「食事制限がどうしてもできない」
「ダイエットしても挫折してしまう」
ダイエットに関する悩みは男性・女性ともに多くの方が抱えています。近年、自宅で気軽にできるオゼンピックが注目されるようになりました。
オゼンピックとはGLP-1受容体作動薬で、食後の血糖値の上昇を抑えることでインスリンの分泌を促進する薬剤です。
本記事ではオゼンピックが気になる方のために、効果や注意点を解説します。
また、実際にオゼンピックダイエット注射を経験した方の口コミから見るメリットも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
目次
オゼンピック(ダイエット注射)とは
オゼンピックはGLP-1注射の一種で、痩身効果が期待できる医薬品です。
元々は2型糖尿病の治療に用いられており、2017年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けました。その後、28ヶ国で販売されるように。
ここではオゼンピックのダイエット注射でもある「GLP-1薬」に関して詳しく解説します。
オゼンピックは痩せるホルモン注射「GLP-1薬」
画像引用:肌のクリニック
オゼンピックは有効成分が「セマグルチド」で、GLP-1薬と呼ばれる「痩せるホルモン注射」です。
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、膵臓から分泌されるホルモンで、食事摂取後に血糖値を調節し、食欲を抑える働きがあります。
GLP-1薬はGLP-1の働きを模倣し、食欲を減退させ、食事摂取量を抑制することで体重減少を促す効果が期待されます。そのため、オゼンピックは体重管理や肥満の治療に用いられるようになりました。
GLP−1注射の痩せるメカニズム
画像引用:こころみクリニック
GLP-1薬は、GLP-1ホルモンを分泌させて血糖値を下げる薬です。通常、2型糖尿病の治療に用いられます。この薬は、血糖値が高いときにのみ作用するため、他の糖尿病薬よりも低血糖症状が起こりにくい特徴があります。
体内に存在するGLP-1ホルモンは、インスリン分泌後に速やかに分解されて効果が失われますが、GLP-1薬は分解が遅く効果が長く持続するのが特徴です。
このようなメカニズムにより、血糖値のコントロールを改善し、糖尿病の管理を支援します。
サクセンダ・ビクトーザとの違い
GLP−1注射にはオゼンピック以外にも「サクセンダ」「ビクトーザ」があります。以下ではこの2つの特徴を詳しく解説します。
GLP−1注射サクセンダ
サクセンダとは肥満治療の一環として、食事療法や運動療法の補助として認可された食欲抑制剤のことです。米国食品医薬局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)からの承認を受けています。
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を血糖値に応じて促進させる一方で、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制するのに効果的です。
これにより食欲を抑制し、食事摂取量を減らすことが期待されます。
サクセンダは1日1回注射を打つ必要がありますが、オゼンピックは週1回でOKです。
GLP−1注射ビクトーザ
画像引用:新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック.
ビクトーザは本来2型糖尿病の治療に用いられていましたが、その後GLP-1受容体作動薬としての効果が注目されました。
GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌を促進する作用があり、インスリン製剤とは異なり低血糖になりにくいため、食欲抑制の効果が期待されます。
一方、オゼンピックはビクトーザに比べて、薬の効果が持続しやすいとされています。そのため、週1回の投与で十分な効果が得られるのが特徴です。
また、オゼンピックの血糖降下作用や体重減少作用がビクトーザよりも強いという報告もあります。
経口薬リベルサス
画像引用:なないろクリニック
リベルサスは、オゼンピックと同じ成分である「セマグルチド」を含む摂取型のGLP-1受容体作動薬です。
オゼンピックと同様に血糖値をコントロールする効果が期待されます。リベルサスの特徴は内服薬を服用する点です。
そのため、注射が苦手な方や注射器具を使用することに抵抗がある方でも使いやすいといえます。
注射針の痛みについて
オゼンピックの針は非常に細く髪の毛程度の太さです。そのため、痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、針の先端が曲がっている場合には痛みを感じてしまうケースがあります。理由は針がとても細いので、接触時に曲がってしまうからです。針が曲がったら新しい注射針に交換してから注射を行いましょう。
また、針の交換後には空打ちを行ってから注射することが重要です。これにより、針の曲がりや不良がないかを確認でき、安全に注射を行えます。
オゼンピックの治療期間はいつまで?
