ミノキシジルとは?タブレット・塗り薬の効果や副作用、ジェネリックについて解説
「ミノキシジルは本当にAGAへの効果を期待できるの?」
「抜け毛を改善したいけど、薬の副作用が心配…。」
ミノキシジルは発毛効果を期待できる薄毛治療薬です。血流の改善や、毛母細胞の増加を促進することで、ヘアサイクルを調整して発毛・育毛を促します。
このページでは、ミノキシジルの効果や副作用を中心に解説します。AGAや薄毛でお困りの方はぜひご一読ください。
目次
ミノキシジルとは?AGAなど薄毛の治療薬
ミノキシジルは発毛剤に含まれる主成分で、育毛・発毛効果を期待できます。元々ミノキシジルは、アップジョン社が高血圧の治療に使われる「降圧剤」として開発した薬です。
服用者に多毛の症状が見られたため、研究が進められた結果、ミノキシジルが発毛剤としても利用できると分かりました。
ミノキシジルはアメリカの臨床実験において有効性が認められ、世界各国でも発毛剤の承認を受けている薬です。
ミノキシジルは、タブレット(内服薬)と塗り薬(外用薬)の2種類があり、それぞれ効果や副作用が異なります。
厚生労働省の調査によると、約8%の割合でミノキシジルの副作用が確認されています。
(参照:ミノキシジルのリスク区分について|厚生労働省)
ミノキシジルによる発毛・育毛効果
ミノキシジルは、さまざまな発毛・育毛効果を期待できる薬です。
発毛効果 | 育毛効果 |
---|---|
・血管の拡張による血流改善 ・休眠中の毛の活性化 ・毛母細胞の増加促進 |
・ヘアサイクルの正常化 ・毛包の育成 |
ミノキシジルは髪の毛の元となる毛母細胞(毛包)へ直接働きかけ、増殖を促進します。また休眠中の毛を活性化させ、新たな毛を生やします。
毛包とは、ヘアサイクルを司る機能を持つ器官のことです。
通常、髪の毛は「生える→成長する→抜け落ちる→また生える」というサイクルを繰り返しており、このサイクルを「ヘアサイクル」「毛周期」などと呼びます。ミノキシジルを使用することで、ヘアサイクルを正常化することが可能です。
ヘアサイクルが崩れると髪の毛は十分に成長できなくなり、太く長い毛になる前に抜けて、やがて薄毛となります。
また、ミノキシジルは頭頂部の薄毛に効果を見込めることが特徴です。逆に生え際や前頭部は、頭皮が硬く、薄毛の原因となるホルモン量が多いことから、効果が出にくい傾向にあります。
ミノキシジルタブレット(内服薬)と塗り薬(外用薬)の効果の違い
ミノキシジルはタブレットと塗り薬の2種類があり、それぞれ効果が異なります。
タブレット(内服薬)の特徴 | 塗り薬(外用薬)の特徴 |
---|---|
・発毛の指令を出す毛乳頭に作用 ・外用薬よりも発毛効果が高いとされる ・副作用のリスクがあり、薄毛治療薬としては推奨されていない ・医師のもと処方されるのであれば服用は可能 |
・頭皮に塗布して使用する治療薬 ・有効成分が皮膚から毛根まで届いて作用する ・日本皮膚科学会の治療推奨度が高い ・クリニックや病院で処方された治療薬を使用することを推奨 ・市販の外用薬の濃度は5%未満 |
内服薬は口から摂取し、血管を通して体内から薬効を発揮するため、外用薬よりも薄毛改善の効果が高いと考えられています。
ただし、国内において臨床試験が実施されていないことから、現在薄毛治療薬としては推奨されていません。医師の診断のもと処方・指導されている場合にのみ、服用することが可能です。
一方で、外用薬は頭皮に直接塗布して、皮膚の中から毛根まで行き渡らせることで薬効を発揮する治療薬です。日本皮膚科学会はミノキシジル外用薬の治療推奨度を最高ランクに据えており、AGA治療に有用であると記しています。
(参照:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)
ミノキシジルタブレット(内服薬)による3つの副作用
ミノキシジルは、タブレット(内服薬)と塗り薬(外用薬)で副作用も異なります。内服薬の主な副作用は以下の通りです。
- 体毛が濃くなる
- むくみ
- 血圧降下によるめまい
それぞれの副作用が生じるメカニズムや具体的な症状について解説します。
1.体毛が濃くなる
ミノキシジルを投与することで、全身の毛が濃くなる可能性が高いです。
内服したミノキシジルは血液によって、全身を巡ります。頭皮だけでなく、全身の毛根にも作用するため、多毛症が見られる場合もあります。
体毛が濃いことで悩んでいる方は、ミノキシジルの投与によってその悩みが深刻化するリスクも考えられます。
多毛症の副作用を気にされる方は、投与量の調節や中止などの対応を取らなくてはなりません。
2.むくみ
ミノキシジルは顔や手足のむくみを引き起こす場合があります。
むくみは、血液やリンパ液などが滞ることで起こる症状です。
