プラノバールはエストロゲン配合の中用量ピル | 避妊効果や副作用について解説
- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「プラノバールってどんな効果があるの?」
「プラノバールを利用した避妊って失敗しないの?」
などとお考えではありませんか?
プラノバールは月経移動や月経困難症の改善などを目的として利用される中用量ピルです。そのほか、アプターピル(緊急避妊薬)として使用する方法もあります。
用法用量を守って服用すれば高い効果が期待できる薬です。
こちらのページではプラノバールの3つの効果や副作用、詳しい飲み方について解説いたします。
目次
プラノバールとは?ヤッペ法の中用量ピル
プラノバールとは、女性ホルモンを補う黄体・卵胞ホルモン配合の中用量ピルです。
プラノバールは主に以下の目的で利用されます。
- アフターピル
- 月経移動
プラノバールを利用する緊急避妊法を「ヤッペ法」とも言います。
用法用量を守った飲み方をすれば正しく避妊効果が期待できる一方、副作用にも注意が必要です。
中用量ピルとは?アフターピル(緊急避妊薬)として用いられる
プラノバールをはじめ、中用量ピルは月経トラブルの改善や避妊を目的として服用される薬です。中用量ピルには下記のホルモンが配合されています。
- エストロゲン
- プロゲステロン
性交後、緊急で避妊するアフターピル(緊急避妊薬)として使われており、72時間以内に中用量ピルを内服することで80%以上の避妊が期待できます。
中用量ピル(プラノバール)と低用量ピルの違い
中用量ピルと低用量ピルの違いはピルを構成するホルモンの配合量です。
どちらのピルにも「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つの女性ホルモンが合成されています。
しかし、中用量ピルと低用量ピルを比較すると、中用量ピルの方が1錠あたりのエストロゲン配合量が多くなっています。
そのため、低用量ピルよりも高い効果が期待できる一方で、副作用も強く出やすいことが特徴です。
プラノバールの3つの効果
プラノバールの効果としては以下の3つが挙げられます。
- 月経移動
- 子宮内膜症や月経困難症の治療
- 避妊効果
プラノバールは主に月経移動やアフターピルとして利用されます。そのほか、子宮・月経に関わる病気の治療にも活用されており、幅広い効果が期待できる中用量ピルです。
ここからは3つの効果について詳しく見ていきます。
効果①月経移動
プラバノールには、月経移動の効果や作用があります。
正しく服用することで生理の予定日を前後に移動させることが可能です。例えば、旅行などのイベントを控えている際に、プラバノールを服用して生理予定日をずらせます。
生理の予定日を前後に移動させることは可能ですが、基本的に遅らせる場合に用いられます。
生理予定日を前にずらす場合は、前回の生理開始後から3〜5日目までに服用が必要です。遅らせたい場合は、生理を避けたい日の1週間前から飲み始めます。
効果②子宮内膜症や月経困難症の治療
プラノバールは子宮内膜症や月経困難症の治療にも有効です。
プラノバールを服用することで、排卵を止めて子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、生理痛や生理にまつわる疾患を改善することが可能です。
生理や子宮に関わる症状を治療する際にもプラノバールは処方され、そのほか頻発月経や稀発月経、過多月経、不正出血などの症状改善にも有効です。
効果③避妊効果
プラノバールは上記でも記載した通り緊急避妊薬としての効果が期待できます。
排卵を遅らせたり着床を防いだりする働きがあるため、緊急避妊として用いられます。
プラノバールを使用した緊急避妊法はヤッペ法と呼ばれ、以前まではヤッペ法による緊急避妊が一般的でした。
しかし、現代では緊急避妊専用のピルを使用したノルレボ法が主流となっているため、緊急避妊を目的としてプラノバールを使用するケースは多くありません。
