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【自分で取れる?】首イボの原因・治療法を皮膚科医が解説!

首にできるポツポツとした「首イボ」。
年齢とともに増えてきたり、ネックレスや洋服の襟に引っかかって気になったりしていませんか?
「これは何だろう?」「悪いものではないか?」と不安に思われる方も少なくないでしょう。

この記事では、多くの人が悩む首イボの正体から、その原因、そして安全な治療法まで、皮膚科専門医の観点から詳しく解説します。
自分で取ろうとすることの危険性や、市販薬の効果についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

気になる首イボですが、そのほとんどは良性の皮膚腫瘍であり、過度に心配する必要はありません。
しかし、見た目の問題や不快感から治療を希望される方が多くいらっしゃいます。

首イボの正体は良性の皮膚腫瘍

一般的に「首イボ」と呼ばれるものには、主に以下のような種類があります。
これらは大きさや形状によって呼び方が異なりますが、いずれも皮膚の良性腫瘍です。

アクロコルドン、スキンタッグ、軟性繊維腫とは

  • アクロコルドン: 1〜2mm程度の小さな皮膚の突起で、多発することが多いです。色は肌色から褐色調まで様々です。
  • スキンタッグ: アクロコルドンが少し大きくなったもので、数mm程度の大きさです。こちらもアクロコルドン同様、首や脇の下など皮膚の柔らかい部分によく見られます。
  • 軟性線維腫(けんすいせいせんいしゅ): スキンタッグがさらに大きくなり、1cm以上になるものもあります。根元がくびれて、垂れ下がるような形をしているのが特徴です。

これらは悪性化(がん化)することは、まずないと考えられています。
しかし、他の皮膚疾患との見分けが難しい場合もあるため、自己判断は禁物です。

首イボができやすい人の特徴

首イボができる明確な原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関わっていると考えられています。

  • 加齢: 30代頃からでき始め、年齢を重ねるごとに数が増えたり、大きくなったりする傾向があります。
  • 摩擦: ネックレスや衣類の襟などが常に当たることで、皮膚に物理的な刺激が加わり、発生を促すことがあります。
  • 紫外線: 長年浴び続けた紫外線の影響も、皮膚の老化を促進し、首イボの一因になると考えられています。
  • 体質・遺伝: ご家族に首イボが多いなど、遺伝的な要因も関係する場合があります。
  • 肥満・代謝: 肥満傾向のある方や、糖尿病などの代謝疾患がある方に多く見られることも報告されています。

首イボは自然に消える?放置しても大丈夫?

「そのうち自然になくなるかも」と期待する方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらその可能性は低いと言えます。

自然治癒は期待できない首イボ

一度できてしまったアクロコルドンやスキンタッグなどの首イボは、自然に消えることはほとんどありません。
むしろ、放置することで数が増えたり、少しずつ大きくなったりすることが一般的です。

放置することによるリスク

良性腫瘍であるため、医学的に必ず治療が必要というわけではありません。
しかし、放置することには以下のような美容的・物理的なリスクが伴います。

  • 数の増加、サイズの増大: 時間の経過とともに数が増え、サイズも大きくなる可能性があります。小さいうちに治療した方が、体への負担も費用も少なくて済みます。
  • 引っかかりによる炎症: 衣類やアクセサリー、タオルなどで引っかけてしまい、痛みや出血、炎症を引き起こすことがあります。
  • 見た目の問題: 特に首周りは人目につきやすいため、美容的な観点からコンプレックスに感じる方も少なくありません。

まれに悪性の腫瘍と見分けがつきにくいケースもあるため、急に大きくなった、色が変わった、出血を繰り返すといった変化が見られる場合は、必ず皮膚科を受診してください。

首イボの治療法と自分で取る危険性

気になる首イボをどうにかしたいと考えたとき、市販薬や自己処理を思い浮かべるかもしれませんが、それには大きなリスクが伴います。
安全な治療は、皮膚科で行うのが基本です。

市販薬でのセルフケアについて

ドラッグストアなどでは、イボに効果があるとされる様々な市販薬が販売されています。

市販薬(クリーム・飲み薬)の効果と限界

首イボ対策として販売されている飲み薬の多くは、「ヨクイニン」というハトムギ由来の成分を含んでいます。
ヨクイニンは、ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)に対して効果が期待されるもので、加齢や摩擦が原因のアクロコルドンなどには、残念ながら効果は限定的です。

また、角質を柔らかくするクリームやオイルもありますが、これらは皮膚の表面を滑らかにするだけで、イボそのものを除去する効果はありません。

市販薬で取れたという情報の真偽

インターネット上には「市販の〇〇でポロッと取れた」という体験談が見られますが、鵜呑みにするのは危険です。
ごく小さな角質の塊が取れただけかもしれませんし、そもそも首イボではなかった可能性もあります。
中には、イボを腐食させるような強い成分を含む海外製品もありますが、これらは健康な皮膚まで傷つけ、深刻な肌トラブルや傷跡の原因となるため、絶対に使用しないでください。

