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アクアチムクリーム徹底解説!ニキビへの効果的な使い方と期間

アクアチムクリームは、皮膚科で頻繁に処方される外用薬の一つであり、特にニキビやその他の細菌感染による皮膚トラブルに悩む方にとって、その効果が期待されています。
しかし、医療用医薬品であるため、市販されていないことや、正しい使い方、考えられる副作用、そして似た名称の「アクアチム軟膏」との違いなど、詳しく知りたい点がたくさんあるでしょう。
本記事では、アクアチムクリームの主な効果や成分、購入方法、適切な使用法、そしてよくある疑問点まで、専門的な視点と分かりやすさを両立させながら徹底的に解説します。
アクアチムクリームを現在使用している方、これから使用を検討している方はもちろん、皮膚のトラブルで悩むすべての方に役立つ情報を提供します。

アクアチムクリームとは?主な効果と特徴

アクアチムクリームは、日本臓器製薬株式会社が製造販売している医療用医薬品です。
その名の通り、クリーム状の外用薬であり、主に細菌感染が原因となる様々な皮膚疾患の治療に用いられます。
有効成分として「ナジフロキサシン」を配合しており、これは特定の細菌に対して強力な抗菌作用を発揮する合成抗菌剤です。

このクリームの大きな特徴は、その優れた抗菌スペクトルと、皮膚への浸透性です。
皮膚表面だけでなく、毛穴の奥深くにも成分が届きやすいため、ニキビなどの毛包に起因する疾患にも効果を発揮しやすいとされています。
また、クリーム剤であることから、べたつきが少なく、比較的広い範囲に塗布しやすいという利点も持ち合わせています。
これにより、日常的な使用における患者さんの負担を軽減し、治療の継続性を高めることが期待されます。

アクアチムクリームは何に効く?効果・効能を解説

アクアチムクリームの有効成分であるナジフロキサシンは、細菌のDNA複製を阻害することで増殖を抑え、最終的に細菌を死滅させる働きがあります。
この作用機序により、多様な細菌性の皮膚感染症に対して効果を発揮します。

具体的な適応症としては、化膿性皮膚疾患やニキビ(ざ瘡)などが挙げられます。
これらの疾患は、皮膚の常在菌や外部から侵入した細菌が増殖することで炎症を引き起こしたり、症状を悪化させたりすることが多いため、アクアチムクリームの抗菌作用が有効に作用するのです。

ニキビ(ざ瘡)への効果

ニキビ、医学的には「ざ瘡」と呼ばれるこの皮膚疾患は、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、そしてアクネ菌(Propionibacterium acnes、現在はCutibacterium acnesに改名)という細菌の増殖が複雑に絡み合って発生します。
特に、赤く腫れて痛みやかゆみを伴う「炎症性ニキビ」は、アクネ菌が皮脂を分解する際に生じる脂肪酸が原因で炎症が引き起こされ、悪化するとニキビ痕になるリスクも高まります。

アクアチムクリームは、この炎症性ニキビに対して高い効果を発揮します。
その主な作用は、アクネ菌の増殖を抑えることにあります。
アクネ菌は、酸素を嫌う嫌気性菌の一種であり、毛穴の奥深くで皮脂を栄養源として増殖します。
アクアチムクリームの有効成分であるナジフロキサシンは、このアクネ菌のDNA複製を阻害することで、菌の増殖を効果的に抑制します。
これにより、アクネ菌による炎症反応が鎮静化され、赤みや腫れが改善されていきます。

具体的には、以下のようなニキビに対して効果が期待できます。

  • 赤ニキビ(炎症性ニキビ): 炎症が起こり、赤く腫れているニキビ。
  • 黄ニキビ(化膿性ニキビ): 赤ニキビが悪化し、膿を持っているニキビ。

ただし、アクアチムクリームはあくまでも細菌をターゲットとする抗生物質であるため、白ニキビ(コメド)や黒ニキビ(コメド)のような、毛穴の詰まりが主な原因で炎症を伴わない初期のニキビには直接的な効果は限定的です。
これらのコメドには、ピーリング作用のある外用薬やレチノイド製剤などが併用されることが一般的です。

