 山梨医科大学(現山梨大学)医学部医学科卒業
  • 2005年 国立埼玉病院初期臨床研修医開始
  • 2007年 慶應義塾大学病院形成外科後期研修医勤務
  • 2008年 国立成育医療研究センター形成外科レジデント勤務
  • 2009年 慶應義塾大学病院形成外科後期研修医勤務
  • 2010年 埼玉社会保険病院(現埼玉メディカルセンター)形成外科勤務
  • 2011年 横浜市民病院形成外科勤務
  • 2012年 平塚市民病院形成外科医長勤務
  • 2016年 那須赤十字病院形成外科部長勤務

鈴木 はるか 医師

保有資格

日本形成外科学会形成外科専門医 /日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 責任医師 /がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
略歴

  • 2014年 東京医科歯科大学医学部卒業
  • 2014年 東京医科歯科大学医学部付属病院初期研修開始
  • 2016年 一般財団法人太田綜合病院付属太田西ノ内病院初期研修修了
  • 2016年 長崎大学病院勤務
  • 2017年 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター勤務
  • 2020年 東京医科歯科大学医学部付属病院勤務
  • 2020年 日本赤十字社武蔵野赤十字病院勤務

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