脂漏性皮膚炎の原因とは?症状や治療方法、予防方法を解説

  • 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。

「脂漏性皮膚炎はどんな症状?」
「脂漏性皮膚炎になったらどうすればいい?」このように皮膚疾患に悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は皮脂が多い部分に起きやすい慢性の炎症です。

本記事では、脂漏性皮膚炎の原因や症状をはじめ脂漏性皮膚炎の治し方を紹介します。

この記事を読めば、脂漏性皮膚炎の症状や予防方法がわかります。

また、記事の後半では脂漏性皮膚炎に効きやすい薬も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

脂漏性皮膚炎とはどんな病気?

脂漏性皮膚炎は頭部や顔だけでなく、胸部や股部、わきの下など皮脂の多い部位に発症しやすいです。

脂漏性皮膚炎は、主に以下のような原因によって発症するとされています。

  • 皮膚の常在菌である「マラセチア」に対するアレルギー反応
  • 皮脂の分泌異常
  • ビタミンB群不足
  • ストレス
  • 皮膚表面のpH※

※pHとは、酸性とアルカリ性を表す尺度です。

脂漏性皮膚炎は皮膚の常在菌である「マラセチア」へのアレルギー反応で起こり、皮脂の多い部分で発症しやすいです。

そのため、ビタミンB群の不足やストレスなどが原因で皮脂が多く分泌されると発症しやすくなります。

脂漏性皮膚炎はどんな症状?

脂漏性皮膚炎はどんな症状?

脂漏性皮膚炎を発症すると、主に以下のような症状が現れます。

  • 赤み
  • かゆみ
  • 皮が剥がれてふけのようなものが出る

特に、頭皮に炎症が起こるとふけが多く現れる場合が多いです。

かゆみはある場合とない場合があります。

脂漏性皮膚炎の治し方とは?

脂漏性皮膚炎は、発症する年齢によって以下の2種類に分けられます。

  • 乳児期に発症する「乳児脂漏性皮膚炎
  • 成人になってから発症する「成人期脂漏性皮膚炎

それぞれ治療法が異なるので、以下で詳しく解説します。

脂漏性皮膚炎の治し方(1)乳児脂漏性皮膚炎の場合

乳児の時期に発症する「乳児脂漏性皮膚炎」の場合、ステロイド外用薬や抗真菌薬外用薬(ケトコナゾール外用薬)などを使用します。

ただし、基本的には数ヶ月で自然に治まるため短期間の治療になります。

脂漏性皮膚炎の治し方(2)成人脂漏性皮膚炎の場合

思春期以降に発症する場合は「成人期脂漏性皮膚炎」とされ、ステロイド外用薬と抗真菌薬外用薬(ケトコナゾール外用薬)をあわせて使用します。

治療によって炎症がなくなった後は、予防のために抗真菌薬外用薬(ケトコナゾール外用薬)を継続します。

脂漏性皮膚炎が悪化してしまう5つの要因

脂漏性皮膚炎が悪化してしまう原因は主に以下の5つです。

  • ストレス、疲労、寝不足
  • 洗浄不足による皮脂の貯留
  • ビタミン不足、喫煙(タバコ)
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 便秘

脂漏性皮膚炎は皮脂が多い部分に発生しやすい病気です。

そのため、単純な洗浄不足による皮脂の貯留をはじめ、ストレスや疲労によってホルモンバランスが崩れ皮脂が過剰分泌されることでも悪化しやすくなります。

脂漏性皮膚炎の予防方法とは?

脂漏性皮膚炎の予防方法とは?