アクアチムクリームの使用により、炎症が抑えられ、新たなニキビの発生も予防される可能性があります。
しかし、ニキビ治療は単一の薬だけで完結するものではなく、患者さんのニキビの種類や状態、肌質に応じて、他の外用薬や内服薬、スキンケア方法などを組み合わせて総合的に行うことが重要です。
例えば、皮脂の分泌をコントロールする薬や、毛穴の詰まりを改善する薬と併用することで、より高い治療効果が期待できます。

おでき・とびひなどの皮膚感染症

アクアチムクリームは、ニキビ以外にも、ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が原因で起こる皮膚感染症にも広く用いられます。
これらの細菌は、日常生活の中で皮膚に常に存在している常在菌ですが、傷口や皮膚のバリア機能が低下した部分から侵入すると、感染症を引き起こすことがあります。

具体的な皮膚感染症の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • おでき(せつ、よう): 毛包とその周囲に細菌が感染して炎症を起こし、膿がたまる状態です。
    特に黄色ブドウ球菌が主な原因菌となります。
    アクアチムクリームは、この細菌の増殖を抑えることで炎症を鎮め、症状の改善を促します。
  • とびひ(伝染性膿痂疹): 細菌が皮膚に感染し、水ぶくれやびらん、かさぶたなどを形成しながら、体の他の部位や周囲の人にも「飛び火」するように広がる感染症です。
    主に黄色ブドウ球菌や化膿性レンサ球菌が原因となります。
    小児に多く見られますが、大人も感染します。
    アクアチムクリームの抗菌作用により、原因菌を排除し、病変の拡大を防ぎます。
  • 毛嚢炎(もうのうえん): 毛穴の奥にある毛包に細菌が感染して起こる炎症です。
    赤く小さなブツブツができ、かゆみや痛みを伴うことがあります。
    カミソリ負けの後に細菌感染を起こした場合などにも見られます。
    アクアチムクリームは、原因菌であるブドウ球菌などを殺菌し、炎症を鎮めます。
  • その他、細菌感染を伴う湿疹・皮膚炎: アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎など、皮膚のバリア機能が低下している湿疹や皮膚炎では、掻き壊しなどにより細菌感染を併発することがよくあります。
    このような二次感染の治療にも、アクアチムクリームが処方されることがあります。

これらの疾患において、アクアチムクリームは細菌の増殖を抑制することで、症状の悪化を防ぎ、治癒を促進する役割を果たします。
ただし、これらの感染症は重症化すると全身症状を伴う場合もあり、その際は内服の抗生物質が必要となることもあります。
また、水虫(白癬)やカンジダ症のような真菌(カビ)が原因の感染症には、抗真菌薬が必要であり、アクアチムクリームは効果がありません。
自己判断せずに、必ず医師の診断を受けて適切な治療を行うことが重要です。

アクアチムは抗生物質?主成分ナジフロキサシンについて

はい、アクアチムクリームの主成分であるナジフロキサシンは、明確に「抗生物質」に分類される薬剤です。
より正確には、「ニューキノロン系合成抗菌剤」というグループに属します。

抗生物質とは?
抗生物質とは、細菌や真菌などの微生物の増殖を抑えたり、死滅させたりする作用を持つ物質の総称です。
元々は、微生物が生産する物質から発見されたものが多いですが、ナジフロキサシンのように化学合成されたものも含まれます。
これらは、細菌感染症の治療に不可欠な薬剤です。

主成分ナジフロキサシンについて
ナジフロキサシンは、細菌が遺伝子情報を複製する際に必要な酵素である「DNAジャイレース」や「トポイソメラーゼIV」の働きを阻害することで、細菌の増殖を強力に抑えます。
これにより、細菌は正常に分裂できなくなり、最終的に死滅に至ります。
この作用機序は、他の種類の抗生物質とは異なるため、様々な細菌に対して効果を発揮し、また他の抗生物質に耐性を持つ細菌に対しても有効な場合があります。