オゼンピックの効果が発揮するまでの期間には個人差がありますが、一般的には3〜4ヶ月程度を目安として考えられます。
最初のオゼンピックの投与は0.25mgから始める流れとなります。しかし、4週間経過しても効果が不十分であれば、投与量を0.5mgに増量するケースも。
さらに0.5mgの投与後、4週間経過しても効果が得られない場合は、投与量を1.0mgに追加することもあります。
そのため、適切な投与量を見極めるためには、医師と相談しながら量を決めていくのが大切です。
オゼンピックのダイエット効果を3つ解説
オゼンピックのダイエット効果は「食欲の抑制」「脂肪分解」「満腹感を得やすい」などが挙げられます。ここではそれぞれどのような効果なのかを説明します。
効果①食欲を抑制できる
GLP-1注射には、食欲を抑制して空腹感を減少させることで食事量を自然に減らし、過食を防ぐ効果が期待できます。
さらに、GLP-1は胃の働きを抑え食べ物の消化を遅らせるため、血糖値の急上昇を防いで体脂肪の蓄積を阻止します。この仕組みによって内臓脂肪の燃焼が促進され、基礎代謝が向上し、体重管理に役立つのです。
ダイエット注射を通じて体脂肪が減少し、少しの食事量だけで体重のコントロールがしやすくなります。
効果②基礎代謝を高め脂肪燃焼を促す
オゼンピックは、代謝を活性化させることで知られています。オゼンピックにより体内のエネルギー消費が増え、脂肪燃焼を促進。
具体的には、GLP-1受容体作動薬として作用し、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げると同時に、食欲を抑制して摂取カロリーを減らします。
さらに、オゼンピックは胃の働きを抑制し、食べ物の消化を遅らせることで、血糖値の急上昇を防ぐことが可能です。
これらの効果により、体内の脂肪をエネルギー源として利用しやすくなり、体重減少や脂肪燃焼が促進されるとされています。
効果③満腹な状態を維持できる
オゼンピックは、胃で消化された食べ物を小腸にゆっくりと送り出すことで、満腹感を持続させます。理由は胃の働きを緩やかにすることで食べ物が胃に留まる時間が長くなり、満腹感が保たれるからです。
通常よりも少ない量の食事で満足感を得られるため、間食や食欲のコントロールがしやすくなります。このような作用により、食欲を低下させる効果が期待されます。
ダイエット効果は2〜3ヶ月後に実感
個人差はありますが、オゼンピックの効果が実感できるのは開始してから2~3ヶ月後といわれています。効果をすぐに実感できなくても、継続して使用することが重要です。
ただし、痩せない場合でも自己判断で使用を中止するのではなく、医師に相談することをおすすめします。
オゼンピックのダイエット注射による副作用
オゼンピックのダイエット注射を初めて行う方は、副作用に関して理解することが大切です。ここではオゼンピックの副作用や注意点を解説します。
オゼンピックの副作用
薬剤に成分に含まれている副作用は以下の通りです。
- 下痢、便秘、胃の不快感、腹部の膨満感などの胃腸症状
- 膵炎(強い腹痛、吐き気、嘔吐など)
- 低血糖
通常は低血糖のリスクが低いとされますが、他の糖尿病薬との併用時には低血糖が起こる可能性があります。既存の薬を服用している場合は、事前に医師と相談することが重要です。
オゼンピックが使用できない人の特徴
オゼンピックの禁忌事項には以下の項目があります。
- 他のGLP-1受容体作動薬を使用している方
- インスリンを使用している方
- 妊娠中または授乳中の方
- アルコールの大量摂取をしている方
- 膵炎の既往歴がある方
- 低血糖症状の方
- 副腎機能不全の方
- 甲状腺髄様癌の方
- 重度の胃腸障害を持つ方
これらの条件に該当する場合、オゼンピックの使用は禁止されています。医師との相談を通じて、適切な治療方法を見つけることが重要です。
オゼンピックの使い方や注意点を紹介
2020年にはオートインジェクター機能を搭載した新しい製品「オゼンピック皮下注SD」が発売され、より使いやすくなりました。
そのため、毎日ではなく週に1回決められた曜日に打つだけで簡単に使えるようになっています。時間帯はいつでもOKです。
注入する部位
画像引用:ノボノルディスク ファーマ株式会社
注射部位はおなか、上腕部の外側、太ももの外側が適しています。
同じ部位に注射する際には、前回の注射場所よりも2〜3cm(指2本分以上)ずらして広い範囲に注射することで、皮膚の硬化や注射効果の低下を防げます。
オゼンピック皮下注2mgの場合は、1本につき2mgの薬剤が入っています。そのため、週に0.5mg自分で投与する際は、1本で4回分となります。
オゼンピックの注射器は使い捨てタイプではなく、針先を交換して使うのが特徴です。
オゼンピックダイエットの口コミから見るメリット・デメリット
オゼンピックダイエットを経験した方の口コミを参考に、メリット・デメリットをまとめました。
オゼンピックダイエットの良い口コミ
- 生理中だけどお腹が減らない
- 効果がすごい
- 同じ量を食べてるのにお腹いっぱい
- リベルサスはコスパが悪いのでオゼンピックにした
- 開始から2週間で効果を実感した
オゼンピックに期待できる効果は高いとの声が多数見受けられました。やはり空腹感を感じなかったという方が多いため、無理なくダイエットができたようです。
早い方で2週間後から効果を実感している方もいます。
オゼンピックダイエットの悪い口コミ
- お腹に注射するのが怖すぎる
- 週1回なので忘れそうになる
- お腹の中がなんとなく気持ち悪い
- 地味に痛かった。6秒刺しっぱなしは痛い
針の細さは極細といっても、やはり少なからず痛みは感じるようです。薬剤をお腹に注入する際は、6秒以上針を刺しっぱなしにしなくてはなりません。
そのため、慣れるまでは時間がかかるでしょう。また、週1回なのでしっかり管理しないと忘れてしまう方も多いようです。
オゼンピック(ダイエット注射)に関するよくある質問
オゼンピックのダイエット注射をはじめようと考えている方のために、皆さんが疑問に思う悩みをまとめました。
オゼンピックで何キロ痩せる?