自分で取る方法(ハサミ・糸など)は危険

ハサミで切る、糸でしばる、爪切りで取る、といった自己処理は絶対にやめてください。
手軽にできるように思えるかもしれませんが、非常に危険な行為です。

感染や悪化のリスク

消毒が不十分な器具を使うことで、細菌が侵入し、化膿してしまう危険性があります。
炎症がひどくなると、治療がより複雑になってしまいます。

痛みや傷跡の可能性

当然ながら強い痛みを伴い、出血もします。
それだけでなく、除去した跡がシミ(色素沈着)になったり、ケロイドのように盛り上がった醜い傷跡になってしまったりする可能性があります。
きれいにしたくて行ったはずの処置が、かえって目立つ結果を招くのです。

皮膚科での専門的な治療方法

皮膚科では、首イボの種類や大きさ、数、患者様の希望に応じて、以下のような安全で効果的な治療を行います。

液体窒素を用いた凍結療法

-196℃の超低温である液体窒素を綿棒などに含ませ、イボに当てることで凍結させ、壊死・脱落させる方法です。

  • メリット: 保険適用になることが多く、比較的安価で手軽に行えます。
  • デメリット: 複数回の治療が必要な場合や、治療後に一時的な色素沈着が起こる可能性があります。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による除去

レーザーを照射し、イボの組織を水分ごと蒸散させて除去する方法です。

  • メリット: 周辺組織へのダメージが少なく、出血もほとんどありません。傷跡が綺麗に治りやすく、1回の治療で完了することが多いです。
  • デメリット: 基本的に自費診療となるため、費用は高めになります。

高周波メスや切除手術

高周波メス(電気メス)でイボを焼き切ったり、比較的サイズが大きい軟性線維腫の場合は、メスで物理的に切除し、縫合したりします。
局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはありません。

治療法 特徴 メリット デメリット
液体窒素療法 超低温でイボを凍結・壊死させる 保険適用の場合が多く、手軽 複数回の治療が必要な場合がある、色素沈着のリスク
炭酸ガスレーザー レーザーでイボを蒸散させる 傷跡が綺麗、1回で完了することが多い 自費診療で費用がかかる
高周波メス・切除 電気メスやメスで物理的に除去 大きなイボも確実に除去できる 施術内容により費用やダウンタイムが異なる

首イボに関するよくある質問

ここで、患者様からよくいただく質問にお答えします。

首イボと尋常性疣贅の違いは?

首イボ(アクロコルドン等)は加齢や摩擦が主な原因の良性腫瘍です。
一方、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因で、触ることで他の部位や他人にうつる可能性があります。
見た目が似ていることもあるため、自己判断せず皮膚科で正確な診断を受けることが重要です。

首イボの治療に痛みはありますか?

治療法によって異なります。
液体窒素はチクッとした冷たい痛みが一瞬ありますが、麻酔は不要な程度です。
レーザーや切除手術の場合は、事前に局所麻酔(注射やクリーム)を行うため、施術中の痛みはほとんどありません。
痛みが心配な方は、遠慮なく医師にご相談ください。

首イボ治療後の注意点は?

治療後は、患部を清潔に保ち、紫外線対策を徹底することが大切です。
擦るなどの刺激も避けてください。
レーザー治療などの後は、保護テープや軟膏を指示通りに使用します。
美しい仕上がりのためには、アフターケアが非常に重要です。

首イボ治療の費用はどのくらいかかりますか?

費用は、治療法やイボの数・大きさ、保険適用の有無によって大きく異なります。

  • 保険適用の場合(液体窒素など): 3割負担で数百円〜数千円程度が目安です。
  • 自費診療の場合(レーザーなど): クリニックによって異なりますが、イボ1個あたり数千円〜が一般的です。
    個数が多い場合は、取り放題プランなどを設定しているクリニックもあります。

正確な費用については、診察時にご確認ください。

首イボでお悩みの方は皮膚科へご相談ください

首にできたイボは、良性であることがほとんどですが、自然に消えることはなく、放置すると増えたり大きくなったりする可能性があります。
何より、自分で取ろうとすることは、感染や醜い傷跡を残すリスクが非常に高いため、絶対に避けるべきです。

皮膚科では、安全かつ効果的な治療法が確立されています。
保険が適用される治療から、より仕上がりの美しさを追求した自費診療まで、選択肢は様々です。

気になる首イボをなくして、首元のおしゃれを心から楽しみたい、引っかかる不快感から解放されたいとお考えなら、まずは一度、専門の皮膚科医にご相談ください。
あなたの肌の状態とご希望に合わせた最適な治療法を提案いたします。

免責事項:
本記事は情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
首イボに関するお悩みや治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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