防風通聖散で期待できる効果・効能とは？副作用や満量処方についても解説

「防風通聖散を飲めば痩せられる？」
「防風通聖散に副作用はある？」

などとお考えではありませんか？

防風通聖散は、18種類の生薬からなる漢方薬です。防風通聖散により、お腹の脂肪を落とすことができ、肥満症を改善する効果が期待できます。

こちらのページでは、防風通聖散の効果・効能や副作用・満量処方について解説しています。肥満症で悩まれている方へ向けて、防風通聖散について分かりやすく説明していますのでぜひ最後までご覧ください。

防風通聖散の効果・効能｜お腹の皮下脂肪が多い人におすすめの漢方薬

防風通聖散は、肥満症の改善が期待できる漢方薬です。

防風通聖散を服用すると脂肪細胞が活性化され、お腹の脂肪が燃焼・分解されます。また脂質を便と一緒に排出する効果が発見されています。
（参照：小林製薬株式会社）

さらに、防風通聖散には便秘改善作用もあり、肥満が原因の便秘に効果が期待できます。

ここからは、防風通聖散の効果が現れるまでの期間と痩せる仕組みについて詳しく見ていきましょう。

防風通聖散の効果はいつから出る？2週間〜1ヶ月が目安

防風通聖散は、効果を実感できるまで2週間～1ヶ月は継続して服用を続ける必要があります。即効性がある漢方ではないので、飲んですぐ効果を実感できるわけではありません。

また、漢方薬は服用者の体質によって効果に差が出る可能性があります。

1ヶ月以上服用しても効果が実感できない場合は、防風通聖散が体質に合っていない可能性があるので、クリニックや病院へ相談しましょう。

防風通聖散で痩せる仕組み

防風通聖散で痩せる仕組みは以下の通りです。

1. 脂肪細胞を活性化し、お腹の脂肪を燃焼・分解する
2. 食事による脂質の吸収を抑制する
3. 便通を促進し、脂質を便と一緒に体外に排出する

お腹の脂肪を燃焼・分解するだけではなく、食事で取り込んだ脂質を排便で排出することでお腹の脂肪を落としていきます。

そのため、防風通聖散は代謝が弱く、食事が脂肪として蓄積しやすい人に向いている漢方薬です。

防風通聖散の使用で考えられる副作用

防風通聖散は、副作用のリスクが低い漢方薬です。

しかし、まれに副作用の症状が出る可能性があります。防風通聖散の服用で考えられる副作用は以下の3つです。

• 下痢や吐き気などの消化管症状
• 肝臓機能の異常
• 頭痛や発熱などの症状

ここからは、上記3つの副作用を詳しく解説しています。

副作用①下痢や吐き気などの消化管症状

防風通聖散を服用すると、下痢や吐き気などの消化管症状を引き起こす場合があります。

防風通聖散に含まれる生薬には、腸に働きかける「シャクヤク」や「ダイオウ」が含まれています。腸へ作用し便秘の改善にも使われるため、「下痢は好転反応」と考えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、服用後ずっと下痢の症状が続く方や水下痢が出てしまう方は防風通聖散が体質に合っていない可能性があるので、医師に相談しましょう。

副作用②肝臓機能の異常

防風通聖散を服用すると、まれに肝機能障害の症状が出る場合があります。

肝機能障害とは、肝臓が障害を受け炎症が起こり、肝細胞を破壊されている状態です。以下が肝機能障害の症状の一例になります。

• 発疹
• 黄疸
• 褐色尿
• 全身のだるさ
• 食欲不振

上記の症状を確認したら、すぐに医師に相談してください。

副作用③頭痛や発熱などの症状

防風通聖散を服用することで、頭痛や発熱などの症状を引き起こす場合があります。

重篤な場合だと、間質性肺炎の可能性があるので注意が必要です。間質性肺炎の可能性がある症状が以下になります。

• 頭痛
• 息苦しい
• 発熱
• から咳

上記の症状が複数確認できた場合は、間質性肺炎の恐れがありますので、すぐに医師に相談しましょう。

防風通聖散は危険？過度なダイエットに注意

防風通聖散のダイエット効果は間接的なものです。「防風通聖散を飲みさえすれば痩せる」わけではありません。

痩せるためには、食事制限や有酸素運動が必須です。

ただし、過度な食事制限や運動によるダイエットは危険です。可能であれば、医師の管理の下でのダイエットを推奨します。

また、漢方は体質によって効き目に差があり、服用しても効果がないばかりか、副作用が出るケースもあります。そのため、防風通聖散が体質に合わない人は服用をおすすめしません。