ナジフロキサシンが効果を発揮する主な細菌は以下の通りです。

  • グラム陽性菌:
    • 黄色ブドウ球菌(MRSAを含む一部の耐性菌にも有効な場合がありますが、適応症や地域差があります)
    • 表皮ブドウ球菌
    • 化膿レンサ球菌
    • アクネ菌(Cutibacterium acnes)
  • グラム陰性菌:
    • 緑膿菌
    • 大腸菌
    • インフルエンザ菌
    • 肺炎桿菌

このように、ナジフロキサシンは非常に幅広い種類の細菌に効果を持つ「広範囲抗菌スペクトル」を有しているのが特徴です。
皮膚科領域で問題となることが多いブドウ球菌やアクネ菌に対する高い抗菌力が、アクアチムクリームがニキビやおでき、とびひなどの皮膚感染症に効果を発揮する理由となっています。

抗生物質であるという特性上、使用にあたっては後述する「耐性菌」の問題も考慮する必要があり、医師の指示に従って適切に、そして必要な期間のみ使用することが極めて重要です。

アクアチムクリームは市販薬?購入方法と注意点

アクアチムクリームが皮膚トラブルに効果的だと知ると、「薬局で手軽に買えるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
しかし、アクアチムクリームは市販薬としてドラッグストアなどで購入することはできません。

アクアチムクリームは処方箋が必要な医療用医薬品

アクアチムクリームは、「処方箋医薬品」に分類される医療用医薬品です。
これは、医師の診察と処方箋がなければ、薬局で購入することができない薬であることを意味します。
市販薬とは異なり、医療用医薬品は効果が強力である一方で、副作用のリスクや特定の疾患を持つ人への禁忌、他の薬との飲み合わせ(併用禁忌・注意)など、専門的な知識を持った医師や薬剤師による管理と指導が必要だからです。

なぜ処方箋が必要なのでしょうか?主な理由は以下の通りです。

  • 診断の必要性: 皮膚の症状は多岐にわたり、見た目が似ていても原因が全く異なる場合があります。
    例えば、赤く腫れているからといってすべてが細菌感染とは限りません。
    真菌(カビ)による感染や、ウイルス性の発疹、アレルギー反応など、アクアチムクリームでは効果がない、あるいは症状を悪化させる可能性のある疾患も存在します。
    正確な診断がなければ、適切な治療はできません。
  • 副作用のリスク管理: 医療用医薬品は、効果が高い分、市販薬よりも副作用のリスクが高い場合があります。
    医師は患者さんの健康状態、既往歴、アレルギー歴、現在服用中の薬などを総合的に判断し、アクアチムクリームがその患者さんにとって安全かつ適切であるかを評価します。
  • 耐性菌の発生抑制: アクアチムクリームは抗生物質です。
    抗生物質を不適切に、あるいは必要以上に使うと、薬が効かない「耐性菌」が発生しやすくなります。
    耐性菌が増えると、将来的に感染症が治療困難になるリスクが高まります。
    医師は、適切な期間と量で処方することで、耐性菌の発生を抑制する役割を担っています。
  • 専門的な指導: 薬剤師は、処方箋に基づいて薬を交付する際に、正しい使い方、考えられる副作用、保管方法などについて詳細な説明を行います。
    これにより、患者さんが安全に薬を使用できるようサポートします。

これらの理由から、アクアチムクリームが必要な場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診察を受ける必要があります。
インターネット上では個人輸入代行業者を通じて海外製の医薬品が販売されていることがありますが、これらは偽造品や品質の劣る製品である可能性があり、健康被害のリスクが非常に高いため、絶対に利用しないでください。

オンライン診療での処方

近年、テクノロジーの進歩と医療環境の変化に伴い、オンライン診療が普及してきました。
アクアチムクリームのような医療用医薬品も、オンライン診療を通じて処方してもらうことが可能です。

オンライン診療のメリットは多岐にわたります。

  • 時間と場所の制約が少ない: 自宅や職場など、どこからでも診察を受けることができるため、通院にかかる時間や交通費を節約できます。
    忙しい方や、近くに皮膚科がない地域に住んでいる方にとって特に便利です。
  • 待ち時間の短縮: 病院での待ち時間がほとんどなく、予約した時間に診察を受けられます。
  • プライバシーの確保: クリニックの待合室で他の患者さんと顔を合わせることに抵抗がある方でも、自宅でリラックスして診察を受けられます。
  • 感染リスクの低減: 病院での他の患者さんからの感染リスクを避けることができます。