ミノキシジルは血管の拡張作用があり、血行を促進します。しかし拡張作用があるのは動脈のみで、血液を戻す静脈には影響を与えません。
血液循環のバランスが崩れることによって、血管の末端に血液が溜まりやすくなり、むくみが引き起こされます。
むくみの副作用を改善するには、血行促進と代謝の向上が重要です。入浴中のマッサージやストレッチによって、むくみが改善する場合もあります。
3.血圧低下によるめまい
ミノキシジルは高血圧症の治療のために開発された経緯があります。そのため、ミノキシジルの服用によって血圧が低下し、めまいや立ちくらみを起こす可能性があります。
ただしミノキシジルによって引き起こされるめまいは、症状が軽微なケースが多いです。薬剤の投与を続けることによって、徐々に症状も治まります。
なお、血圧低下によるめまいや立ちくらみは、内服薬のみに見られる症状です。
ミノキシジルの塗り薬(外用薬)による副作用
ミノキシジルの塗り薬(外用薬)で見られる副作用は次の症状です。
- 塗布部位や全身のかゆみ
- ニキビ
塗り薬固有の副作用は、塗布した部分にかゆみが生じる可能性があることです。特に肌が弱い人は、ミノキシジルに含まれる成分とのアレルギー反応によって、かゆみが生じやすいです。
そのほか、ミノキシジルの作用によって毛穴に皮脂が詰まり、ニキビの原因になる場合もあります。血行促進作用によって細胞分裂が活発になり、皮脂の量が増えるためです。
外用薬によって副作用が現れる可能性は8%程度とされています。また、定期的な血液検査を受けたり、一人ひとりに合った配合濃度で処方してもらったりすることで、副作用のリスクを減らすことができます。
ミノキシジルとプロペシアは併用するとより効果的
ミノキシジルはプロペシアと併用することで、より高い薄毛改善の効果が期待できます。
プロペシアはAGAの発症のきっかけとなる「DHT」の生成を抑制し、薄毛の進行を抑える治療薬です。一方で、ミノキシジルは髪の毛を生やし、太く濃くする効果が期待できる治療薬です。
そのため、ミノキシジルとプロペシアを併用することで、薄毛の進行を抑えつつ、新たな髪の毛を生やして薄毛改善を目指せます。そのため、効率よくAGAを治療することが可能です。
髪の毛が生え変わる回数には限度があるので、早期にAGA治療を行って、健康な髪の毛を守ることが大切です。
ミノキシジルと飲み合わせてはいけないもの
ミノキシジルとED治療薬の併用は好ましくないとされています。なぜなら、副作用が発現する可能性が高まるためです。
ED治療薬の代表格「バイアグラ」は、ミノキシジルと同様、血管拡張による血流改善効果を期待できる薬です。
ミノキシジルとED治療薬を飲み合わせると、より強い効果と副作用が出る可能性があります。血圧低下の副作用が強くなる可能性が高く、めまいや立ちくらみが起きるリスクも高まるので飲み合わせてはいけません。
また鎮痛薬の成分「イブプロフェン」との併用も控えるべきです。イブプロフェンとの飲み合わせは血流悪化を引き起こし、酸素や栄養を体に行き渡りづらくなります。
血流が悪化すると、ミノキシジルによる発毛効果が落ちてしまうため、飲み合わせてはいけません。
ミノキシジルとプロペシアの違い
ミノキシジルとプロペシアには、以下のような違いがあります。
ミノキシジル | プロペシア | |
---|---|---|
有効成分 | ミノキシジル | フィナステリド |
主な効果 | 発毛の促進 | AGAの進行を抑制 |
主な副作用 | ・体毛が濃くなる ・むくみ ・めまいや立ちくらみ ・塗布部分のかゆみ など |
・勃起不全 ・射精障害 など |
ミノキシジルとプロペシアは、有効成分が異なるため、効果や副作用にも違いがあります。
ミノキシジルは発毛を促す作用のある治療薬です。血流の促進や毛乳頭細胞に直接働きかけることで、健康的な新しい毛を生やします。
一方で、プロペシアは「フィナステリド」という有効成分を含む治療薬で、AGAの進行を抑えることが主な作用です。
AGAの発症のきっかけは、男性ホルモンの一種「テストステロン」と、還元酵素の一種「5αリダクターゼ」が結合して生成される「DHT」にあります。
プロペシアは5αリダクターゼを阻害する作用があり、DHTの生成を妨げ、AGAの発症・進行を遅らせることのできるAGA治療薬です。
ミノキシジルの料金
当院のミノキシジルの料金は、成分の濃度によって異なりますので、AGA・FAGA・薄毛の料金表からご確認ください。
ミノキシジルに関するよくある質問
ミノキシジルの利用に関して、よくある質問に対する回答をまとめました。入手方法・経路や治療の中断、女性の服用についてお答えします。
Q.ミノキシジルのジェネリック医薬品はドラッグストアで購入できますか?
