不眠症の治し方とは?不眠症は治るの?原因や生活習慣まで詳しく説明!

「布団に入ってもなかなか寝付けない。」
「眠ることが怖い。」

高齢者に多いとされる不眠症ですが、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しているといわれています。場合によっては、睡眠時無呼吸症候群など重大疾病を併発していることも。

この記事では、不眠症のタイプとその治療法を解説します。

不眠症のタイプとは

不眠症にはタイプがあることをご存じでしょうか。具体的には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ぐっすり眠ることができない「熟眠障害」の4つのタイプがあります。タイプ別に分けることで、不眠の原因を探ることや睡眠薬を選択する際の参考になります。

項目 項目
入眠障害 なかなか寝付けず、それを苦痛と感じる症状
中途覚醒 入眠はできるが、起きる時間までに何度も目が覚めてしまう症状
早朝覚醒 起きたい時間よりも2時間早く目が覚めてそれから眠れない症状
熟眠障害 起きた時に熟睡したという実感が持てず、睡眠不足だと感じられる症状

入眠障害

布団に入ってもなかなか寝つけず、眠りにつくのに30分~1時間以上かかり、それを苦痛と感じる状態を指します。
不眠症の訴えで最も多く、特に不安や緊張が強い時に起こりやすいといわれています。
主な原因としては、ストレス、不規則な生活リズム、不安やうつ症状などが挙げられます。
他のタイプにもいえることですが、就寝前にリラックスした環境を作り、規則正しい睡眠スケジュールを確保することが対策となります。

中途覚醒

睡眠中に何度も目が覚め、その後なかなか寝つけない状態を指します。日本人の成人の不眠で最も多く、中高年・高齢者に多くみられるといわれています。主な原因としては、加齢やストレス、寝る前のカフェイン飲料やアルコールの摂取などが挙げられます。アルコールは利尿作用があるため、夜中に目が覚めやすくなります。
もし目が覚めてしまったら無理に寝ようとせず、一度布団から出て読書などをしてリラックスして過ごすこともおすすめです。

早朝覚醒

自分の望む起床時刻より、2時間以上も早く目覚めてしまう状態を指します。夜遅くまで起きていることが辛く、早寝早起きになる高齢者に多くみられますが、昨今は学校・会社でのストレスや不規則な生活が影響し、20~30代の若者にも増えているようです。

  • 寝る直前にスマホやゲームをして夜更かししている
  • 休日はお昼頃まで寝ている
  • 残業やストレス発散のためエナジードリンクやお酒を飲むことが多い

といった方は、今一度生活習慣を見直してみましょう。

熟眠障害

睡眠時間は十分取れているにもかかわらず、ぐっすり眠った感じが得られず、眠りが浅い状態を指します。中途覚醒や早朝覚醒と異なり、年齢による差はありません。このタイプは、睡眠時無呼吸症候群や寝ている間に足がぴくんぴくんと動く周期性四肢運動障害など、睡眠中に少々が現れる重大な病気が関係している可能性もあります。
少しでも疑いがあると思ったらすぐに医師の診断を受けましょう。

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不眠症を治す生活習慣とは

不眠症の治療には、薬を使わない治療(非薬物療法)と薬を使う治療(薬物療法)があります。現在の不眠治療では睡眠薬を用いた薬物療法(後述)が中心ですが、最初に行うのは生活習慣や睡眠環境の改善(非薬物療法)とされています。お金をかけず、気軽に始められる非薬物療法の一例を紹介しますので、積極的に生活に取り入れてみましょう。

自分に合った適度な運動

ほど良い肉体的疲労は心地良い眠りを生み出します。激しい運動は逆に睡眠を妨げてしまうため、体に無理な負担がかからず長続きできる有酸素運動(早歩きでの散歩や軽いランニング)を継続すると良いでしょう。時間帯としては、夕方から夜(就寝の3時間くらい前)が効果的です。就寝の数時間前に運動によって脳の温度を上げることがポイントであり、睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなるため、結果として快眠が得られやすくなります。

毎朝決まった時間に起きる

寝る時間についてはこだわりすぎると逆に目が冴えてしまい寝付きを悪くことがありますが、起きる時間については決めた方が良いです。また曇りや雨の時でもカーテンを開けて、外の光を浴びるようにしましょう。実は、人間の体内時計の周期は「約25時間」であり24時間ではないため、そのままにしていると生活リズムがズレてしまいます。元に戻すためにはお休みの日でも同じ時間に起きて、太陽の光を浴びることが大切です。