プラノバールは不妊治療としても用いられる
プラノバールは妊娠しやすい子宮の状態をつくることができるため、不妊治療のためにも利用されます。
プラノバールを排卵後に服用して黄体ホルモンを補うことで、着床しやすい子宮の状態を維持することが可能です。
一方で間違った服用方法の場合、思ったように効果が得られないため、医師との相談の上で正しい服用を行うことが大切です。
プラノバールの避妊効果はいつから出る?性交後72時間以内の服用で出る
避妊を目的としてプラノバールを服用する場合、性交後72時間以内に2錠服用します。
その後、最初の服用から12時間後に2錠飲むことで避妊効果を期待することができます。正しい飲み方でプラノバールを服用した場合の避妊率は80%です。
性交後に72時間以上経過している場合は、プラノバールの正しい避妊効果を得られない可能性があるため、早急に医療機関に相談しましょう。
プラノバールの避妊効果は1週間後から出始めます。中用量ピルは正しく服用することで、低用量ピルよりも高い避妊効果が期待できます。
プラノバールを初めて利用する方は1週間という期間では十分な避妊効果が期待できないため、より長期間の服用が必要です。
プラノバールの副作用と確率 | 吐き気や眠気、イライラなどがある
プラノバールは高い避妊効果が期待できる一方で、副作用も強く出る可能性があるので注意が必要です。プラノバールには下記の副作用が存在します。
- 吐き気
- 嘔吐
- 食欲不信
- 頭痛
- 発熱
- 眠気
プラバノールは含まれるホルモン量が多いため、体への負担があります。
月経移動を目的とする場合は1日1錠のため副作用は出にくいですが、緊急避妊を目的とする場合は服用量が多いため、特に飲み始めに副作用が強く出やすいです。ただし、服用している間に慣れていくことが一般的です。
副作用のリスクを考えた上で、プラノバールの服用を検討しましょう。
プラノバールを飲むと太るって本当?むくみを感じることはある
プラノバールの副作用として、むくみや体重増加が考えられます。
プラノバールの服用により太るとされる原因は次の2つです。
- 卵胞ホルモンの保水作用
- 黄体ホルモンの食欲増進作用
しかし発生確率は5%未満と報告されており、過剰な心配は必要ありません。症状も徐々におさまってくるため、時間の経過を待ちましょう。
プラノバールの副作用はいつからいつまで?吐き気は体が慣れるまで
プラノバールの副作用は飲み始めてから、通常2〜3日程度続きます。
特によく起こる吐き気に関しては、身体が慣れればおさまることが多いです。吐き気がおさまらない場合は、空腹時の服用を避けて寝る前に飲むのがおすすめです。
プラバノールを服用することがある場合は、事前に副作用の症状があることを認識した上でスケジュール調整などをしましょう。
また、副作用には個人差があるため中には1週間以上続くこともあります。
プラノバールは40代でも使用可能?血栓症リスクが高まるので注意
プラバノールは40代でも使用可能です。
しかし、40歳以上になると血栓症のリスクが高まります。血栓症とは血管内で血液が固まって血管が詰まる症状です。
ピルを服用して血栓症が起こりやすいのは下記の方です。
- 40歳以上
- 喫煙者
- 肥満傾向のある方
ピルによる血栓症を起こすケースは稀ですが、40代以降の方でプラノバールを服用している方は治療法を検討することが大切です。
プラノバールの飲み方・用法用量
プラノバールをアフターピル(緊急避妊薬)として服用する場合は、次の方法で飲みます。
- 性交後72時間以内に2錠服用
- 最初の服用から12時間後に2錠服用
プラノバールは避妊に失敗した時に、2回に分けて服用します。
そのほか、生理予定日をずらす場合は飲み方が異なります。以下では、目的別の飲み方について見ていきましょう。
生理を遅らせる時の飲み方 | 1日1錠を前日まで服用する
生理を遅らせる場合は、次回の生理開始予定日の5〜7日前からプラノバールを服用します。