オンライン診療でのアクアチムクリーム処方の基本的な流れは以下の通りです。

  • オンライン診療対応のクリニックを探す: まずは、皮膚科のオンライン診療を行っているクリニックを探します。
    多くのオンライン診療サービスが提携クリニックを紹介しています。
  • 予約と問診票の記入: ウェブサイトやアプリを通じて診療の予約を行い、事前にオンライン問診票に症状や既往歴、アレルギー、現在使用中の薬などを詳しく記入します。
    皮膚の症状に関する写真のアップロードを求められることもあります。
  • オンライン診察: 予約した日時になると、ビデオ通話(または電話)を通じて医師による診察が行われます。
    問診票の内容やアップロードされた写真、患者さんの説明に基づいて、医師が症状を診断し、治療方針を決定します。
  • 処方と支払い: 医師がアクアチムクリームの処方を決定した場合、オンライン上で決済手続きを行います。
  • 薬の配送: 処方された薬は、通常、数日以内に指定の住所に郵送されます。
    クリニックによっては、薬局での受け取りを選択できる場合もあります。

オンライン診療は非常に便利ですが、対面診療と同様に医師の診断に基づいて処方されるため、医師が直接皮膚の状態を確認できないという側面も理解しておく必要があります。
そのため、症状によっては対面での診察を勧められることもあります。
初めて利用する際は、そのクリニックのオンライン診療のシステムや料金体系、医師の専門性などを事前に確認し、安心して利用できるところを選ぶことが大切です。

アクアチム軟膏とアクアチムクリームの違い

アクアチムには「アクアチムクリーム」と「アクアチム軟膏」の2つの剤形が存在します。
有効成分はどちらも同じナジフロキサシンですが、その基剤(薬の主成分を溶かしたり混ぜたりする物質)が異なるため、使用感や適した症状に違いがあります。
患者さんにとっては、どちらを選べば良いのか迷うこともあるかもしれません。

剤形による使い分け

クリームと軟膏は、それぞれ異なる特性を持つため、患者さんの肌質や皮膚の状態、使用する部位、季節などに応じて使い分けられます。

アクアチムクリームの特性と適したケース

  • 基剤: 油分と水分を乳化させたもので、水に溶けやすく、洗い流しやすいのが特徴です。
  • 使用感: 伸びが良く、肌に塗るとさらっとしてべたつかないため、使用感が良いとされています。
  • 浸透性: 比較的速く皮膚に浸透し、広範囲に塗り広げやすいです。
  • 適したケース:
    • 顔面や毛髪部: べたつきが気になる顔や、髪の毛がある部分に塗る場合に適しています。
    • 湿潤性の病変: ジュクジュクとした滲出液(しんしゅつえき)がある患部や、湿っぽいニキビなどに使用すると、乾燥を促しながら治療を進められます。
    • 夏場などの温暖な時期: 汗をかきやすい季節でも、べたつかずに快適に使用できます。
    • 広範囲の病変: 広範囲に炎症がある場合に、薄く均一に塗り広げやすいです。

アクアチム軟膏の特性と適したケース

  • 基剤: 油脂性が高く、水分をほとんど含まないため、皮膚に密着しやすいのが特徴です。
  • 使用感: 塗るとしっとりとして、患部を保護するような使用感があります。
    べたつきを感じやすいですが、その分、皮膚表面に長く留まります。
  • 浸透性: クリームに比べて浸透はゆっくりですが、患部を長時間保護する効果が期待できます。
  • 適したケース:
    • 乾燥している病変: ひび割れや乾燥がひどい患部、かさつきやすい皮膚炎などに使用すると、患部を保護し、乾燥から守る効果も期待できます。
    • 痂皮(かさぶた)形成期: かさぶたができた後の患部に塗ることで、皮膚を保護し、治癒を促します。
    • 冬場などの乾燥する時期: 空気が乾燥する季節に、皮膚の保護と保湿を兼ねたい場合に適しています。
    • 刺激に弱い部位: デリケートな部位や、衣服との摩擦が多い部位に塗る場合に、保護作用が役立ちます。