昼寝は30分まで

昼寝には、

  • 気分の改善
  • 疲労の回復
  • 集中力の向上
  • 仕事の効率が良くなる
  • リラックスできる

といった効果があります。日照時間の長いスペインで生まれた習慣に「シエスタ」という長いお昼休憩がありますが、日本でも午後の生産性を高めることを目的として導入する企業が増えていることをご存じでしょうか。睡眠障害があると昼間に強い眠気が起こることがありますが、長時間の仮眠は逆に不眠の原因になってしまうため、30分以内にとどめることが大切です。

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不眠症の薬物療法

不眠症の治療では、医師の指導の下で行う生活習慣や睡眠環境の改善(非薬物療法)をまず行うべきとされていますが、必要に応じて睡眠薬を用いた薬物療法を行うことが推奨されています。
現在、不眠症の薬物療法に多く使われる西洋医薬は、大きく分けて「GABA受容体作動薬」「メラトニン受容体作動薬」「オレキシン受容体拮抗薬」の3種類があります。

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GABA受容体作動薬

脳の興奮を抑えるGABA(ガンマアミノ酪酸)という神経伝達物質の働きを促すことによって、脳の活動を休ませることで眠りへと導きます。

・メリット :効果が強く非常に短期間で効果を実感しやすい傾向があり、不安症状も改善されます。
・デメリット:長期(おおよそ6ヶ月以上)使用により依存性耐性(薬の効きが徐々に悪くなること)が生じることがあるため、短期的な使用が推奨されます。効果が強く、作用時間が短いものほど依存性が高いとされます。

メラトニン受容体作動薬

メラトニンは体内時計を調節し、睡眠と覚醒のリズムを整えるホルモンで、睡眠ホルモンとも呼ばれます。このメラトニンと同じ働きをすることで、体内時計の睡眠と覚醒のリズムを整え、眠りをもたらします。

・メリット :自然な眠気を促し、依存性や耐性が少なく、中途覚醒や熟眠障害にも有効です。
・デメリット:入眠障害には向きません。即効性がない(効果が実感できるまで2週間ほどかかる)点や、副作用として眠気が残ったり頭痛が生じる可能性があります。

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンとは、起きている状態(覚醒)を維持する脳内の物質です。オレキシン受容体拮抗薬は、脳の覚醒を促進するオレキシンの働きを弱めることによって眠りを促すタイプの薬剤です。

・メリット :依存性と耐性が少なく、自然な眠気を促し、ある程度の即効性も期待できます。
・デメリット:入眠障害には向かない場合があります。レム睡眠が増えることで夢を見る時間が増え、悪夢を見ることもあります。眠気が残ったり頭痛が生じる可能性があります。

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睡眠に関する病気について

快適な睡眠を妨げる原因には、ストレスのような精神的な要因が係わっている場合と、「睡眠時無呼吸症候群」や「むずむず脚症候群」など、さまざまな病気が原因になっている場合があります。そのため、医師の診断を受け、不眠の原因が何であるかを知ることが大切です。ここでは、睡眠に関する代表的な病気を紹介します。

睡眠時無呼吸症候群

寝ている間に、大きないびきと共に10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」、呼吸が弱くなる「低呼吸」を繰り返すことで、ぐっすり眠ることができない病気です。
中年以降の肥満者に多くみられ、大きないびき、不眠の自覚、日中の強い眠気が特徴的です。居眠り運転の危険性が非常に高くなり、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの発生を増加させ、糖尿病なども合併することで突然死される方もいる点が、この病気の怖いところです。

むずむず脚症候群

はっきりとした原因はまだ明らかになっていませんが、じっと座ったり横になった時に主に脚(人によっては脚だけではなく腰や背中、腕や手)にむずむずする、ぴりぴりする、かゆみ、痛みなどの強い不快感が現れる症状です。
特に夕方から夜間にかけて症状があらわれるケースが多いことから、睡眠障害の原因となっています。主に40歳以上の中高年の方に多く、男性に比べて女性の患者さんの割合が多いとの報告がされています。

ナルコレプシー

日本語では「居眠り病」と言われます。最も基本的な症状は、「時と場所に関係なく」居眠りを一日に何回も繰り返すことです。
学生であれば大事な試験中、社会人であれば商談中、上司との会話中や食事中、さらには歩いている最中にも急に耐えられない眠気が襲ってきて気がつくと眠り込んでしまうため、周囲の人から「怠けている」と誤解を生む原因にもなってしまいます。思春期から青年期(〜30代)までに多く、発症に男女差は特にありません。

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不眠症の治し方 まとめ

眠れない場合は無理に寝ようとする必要はなく、寝る時間よりも起きる時間を一定にすることが大切です。
自分の睡眠障害のタイプと治療法を知りたいという方は、一度医師の診断を受けてみましょう。