「よう」とは?せつや毛嚢炎との関連性は?症状や原因、治し方をわかりやすく解説

  • 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。

「癰(よう)ってどんな症状?」
「癰になったらどうすればいい?」

このように顔のできものに悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。

癰は、痛みを伴って赤く腫れる細菌感染症で、「おでき」とも呼ばれます。

本記事では、癰の原因や治し方を紹介します。また、記事の後半では癰の予防方法や糖尿病との関係なども解説しているので最後までご覧ください。

癰(よう)はどんな病気?

癰とは、痛みやかゆみを伴って赤く腫れるできものです。進行性の細菌感染症の一種で、できものは硬く、多数の膿の芯ができるのが特徴です。

癰は「毛嚢炎」が進行することで発症する病気で、以下の順番で進行します。せつや癰では発熱や倦怠感を伴うこともあります。

  1. 毛嚢炎
  2. せつ
  3. せつ腫症(せつしゅしょう)

塗り薬だけではなかなか治らないことが多いため、気付いた段階で医師の診療を受けましょう。

癰(よう)はどうしてできる?ようの原因とは

癰の原因は、細かい傷や毛穴に「黄色ブドウ球菌」が感染することです。

黄色ブドウ球菌は皮膚の常在菌として普段から皮膚の表面に存在します。

しかし、生活環境などの変化で常在菌のバランスが崩れたり免疫力が低下したりすると感染症を引き起こしやすくなります

ようは根本的な原因を取り除かなければ、何度でも繰り返す可能性のある皮膚疾患です。そのため、慢性化している場合は治療だけでなく生活環境の見直しもしましょう。

癰(よう)になったらどうなる?ようの症状とは

癰を発症すると、以下のような症状が現れます。

  • 痛み
  • 赤み
  • 腫れ
  • 多数の膿点(のうてん)
  • 発熱
  • 倦怠感

癰は、鶏卵ほどの大きさから手のひらほどの大きさになり、赤みや痛みが広がるのが特徴です。また、白くポツポツとした膿点が中心部に多数できます。

症状が進行すると、皮膚の表面が壊死したり膿汁が排出されたりすることもあるので注意が必要です。

癰は「毛嚢炎(もうのうえん)」や「せつ」が進行して発症します。

毛嚢炎やせつ、ようの症状は以下の通りです。

皮膚疾患の種類 内容
毛嚢炎 ・軽い痛み
・赤み
・少量の膿
せつ ・強い痛み
・赤み
・腫れ
・硬い膿の栓
・発熱
・倦怠感
よう ・複数の毛穴で発症
・強い痛み
・赤み
・腫れ
・膿点

癰は皮膚の感染症です。塗り薬などの自己治療ではなかなか治らないため、可能な限り早く医師の診療を受けましょう。

関連記事:毛嚢炎はなぜ起きる?原因や治し方、予防方法を徹底解説

癰(よう)の検査・診断方法を紹介

癰の検査方法は主に次の2通りです。

  • 細菌培養検査
  • 血液検査

癰が疑われたら、膿を細菌培養して原因菌を検査します。癰を発症している場合、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などが検出されるのが特徴です。

また、血液検査を行った場合は、白血球数の増加やCRP値の増加が見られます。CRP値とは炎症や組織細胞の破壊が起こると血清中に増加するタンパク質のことです。

癰(よう)は自然治癒できる?癰や癤(せつ)の治し方とは

癰やせつは、ごく軽度な症状を除き自然治癒することはありません

癰やせつの治し方は以下の通りです。

症状 治療方法
軽症 ・排膿や膿点がない ・抗菌剤の投薬
中等度 ・排膿を伴う ・抗菌剤の投薬
・切開
重症 ・炎症が拡大
・排膿を伴う
・悪臭を放つ
・抗菌剤の投薬
・切開
・洗浄

癰やせつに対しては、原因菌ごとに効果が期待できる抗菌剤を投薬して治療します。

しかし、菌の特定には数日かかるため、はじめは数の多いブドウ球菌を中心に効果が期待できると考えられる抗菌剤を投与します。

関連記事:「せつ」とはどんな皮膚疾患?治し方や予防方法を解説

癰(よう)はどう防ぐ?癰の予防方法とは

癰を予防するためには、皮膚のバリア機能や免疫力を保ち、皮膚の常在菌の感染を防止することが必要です。

免疫力を保つための具体的な方法は以下の通りです。

  • 規則正しい生活をする
  • 睡眠を十分とる
  • 定期的にリフレッシュをしてストレスを溜めない
  • 既に皮膚の炎症がある場合は治療して治す

皮膚のバリア機能や免疫力が保てていれば、皮膚に細菌が増えても感染する確率は下がります。そのため、普段からスキンケアをしたり生活環境に注意したりして、健康的な肌を維持しましょう

癰(よう)に関するよくあるご質問

癰に関するよくある質問をまとめました。

癰(よう)や癤 (せつ)は膿を出してもいい?

癰やせつは、膿を出すことで治りが早くなります。病院では症状が進行して膿が溜まっている場合は切開し、洗浄する処置が取られる場合があります。

ただし、自分で膿を出すとかえって皮膚を傷つけて感染症にかかったり治りが遅くなったりする場合があるため、膿が溜まっている場合は医師の診療を受けましょう。

癰(よう)や癤 (せつ)と糖尿病の関係性ってなに?

糖尿病や悪性腫瘍などの合併症がある場合、癰やせつが急速に進行する場合があります

特に高齢者は持病で免疫不全を起こしているリスクが高いため、診療時に合併症の有無を確認します。

東京で癰(よう)の治療ならアイシークリニックへご相談ください

癰は、小さな傷や毛穴に細菌が感染することで誰でも発症しうる感染症です。

自然治癒や自己治療は難しく、治すためには医師の診療を受け、適切な治療を行うことが大切です。

アイシークリニックは、老若男女どなたでも相談しやすいクリニックを目指しています。

どんな症状であっても、患者様と相談しながら治療方法を提案させていただきますので、皮膚の赤みや痛みに少しでもお悩みの方は、アイシークリニックにご相談くださいませ。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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