適応疾患と効果の比較

アクアチムクリームとアクアチム軟膏は、どちらも有効成分がナジフロキサシンであるため、基本的な適応疾患と抗菌効果は同じです。
ニキビ(ざ瘡)、おでき、とびひ、毛嚢炎などの細菌性皮膚感染症に対して、同様の抗菌作用を発揮します。

しかし、前述の剤形の違いが、治療における補助的な役割や患者さんの使用感に影響を与え、結果として治療へのアドヒアランス(患者さんが積極的に治療に取り組むこと)に差が生じることがあります。

特徴 アクアチムクリーム アクアチム軟膏
剤形 水分と油分を乳化させたクリーム状 油脂性の軟膏状
主成分 ナジフロキサシン ナジフロキサシン
使用感 さらっとしてべたつかない、伸びが良い しっとりとしてべたつく、保護作用が高い
洗いやすさ 水で比較的洗い流しやすい 洗い流しにくい
適した肌の状態 湿潤性の患部、炎症のあるニキビ、皮脂が多い肌 乾燥した患部、ひび割れ、かさつき、皮膚が薄い部分
適した部位 顔、頭皮、広範囲の病変 体、乾燥しやすい部位、保護が必要な部位
適した季節 夏など、べたつきが気になる季節 冬など、乾燥しやすい季節
主な効果 細菌の増殖抑制による炎症改善、ニキビ・皮膚感染症治療 細菌の増殖抑制、患部の保護、保湿

医師は、患者さんの具体的な皮膚の状態、症状のタイプ、病変の部位、季節、そして患者さんのライフスタイルや好みも考慮して、最も適切な剤形を選択します。
例えば、顔の炎症性ニキビにはべたつかないクリーム、乾燥してひび割れた状態の感染症には保護作用のある軟膏、といったように使い分けられることが一般的です。
自己判断で剤形を選ぶのではなく、必ず医師や薬剤師の指示に従いましょう。

アクアチムクリームの正しい使い方と注意点

アクアチムクリームの効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑えるためには、正しい使い方を理解し、指示された通りに用いることが不可欠です。
特に抗生物質であるため、安易な使用や不適切な使用は、薬が効かなくなる「耐性菌」の発生につながる可能性があります。

アクアチムクリームの一般的な塗り方

アクアチムクリームは、通常、1日1回、患部に塗布します。
ただし、医師の指示によって塗布回数や量が異なる場合があるため、必ず処方された指示に従ってください。

以下に、一般的な塗り方とポイントを挙げます。

  1. 手を清潔にする: 薬を塗る前には、必ず石鹸で手を洗い、清潔にしてください。
    これにより、手に付着している雑菌が患部に移るのを防ぎます。
  2. 患部を清潔にする: 塗布する患部も、優しく洗浄し、清潔な状態にしてから塗ることが推奨されます。
    特に顔のニキビの場合は、洗顔後に肌が清潔な状態になってから塗布しましょう。
    ただし、強くこすったり、刺激の強い洗顔料を使ったりするのは避け、肌に負担をかけないように注意してください。
  3. 適切な量を塗布する: 少量で広範囲に伸びるクリームなので、薄く均一に塗布することがポイントです。
    一般的な目安としては、大人の人差し指の先端から第一関節までの量(約0.5g)で手のひら2枚分程度の広さに塗布できます。
    患部の広さに合わせて量を調整してください。
    多量に塗っても効果が増すわけではなく、かえって副作用のリスクを高める可能性があります。
  4. 患部に優しくなじませる: 患部に直接クリームをのせ、指の腹を使って優しく塗り広げ、肌になじませます。
    ゴシゴシと強くこすりつけたり、皮膚に摩擦を与えたりしないように注意しましょう。
  5. 目や口に入らないように注意: 目や口、鼻の粘膜などのデリケートな部分には塗らないようにしてください。
    もし誤って入ってしまった場合は、すぐに大量の水で洗い流し、異常を感じたら医師や薬剤師に相談してください。
  6. 塗布後の手洗い: 薬を塗った後は、必ずもう一度手を石鹸でよく洗いましょう。
    これにより、薬が不要な部位に付着するのを防ぎます。