 

脂漏性皮膚炎を予防する具体的な方法は以下の通りです。

  • 体質に合ったシャンプーや石鹼を使う
  • ストレスを抱えないような生活習慣にする

それぞれの予防方法について詳しく解説します。

脂漏性皮膚炎の予防方法(1)体質に合ったシャンプーや石鹼を使う

脂漏性皮膚炎を予防する方法として、体質に合ったシャンプーや石鹸を使うことが挙げられます。

脂漏性皮膚炎は、シャンプーや石鹸が体質と合っていないことに起因する皮脂の過剰分泌が原因で発症してしまっているものも少なくありません。

特に頭皮の状態は個人によって様々なため、シャンプーによっては体質に合わない場合があります。

皮脂が多い場合やふけが目立つ場合はシャンプーや石鹸の交換も検討しましょう。

脂漏性皮膚炎の予防方法(2)ストレスを抱えないような生活習慣にする

脂漏性皮膚炎を予防する方法として、ストレスを抱えないような生活習慣にすることも重要です。

脂漏性皮膚炎の原因となり得る皮脂は、ストレスや疲労により過剰分泌される可能性があります。

ストレスや疲労を溜め込まないために、適度な運動と十分な睡眠を取ることで皮脂の過剰分泌を抑えられ、脂漏性皮膚炎の予防につながります。

油分の多い食事も皮脂の過剰分泌につながるため、油分の少ない食習慣を心がけることが大切です。

脂漏性皮膚炎は市販薬で治る?脂漏性皮膚炎の薬とは

脂漏性皮膚炎は市販薬で治ることが多いです。

特に、かゆみや赤みにはローションタイプのステロイド外用剤(塗り薬)が有効とされています。

ただし、自分の症状に合った薬がわからない方や市販薬では治らない方は病院での処方薬が必要です。

脂漏性皮膚炎で使われる一般的な薬は、主に以下のようなものがあります。

薬の特徴 特徴
抗真菌薬(ケトコナゾール外用薬) ・クリームやローションタイプがある
・脂漏性皮膚炎の原因である「マラセチア」を殺菌するために使用される
・長期間使用しても副作用はほとんどない場合が多い
ステロイド外用薬 ・赤みや炎症を抑える目的で使用される
・炎症の度合いや部位によって使用するステロイド外用薬は異なるので病院での処方が推奨されている
プロトピック(タクロリムス)・コレクチム ・すぐ再発してしまうという方向けに処方されることがある
・塗り始めの数日程度はほてるような感覚が出ることがある
漢方薬 ・難治性の脂漏性皮膚炎に対しては様々な漢方薬が使用される場合がある
・炎症や化膿を抑える効果がある
ビタミン剤 ・脂漏性皮膚炎の原因としてビタミン類の不足が挙げられるため処方される場合がある

ステロイド外用薬は市販でも売られているものの、症状に適したものを使用しないとむしろ悪化してしまう可能性もあるため、まずは医師の診療を受けることが大切です。

脂漏性皮膚炎に関するよくある質問

脂漏性皮膚炎に関するよくある質問についてまとめました。

Q脂漏性皮膚炎ができやすい年齢や性別はある?

脂漏性皮膚炎は、3ヶ月未満の乳児と30歳以上の成人に多いとされています。

また、女性より男性の方が脂漏性皮膚炎を発症する可能性は高いです。

乳児期に発症する脂漏性皮膚炎を「乳児脂漏性皮膚炎」、成人以上で発症する脂漏性皮膚炎を「成人期脂漏性皮膚炎」と呼びます。

Q脂漏性皮膚炎の治りが悪い時は?

脂漏性皮膚炎は病院で適切な処置をすれば、治りやすい病気です。

ステロイド剤を使用すれば短い期間で治りやすいですが、それでもなかなか治らない場合には以下のような別の皮膚疾患の可能性があります。

  • アトピー性皮膚炎
  • 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
  • カンジダ性間擦疹

そのため、症状が軽くてもまずは病院で診察を受けてみるのが良いでしょう。

東京で脂漏性皮膚炎の治療ならアイシークリニックへご相談ください

脂漏性皮膚炎は乳児から成人まで誰でもかかりうる病気です。
生活習慣の乱れやストレスなどによって発症することが多いものの、適切な治療を受ければ治りは早いとされているため、まずは医療機関を受診することが大切です。

アイシークリニックは、老若男女どなたでも相談しやすいクリニックを目指しています。

どんな症状であっても、患者様と相談しながら安心の治療方法を提案させていただきますので、かゆみや皮膚の炎症に少しでもお悩みの方は、アイシークリニックにご相談くださいませ。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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