多汗症では何科を受診したら良いですか?
目次
多汗症は日常生活に悪影響を及ぼす可能性がある
多汗症は、気温や運動に関係なく過剰に汗をかいてしまう状態を指します。特に原発性局所多汗症の場合、手のひらや足の裏、脇など特定の部位に汗をかきやすくなります。日常生活での困りごととして、握手や筆記、衣類の汗ジミなどがあり、対人関係や仕事に支障が出るケースも少なくありません。このような症状が続く場合は、単なる「汗っかき」ではなく、医療機関での診断が推奨されます。
多汗症診断の一般的な流れ
多汗症の診断は、まず問診から始まります。いつから汗が多くなったか、どの部位に出るのか、家族歴はあるかなどの情報をもとに、医師が一次診断を行います。次に、必要に応じて検査を行い、原発性か続発性かを判断します。続発性多汗症は他の病気が原因である可能性があり、原因疾患の特定が重要になります。診断後、症状の重症度に応じた治療方針が決まります。
多汗症の検査方法
多汗症の検査では、以下のような手法が用いられます:
・ヨウ素デンプン反応試験:発汗部位を可視化する検査です。
・グレード分類(HDSS):日常生活への影響度で重症度を評価します。
・血液検査や画像検査:続発性多汗症の原因疾患(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)を調べるために行います。
検査結果によって、治療方針や専門科への紹介が検討されます。
多汗症の予防方法
多汗症自体を完全に予防することは難しいですが、日常生活での工夫によって症状を軽減できることがあります。
・ストレスマネジメント(発汗を誘発しやすいため)
・通気性の良い服装を心がける
・制汗剤の使用(特に塩化アルミニウム系)
・刺激物やカフェインの摂取を控える
これらを試しても改善しない場合は、医療機関での治療が望まれます。
多汗症で持たれがちな疑問
「何科を受診すればよいのか?」「どこまでが病気なのか?」「保険適用になるのか?」といった疑問を持つ方も多くいます。
基本的に多汗症は、皮膚科が第一選択です。皮膚科では診断と治療(外用薬、ボトックス注射など)を行います。
症状が内科的疾患に起因している場合は、内科や内分泌科に紹介されることもあります。
多汗症以外で似た症状の出る病気
以下のような疾患も多汗症と似た症状を引き起こすことがあるため、鑑別診断が重要です:
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
・低血糖症
・結核や感染症
・自律神経失調症
これらの疾患が疑われる場合は、内科や専門医による検査と治療が必要となります。
まとめ:まずは皮膚科への受診を
多汗症の症状で困っている場合、まずは皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、病態の評価と初期治療が可能です。
原因が特定できない、あるいは内科的疾患が関与していると疑われる場合には、適切な専門科への紹介も受けられます。
早期に診断・治療を行うことで、生活の質を大きく改善することができます。