塗布するタイミングは、洗顔後や入浴後など、肌が清潔な状態のときが効果的です。
ただし、他の外用薬を併用する場合は、塗布の順番について医師や薬剤師の指示を仰ぐようにしてください。
一般的には、水っぽいものから油っぽいものへと塗るのがセオリーとされています。

アクアチムクリームを使い続けるとどうなる?耐性菌のリスク

アクアチムクリームは強力な抗生物質であるため、その使用には「耐性菌」という重要な問題が伴います。
耐性菌とは、抗生物質が効かなくなった細菌のことです。

耐性菌が発生するメカニズム
細菌は、抗生物質に繰り返しさらされることで、生き残るために遺伝子を変化させ、薬の作用を回避する能力を獲得することがあります。
これが耐性です。
例えば、抗生物質を不適切に使用する(短い期間で中断する、少量だけ使うなど)と、中途半端に薬にさらされた細菌の一部が生き残り、それが耐性を獲得して増殖してしまう可能性があります。
一度耐性を持った細菌は、その耐性を子孫に伝えていくため、薬が効かない菌が増えてしまうことになります。

アクアチムクリームと耐性菌
アクアチムクリームを長期間にわたって漫然と使い続けたり、症状が改善したからといって自己判断で中断したりすると、ナジフロキサシンに対する耐性菌が発生するリスクが高まります。
特にニキビ治療においては、アクネ菌がナジフロキサシンに耐性を持つようになる可能性が指摘されています。
アクネ菌が耐性を持つと、アクアチムクリームはもちろん、同じニューキノロン系の抗生物質が効きにくくなるため、その後の治療選択肢が狭まってしまうことになります。

耐性菌のリスクを避けるために
耐性菌の発生を防ぎ、アクアチムクリームの効果を将来にわたって維持するためには、以下の点を厳守することが非常に重要です。

  • 医師の指示に従う: 処方された期間と量を厳守し、自己判断で中断したり、使用量を増やしたりしないこと。
  • 漫然と使用しない: 症状が改善したら、医師と相談の上、使用を中止するか、他の治療法に切り替えること。
    長期的な予防目的での使用は推奨されません。
  • 必要な時だけ使う: 軽度の症状や、細菌感染の疑いが薄い場合には、安易に抗生物質を使用しない。

アクアチムクリームは効果的な薬剤ですが、抗生物質としての特性を理解し、適切に利用することが、患者さん自身の健康を守るだけでなく、社会全体の公衆衛生を守る上でも非常に重要です。

アクアチムクリームの主な副作用

アクアチムクリームは、比較的副作用の少ない薬剤とされていますが、どんな薬にも副作用のリスクは存在します。
使用中には、以下のような症状が現れる可能性があります。

比較的頻度の高い副作用

  • 刺激感(ピリピリ感、ヒリヒリ感): 塗った部位に軽度の刺激を感じることがあります。
    特に皮膚が敏感な方や、傷がある部位に塗った場合に感じやすいです。
  • かゆみ: 塗布部位にかゆみが生じることがあります。
  • 発赤(赤み): 塗った部分が赤くなることがあります。
    これは薬の作用による血管拡張や、軽度のアレルギー反応である可能性があります。
  • 乾燥: 皮膚の乾燥を感じることがあります。
  • 鱗屑(りんせつ): 皮膚がフケのように剥がれることがあります。
  • 毛包炎(もうほうえん): ごく稀に、薬が毛穴を刺激し、毛包炎のような症状を引き起こすことがあります。

これらの副作用は、通常、軽度で一時的なものがほとんどであり、使用を続けるうちに慣れてきたり、自然に消失したりすることが多いです。
しかし、症状が強い場合や、改善しない場合は、自己判断せずにすぐに医師や薬剤師に相談してください。

稀に起こる可能性のある副作用(重篤な副作用は非常に稀)