オゼンピックは2ヶ月間継続して5キロベースで痩せたとの報告がありました。
GLP-1作動薬は血糖値の調節だけでなく、食欲を抑制したり満腹感を感じやすくしたりすることで食事量を減らす効果があります。
さらに、GLP-1作動薬は脂肪肝の改善や白色脂肪細胞に作用して脂肪分解を促進する効果も期待。これらの作用により、体重減少や脂肪代謝の改善ができます。
オゼンピックをやめたら元に戻る?
オゼンピックは脂肪吸引や脂肪溶解注射ではないので、薬剤の投与を中断したら元に戻る可能性はあります。
リバウンドは、ダイエット中に身につけた健康的な習慣が乱れることによって起こります。ダイエット中は食事量や運動をコントロールし、目標に向かって努力することで体重を減らすことが可能です。
しかし、目標を達成してダイエットを終えると、以前の不健康な習慣が戻ってしまうことがあります。
そのため、痩せたからといって食べ物の摂取量や質を過剰にし、不摂生な生活習慣を続けると、再び体重が増えてしまうのです。リバウンドを防ぐためには、ダイエット中の健康的な習慣を続けることが重要です。
GLP-1ダイエットは自己判断で辞めずに、医師と相談しながら徐々に投与する量を減らしていきましょう。
オゼンピックで痩せない理由は?
GLP-1はダイエットのサポートとして働きますが、その効果を最大限に引き出すためには、食生活の見直しや適度な運動が不可欠です。
現時点では減量効果が海外のデータで認められていますが、日本人の体型において同様の効果が得られるかどうかは明確ではありません。
例えば、食事量が多すぎる、栄養バランスが悪い、運動しない、脂肪細胞がセルライト化している場合などが挙げられます。GLP-1ダイエットを始める前に、自身の体型や生活習慣をよく考え、医師と相談することが重要です。
オゼンピックは製造中止になったのはなぜ?
2023年8月には「オゼンピック皮下注2mg」の供給が需要に対応できず、出荷制限がありました。
しかし、2024年1月初旬からは関連する卸売業者への出荷を解除し、通常の出荷を再開しはじめています。
製造中止の理由は人気が出すぎたためと言って良いでしょう。現在は供給が安定し患者がスムーズに薬を入手できます。
オゼンピックはインスリンですか?
オゼンピックは元々糖尿病治療のための注射薬なのでインスリンとは異なります。
オゼンピックは体重減少効果が強く血糖降下作用も強いため、患者の健康状態を改善するのに役立ちます。
オゼンピックは違法ですか?
オゼンピックは違法ではありません。しかし、欧米で肥満症治療薬の偽造品が出回っているとの報道がありました。
ドイツの医薬品規制当局は、ノボノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」の偽造品が国内で発見されたことを明らかにしています。
ノボノルディスクは、オゼンピックや肥満症治療薬「ウゴービ」の偽造品の販売がオンラインで急増しているとし、薬局や流通業者に警戒を呼びかけています。
そのため、オゼンピックを個人輸入サイトで購入するのは絶対に避け、必ず国内のクリニックで医師の診察を直接受けてから使用しましょう。
オンライン診療の場合も信頼できる医療機関であれば安全性が高いので入手しても問題ありません。
オゼンピックダイエットは怖い?
オゼンピックのダイエット注射自体に怖い要素はありませんが、適切に使用しないと副作用や健康リスクが発生する可能性があります。
オゼンピックは医師の処方箋が必要な薬なので、医師の指示に従って用量用量を正しく使用することが重要です。
また、過剰な期待や安易な考え方によって、不適切な摂取やリバウンドなどの問題が出ることもあります。
ダイエットや薬の使用に関する不安や疑問がある場合は、医師や専門家と相談することが重要です。自己判断や過度な期待に基づいた行動は避け、健康的な生活習慣を築くために適切な情報と指導を受けましょう。
オゼンピックダイエットは保険適用になる?
オゼンピックは美容・減量目的となるため、保険適用外の自費診療として扱われることが多いです。肥満治療薬は医師の処方箋が必要で、通常の保険制度ではカバーされません。
オゼンピックでダイエット!まとめ
女性や男性も見た目にこだわる時代。オゼンピックは食事制限が難しい方に向いています。
オゼンピックの投与は毎日ではなく1週間に1度なので、患者の負担が減りました。食後の満腹感が継続することで、食欲を抑えて自然に体重の減少を期待できます。
オゼンピックは、医薬品医療機器等法において「2型糖尿病」の効能・効果で承認されていますが、肥満治療やダイエット目的での使用については国内で承認されていません。
そのため、これらの目的でオゼンピックを使用する場合は、自費診療となります。また、副作用が出る可能性もあるので、事前に情報を得てから試しましょう。