手掌多汗症ってどんな病気ですか?
手掌多汗症ってなに?
手掌多汗症とは、手のひらに過剰な発汗が生じる状態を指します。医学的には「原発性局所多汗症」に分類されることが多く、明確な病因がなく、神経系の働きによって発汗が異常に活発になることが特徴です。気温や運動とは無関係に、日常生活の中で突然手のひらがびっしょりと濡れるような状態になります。
何歳ぐらいで発症するの?
手掌多汗症は、比較的若年のうちに発症するケースが多く、特に小学生から思春期にかけて初めて症状を自覚することが一般的です。発症年齢のピークは10代前半であり、学業や社会活動の開始と重なることから、精神的な影響も大きくなりやすいです。
原因はなに?
手掌多汗症の正確な原因は解明されていませんが、交感神経の過剰な働きが関係していると考えられています。ストレスや緊張が引き金になることが多く、また遺伝的な要因も指摘されています。家族の中に同じような症状を持つ人がいる場合、発症のリスクが高まる傾向があります。
どんな症状?
症状の主な特徴は、手のひらに大量の汗をかくことです。汗は軽度の湿り気から、滴るほどの量にまで及ぶことがあります。左右の手に対称的に現れることが多く、気温や運動に関係なく発症する点が特徴です。
いつ汗が出るの?
手掌多汗症による発汗は、朝起きてからすぐに始まり、日中に最も顕著になります。緊張する場面(試験、プレゼン、人と会話する時など)で悪化することが多いですが、リラックスしていても突然汗が出ることもあります。就寝中にはほとんど見られないのも特徴です。
汗による生活への影響は?
手掌多汗症は、日常生活にさまざまな支障をきたします。具体的には、書類や本が汗で濡れてしまう、握手を避けたくなる、スマートフォンやタブレットの操作が難しい、楽器演奏やスポーツに支障が出るなど、多岐にわたります。心理的なストレスも大きく、対人関係の障害や自己評価の低下につながることもあります。
どうやって治療するの?
治療法にはいくつかの選択肢があります。まず、外用薬(塩化アルミニウム溶液など)を使用することで、汗腺の働きを抑える方法があります。また、ボツリヌス毒素注射は即効性が高く、数ヶ月間効果が持続する治療法です。重度の場合は、交感神経を切断または遮断する手術(胸腔鏡下交感神経遮断術)が選択されることもあります。保険適用となる治療もあるため、専門医に相談することが重要です。