防風通聖散の満量処方の飲み方は？メーカーにより異なる

防風通聖散の飲み方は、販売しているメーカーによって異なります。代表的なメーカー毎の防風通聖散の飲み方を以下にまとめました。

なお、いずれも満量処方の防風通聖散となっています。満量処方とは、「日本薬局方」で定められた処方通りの分量を配合した漢方薬のこと。配合されているエキス量は最大の6,000mgです。

販売メーカー名	販売薬品名	1回の服用量	一日の服用回数
ツムラ	ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒	15歳以上：1包 7歳以上15歳未満：2／3包 4歳以上7歳未満：1／2包 2歳以上4歳未満：1／3包 2歳未満：服用不可	食前に1日2回
クラシエ	「クラシエ」漢方防風通聖散料エキスFC錠 360錠	15才以上：1回4錠 15才未満：服用不可	食前又は食間に1日3回
ロート	新・ロート防風通聖散錠満量	15才以上：1回4錠 15才未満：服用不可	食前又は食間に1日3回

それぞれ、食前や食間（食後2～3時間）に服用します。

顆粒タイプの防風通聖散は、お湯に溶かして飲むのがおすすめです。ただし、防風通聖散には特徴的な風味があるので、服用すると食欲がなくなる場合や、えずいてしまう場合には、防風通聖散を食後に服用しましょう。

また、防風通聖散を販売しているメーカーによっては、15歳未満の服用ができません。15歳未満の方は、購入前に自分が服用できるか確認する必要があります。

なお、誤って一度に多く飲んでしまった場合は、医師または薬剤師に相談してください。

防風通聖散に関するよくある質問

ここでは、防風通聖散に関してよくある4つの質問をまとめました。

Q.市販の防風通聖散はおすすめですか？

防風通聖散は市販で購入できますが、漢方薬は飲む人の体質によって効果が左右されやすいです。場合によっては、思うような効果を実感できない場合があります。

また、防風通聖散は副作用が出る場合もあるので注意が必要です。そのため、できるだけ医師から処方してもらうようにしましょう。

Q.防風通聖散さえ飲めばダイエットに成功しますか？

防風通聖散を飲むだけで、ダイエットに成功する可能性は高くありません。

漢方はダイエットを目的として作られているものではなく、体質改善を目的として作られています。「たくさん飲めば痩せられる」わけではないのでご注意ください。

ダイエットに成功するには、1日のカロリー摂取量を基礎代謝以下にする必要があり、食事制限や運動が必要です。防風通聖散はあくまでダイエットのサポートのために服用してください。

Q.防風通聖散は長期服用する際の注意点はありますか？

防風通聖散の服用で効果を実感できる方は、長期服用して問題ありません。

しかし、防風通聖散を1ヶ月以上継続して利用しても効果を実感できない場合は、防風通聖散が体質に合っていない場合があります。

その際は医師にご相談ください。

Q.防風通聖散は妊娠中でも服用して大丈夫ですか？

基本的に妊婦、あるいは妊娠している可能性のある人は防風通聖散は服用しない方が良いです。防風通聖散に含まれる生薬には、以下のようなリスクがあります。

生薬名	作用
ダイオウ	子宮収縮作用・骨盤内臓器の充血
ホウショウ	子宮収縮

これらの作用により、防風通聖散には流産・早産のリスクがあるので注意が必要です。

どうしても防風通聖散を使用したい場合は、一度医師に相談する必要があります。

防風通聖散の服用前に医師に相談を！

防風通聖散は、肥満症の改善が期待できる漢方薬です。防風通聖散を服用することで、脂肪細胞を活性化させ、お腹の脂肪を燃焼・分解する効能を期待できます。

防風通聖散は市販でも購入できますが、体質に合わなければ思ったような効果を得られないかもしれません。

自分に合った用量を服用するためにも、医師から処方された防風通聖散を服用することを推奨します。