  • 接触皮膚炎: 薬の成分に対してアレルギー反応を起こし、かぶれ(接触皮膚炎)を生じることがあります。
    赤み、強いかゆみ、腫れ、水ぶくれなどの症状が見られた場合は、すぐに使用を中止し、医療機関を受診してください。
  • 光線過敏症: 日光に当たると、塗布部位が過敏に反応し、強い日焼けのような症状が出ることがあります。
    アクアチムクリームの使用中は、塗布部位を不必要に日光にさらさないよう注意し、日中の外出時には日焼け止めや衣類で保護するなどの対策を検討しましょう。

副作用が現れた場合の対処法

  • 軽度な症状: 刺激感や軽度のかゆみ・赤みであれば、しばらく様子を見ることもありますが、症状が続く場合は医師に相談してください。
  • 強い症状やアレルギー反応の疑い: 強いかゆみ、ひどい赤み、腫れ、水ぶくれ、息苦しさなど、アレルギー反応や重い副作用の兆候が見られた場合は、直ちに使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

副作用は、薬剤との相性や個人の体質、皮膚の状態によっても異なります。
少しでも気になる症状があれば、遠慮なく医療専門家に相談することが大切です。

使用上の注意点

アクアチムクリームを安全かつ効果的に使用するためには、以下の注意点も理解しておく必要があります。

  1. 医師の指示を厳守する: 最も重要なのは、医師から指示された用量、回数、期間を厳守することです。
    症状が改善したからといって自己判断で中止したり、他の人に分け与えたりしないでください。
    耐性菌の発生や症状の悪化につながる可能性があります。
  2. 眼科用として使用しない: 目や目の周囲、結膜などには使用しないでください。
    誤って目に入った場合は、すぐに大量の水またはぬるま湯で洗い流し、必要であれば眼科医の診察を受けてください。
  3. 粘膜への塗布を避ける: 口唇、鼻孔、陰部などの粘膜部分には使用しないでください。
  4. 傷口やびらん面には注意: 広範囲の深い傷口や、皮膚がただれたびらん面には、原則として使用を避けるか、医師の指示に従ってください。
    吸収が過剰になり、副作用のリスクが高まる可能性があります。
  5. 他の外用薬との併用: 他の皮膚科用外用薬(例:ステロイド軟膏、レチノイド製剤、ピーリング剤など)を併用している場合は、必ず医師や薬剤師にその旨を伝えてください。
    塗布の順番や時間帯を調整する必要がある場合があります。
    相互作用により、効果が低下したり、副作用が増強されたりする可能性も考慮されます。
  6. 妊娠中・授乳中の方: 妊娠中または授乳中の方は、使用前に必ず医師に相談してください。
    胎児や乳児への影響を考慮し、治療の必要性と安全性を慎重に判断する必要があります。
  7. 小児への使用: 小児への使用は、成人とは異なる配慮が必要となる場合があります。
    医師の指示に従い、保護者の指導のもとで適切に使用してください。
  8. 保存方法: 直射日光や高温多湿を避け、室温で保管してください。
    小児の手の届かない場所に保管しましょう。
    また、使用期限を過ぎた薬は使用しないでください。
  9. アレルギー歴の申告: これまでに薬や化粧品などでアレルギー症状(発疹、かゆみなど)を起こしたことがある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。

これらの注意点を守ることで、アクアチムクリームの治療効果を最大限に引き出し、安全に治療を進めることができます。

アクアチムクリームに関するよくある質問

アクアチムクリームの使用に関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

妊娠中・授乳中の使用について

妊娠中や授乳中の方が薬剤を使用する際は、胎児や乳児への影響を考慮し、細心の注意が必要です。

Q: 妊娠中にアクアチムクリームを使用しても大丈夫ですか?

A: 妊娠中にアクアチムクリーム(主成分ナジフロキサシン)を使用する際は、必ず事前に医師に相談してください。
動物実験では、ナジフロキサシンが胎児に影響を及ぼす可能性が示唆された報告もありますが、ヒトへの影響については十分なデータがありません。
医師は、治療による母体の利益が、胎児への潜在的なリスクを上回ると判断した場合にのみ処方します。
妊娠していること、またはその可能性があることを医師に必ず伝えてください。
自己判断での使用は絶対に避けるべきです。

Q: 授乳中にアクアチムクリームを使用しても大丈夫ですか?