ミノキシジルは市販のジェネリック医薬品が存在しています。
たとえば、ミノキシジルが5%配合された医薬品「ミノキシジルローション5%『JG』」は、2018年より販売されているため、全国の薬局・ドラッグストアで購入できます。
しかし、ミノキシジルの内服薬は国内・国外ともに、ジェネリックとして承認されている薬は存在しません。
Q.ミノキシジルの服用で初期脱毛を起こすことはありますか?
ミノキシジルを服用すると、初期脱毛を起こす可能性はあります。
初期脱毛は、ヘアサイクルを正常な状態に戻す際に、一時的に薄毛が悪化する症状のことです。ミノキシジルはヘアサイクルを正常に戻す働きがあるため、服用したばかりの時期は髪の毛が抜ける可能性があります。
初期脱毛の期間は約1〜2ヶ月とされており、その後はヘアサイクルが改善されることで、髪の毛が自然に抜けて生え代わるようになります。
初期脱毛はミノキシジルを服用する多くの方に起きる症状ですので、大きな心配をする必要はございません。
Q.通販で市販のミノキシジルを個人輸入するのは危険ですか?
通販でミノキシジルを購入するのは危険なので避けてください。
薬局で販売されている外用薬は、Amazonや楽天などの通販サイトでも購入可能です。しかし第一類医薬品なので、通常の注文・購入方法とは異なります。
またミノタブなどの内服薬は薬剤師や医師による問診を受け、クリニックで処方を受ける必要があります。
個人輸入サイトを経由すれば、問診の手続きを省くことが可能です。しかし健康被害のリスクが高いため、個人輸入サイトの利用はやめましょう。
Q.ミノキシジルの服用・塗布を途中でやめるとどうなりますか?
ミノキシジルの服用・塗布を途中でやめると、再び薄毛が進行する可能性があります。
一度進行したAGAを根本的に治すのは困難です。治療薬は症状の進行や悪化を抑え、発毛を促進するに留まります。そのため、AGAの症状を抑えるためには継続的に治療を続ける必要があります。
ただし服用を継続しても、効果が実感できないなら治療を中断した方が良いです。身体に悪影響を及ぼす可能性があり、金銭的な負担も大きいためです。
半年が経過しても何の効果も確認できないのなら、一度診療を受けたクリニックや病院を受診しましょう。
Q.女性がミノキシジルを使うのは危険ですか?
ミノキシジルは男性だけでなく、女性も服用・塗布できる薬です。
ただし妊婦や妊娠している可能性がある女性の使用には注意が必要です。
ミノキシジルは血流を改善する薬なので、心臓にも影響を与えます。妊娠中の方が飲むと、胎児の心臓に負担がかかる恐れがあります。
また女性は出産に伴い、女性ホルモンの減少によって抜け毛が増える可能性も高いです。
妊娠を理由にミノキシジルの服用をやめた場合、治療中断による抜け毛の促進と相まって、症状が悪化するリスクも高くなります。このことから、ミノキシジルを女性が服用する場合は細心の注意が必要です。
ミノキシジルの処方は医療機関へ
ミノキシジルは血行を改善し、発毛・育毛を促すAGA治療薬の一つです。プロペシアと併用することで、より薄毛の改善を期待することができます。
副作用として体毛が濃くなったり、むくんだりすることがありますが、副作用を起こすケースはそれほど多くありません。ただし、通販などで個人輸入したミノキシジルは健康被害を引き起こすリスクがあります。
ミノキシジルの服用を希望する方は、医療機関で処方してもらいましょう。