服用を続けていき、イベントごとなどの終了日まで内服を続けることで生理を遅らせられます。服用期間中は生理が来なくなり、飲み終わって2〜3日後に月経が起きるのが通常です。
ただし、イベントごとの最中にも内服する必要があり、吐き気などの副作用も出やすいので注意が必要です。生理を早める方法よりもデメリットは大きいものの、月経移動に成功しやすいです。
生理を早める時の飲み方 | 1日1錠を10日間服用する
生理を早める際の飲み方は前回の生理が始まって5日目までに、プラノバールを1日1錠飲み始めます。
10〜14日の間服用で、服用終了日の3〜5日前後で早めの生理が来ます。
生理を遅らせる方法と比べて、月経移動に成功する可能性はやや低いですが、イベント期間中にプラノバールを服用せずに済むことがメリットです。
プラノバールを飲み忘れた時の対処法
プラノバールを飲み忘れた場合の対処方法は、目的によって異なります。
月経移動や月経困難症の改善を目的とする場合、飲み忘れた時の対処法は次の通りです。
- 気づいた時に1回分服用する
- 次の飲む時間に近い場合は飲み忘れ分は飲まない
- 次に飲む時間に1回分服用する
プラノバールは一度に2回分服用してはいけません。慌てて飲んでしまうと別のトラブルを引き起こす可能性があるため、処方元のクリニックに相談しましょう。
また避妊を目的としており、避妊失敗から72時間以上経過している場合は、急いでクリニックに相談してください。
プラノバールを服用するときの注意点|飲酒は問題ない
プラノバールを服用するときの注意点として、飲酒について心配される方が多いかと思います。しかし、プラノバール服用中のアルコール摂取は問題ありません。
ただし、アルコールを摂取しすぎて嘔吐してしまった場合は薬の効果が薄まる恐れがあります。お酒を飲む際は量を少なくする配慮が必要です。
お酒と同様にたばこを吸う方も注意が必要です。たばこを吸う方は血栓症のリスクが上がるため、プラノバール服用中は禁煙するのが望ましいです。
また、プラノバールを含むピルを服用すると生理以外で不正出血を起こす可能性があります。不正出血はホルモンバランスの崩れから起こり、特に飲み始めの周期に起こりやすいです。
出血の量があまりにも多い場合や長期間続く場合はクリニックに相談しましょう。
プラノバール服用後に気持ちが悪いなら吐き気止めをセットで飲む
プラノバールは服用後に気持ち悪くなり、吐き気を起こす可能性があります。
あまりにも吐き気がひどい場合は吐き気止めとセットで飲むことで、副作用の症状を軽減できます。
プラノバールを服用して生理は何日後に来る?1週間来ないこともある
プラノバールは服用をやめて3〜6日程度で生理が再開するケースが多いです。
しかし、中には服用をやめてから1週間以上経過しても生理が来ない方もいます。
生理が来ない方はピルを処方してもらったクリニックの医師に相談しましょう。
プラノバールは通販でも購入できる?医師の処方を受ける
プラノバールは市販薬ではないため、ドラッグストアなどで購入することはできません。
通販で購入することはできますが、偽物が届くリスクだけでなく、服用後の副作用リスクもあるため医師の処方を受けてください。
副作用のリスクを考慮せずにピルを利用してしまうと、自分の体質と合わずに体調不良を引き起こす可能性も否定できません。
副作用を起こした場合でも適した対処を受けられるよう、クリニックに相談しましょう。
プラノバールは月経移動や避妊に利用される中用量ピル
プラノバールはアフターピル(緊急避妊薬)として用いられるだけでなく、月経移動の際にも使用される中用量ピルです。プラノバールには以下の効果が期待できます。
- 月経移動
- 子宮内膜症や月経困難症の治療
- 避妊効果
用法用量を守って正しい飲み方で服用すれば、副作用リスクを抑えられてより高い効果を期待できます。特にイベント前に月経をずらすのに有効な薬です。
月経困難などのトラブルに悩んでいる方、イベントを控えて月経移動させたい方などは、プラノバールの服用をご検討ください。