A: 授乳中の方も、アクアチムクリームの使用前に医師に相談してください。
ナジフロキサシンが母乳中に移行するかどうかは、明確なデータが少ないのが現状です。
もし母乳中に移行した場合、乳児に影響を及ぼす可能性もゼロではありません。
医師は、授乳の継続の可否と、薬の使用の必要性を慎重に検討します。
場合によっては、一時的に授乳を中断するよう指示されることもあります。
不安な点があれば、必ず医療機関で相談し、医師の指示に従うようにしてください。

小児への使用について

小児の皮膚は成人よりもデリケートであり、薬の吸収や代謝も異なるため、使用には特別な注意が必要です。

Q: 子供にアクアチムクリームを使っても大丈夫ですか?

A: アクアチムクリームは、小児の細菌性皮膚感染症やニキビの治療にも処方されることがあります。
しかし、成人と同じように使用してよいわけではありません。
小児に使用する場合は、医師がその体重や症状、年齢などを総合的に判断し、適切な用量と期間を指示します。
特に乳幼児への使用は、皮膚からの吸収率が高い可能性があるため、より慎重な判断が必要です。
保護者の方は、必ず医師の指示に従い、薬の塗布量や回数を守り、お子さんの皮膚の状態を注意深く観察してください。
もし副作用のような症状(赤み、かゆみ、腫れなど)が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。
子供が誤って薬を舐めたり、目に入れたりしないよう、保管場所にも十分に注意を払う必要があります。

まとめ:アクアチムクリームの効果を正しく理解し適切に使用しよう

アクアチムクリームは、ニキビ(ざ瘡)やおでき、とびひ、毛嚢炎といった様々な細菌性の皮膚感染症に対して、強力な抗菌作用を発揮する有効な医療用医薬品です。
主成分であるナジフロキサシンは、幅広い細菌に効果を持つニューキノロン系抗生物質であり、皮膚科領域で多くの患者さんの皮膚トラブルの改善に貢献しています。

その効果の高さゆえに、アクアチムクリームは市販薬としては販売されておらず、医師の診察と処方箋が必須となる「処方箋医薬品」です。
これは、正しい診断のもとで適切に使用されることで、副作用のリスクを管理し、特に抗生物質としての重要な課題である「耐性菌」の発生を抑制するためでもあります。
オンライン診療の普及により、より手軽に医師の診察を受け、処方してもらえる機会が増えましたが、自己判断での使用や個人輸入は絶対に行わないでください。

また、同じ有効成分を持つ「アクアチム軟膏」も存在しますが、クリームと軟膏では剤形が異なり、使用感や適した皮膚の状態が異なります。
医師は、患者さんの症状や肌質、ライフスタイルに合わせて最適な剤形を選択しますので、指示された剤形を正しく使用することが重要です。

アクアチムクリームを使用する際は、清潔な手と患部に適量を優しく塗り広げ、目や粘膜への付着を避けるなど、正しい使い方を徹底することが効果を最大限に引き出す鍵となります。
また、万が一、かゆみや赤み、刺激感などの副作用が現れた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
妊娠中・授乳中の方や小児への使用には特に慎重な判断が求められるため、必ず事前に医療専門家と相談してください。

アクアチムクリームは、適切に使用すれば皮膚の症状を効果的に改善してくれる心強い味方です。
しかし、その効果と同時に、医療用医薬品としての注意点や、抗生物質としての特性を深く理解し、医師の指示に従って賢く利用することが何よりも大切です。
皮膚のトラブルで悩んでいる方は、まずは信頼できる医療機関を受診し、ご自身の症状に合った治療法について相談してみましょう。

免責事項: 本記事で提供する情報は一般的な知識であり、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。
特定の症状や疾患については、必ず医師や薬剤師などの医療専門家にご相談ください。
本記事の内容に基づいて行った行為によって生じた、いかなる損害についても、筆者および公開者は一切の責任を負いません。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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