酒さの場合、日常生活で気を付けることはありますか?
目次
酒さの原因
酒さ(rosacea)は、主に顔面に赤みやブツブツ(丘疹・膿疱)、血管拡張などが現れる慢性的な皮膚疾患です。
正確な原因は未だ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
遺伝的要因
酒さは家族内で見られることがあり、遺伝的素因が関係しているとされています。
免疫反応の異常
皮膚の免疫機能が過敏に反応し、炎症を引き起こすことが指摘されています。
皮膚ダニ(デモデックス)
毛包に常在するダニが過剰に増殖することで、炎症が誘発される可能性があります。
血管の異常反応
熱や寒さ、ストレスなどによる血管の過敏な拡張が、赤ら顔を悪化させると考えられます。
外的刺激
紫外線、アルコール、香辛料、温度変化などが引き金になります。
これらの要素が複合的に関与し、症状が悪化することが多いです。
酒さの日常生活のケアと注意点
酒さは、日常生活での工夫や注意が症状の悪化防止や緩和に重要です。以下に、生活上のケア方法と注意点を紹介します。
1. 紫外線対策
紫外線は酒さの大きな悪化因子です。外出時はSPF30以上の低刺激性の日焼け止めを使用し、帽子や日傘での物理的遮蔽も心がけましょう。
2. スキンケアの見直し
– 洗顔は低刺激の洗顔料を使い、ぬるま湯で優しく洗いましょう。
– 化粧水や乳液はアルコールや香料を含まない低刺激性製品を選びましょう。
– 強くこすらない、パッティングしないことが大切です。
3. 食事習慣
– 香辛料やアルコール、熱い飲食物は血管拡張を招くため、控えることが望ましいです。
– 抗酸化作用のある野菜や果物(トマト、ブルーベリー、緑黄色野菜など)を積極的に摂取しましょう。
4. ストレス管理と睡眠
精神的ストレスは酒さの増悪因子となるため、適度な休養と睡眠を確保し、リラクゼーション法(深呼吸、ヨガなど)を取り入れるのも有効です。
5. 急激な温度変化の回避
サウナや長風呂、冷風への急な露出なども悪化要因となるため、温度差の大きな環境はできるだけ避けましょう。
酒さのブツブツの治療方法と再発予防
酒さに伴う「ブツブツ」(丘疹・膿疱)に対しては、皮膚科での治療が重要です。以下に主な治療法と予防法を解説します。
1. 外用薬
– メトロニダゾール:炎症を抑える作用があり、最もよく使用される外用薬の一つです。
– アゼライン酸:角化抑制と抗炎症作用があります。
– イベルメクチン:皮膚ダニへの効果と抗炎症作用があり、近年注目されています。
2. 内服薬
– テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリンなど):抗炎症作用が期待でき、長期的な内服で再発を予防します。
– イソトレチノイン:重症例に使われることがあり、皮脂分泌の抑制効果があります(※妊娠中は禁忌)。
3. レーザー治療
血管拡張が強いタイプには、VビームやIPL(光治療)などの血管収縮作用のある治療が選ばれます。
4. 再発予防
– 継続的なスキンケアと紫外線対策が基本です。
– 悪化因子を把握し、自身のトリガーを避ける習慣づけが再発防止に繋がります。
酒さは再発しやすい疾患ですが、日常生活の工夫と医師の診療をうまく活用することで、コントロールが可能です。