- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「ダーモスコピー検査とは何?」
「ダーモスコピー検査の検査対象となる疾患が知りたい」
とお考えではありませんか?
ダーモスコピー検査とは皮膚のほくろや腫瘍を検査する方法の一種です。黒や茶色のシミやできものを観察することで、悪性の腫瘍かそうでないのかを判断します。
検査は10分程度で痛みもないので、気兼ねなく受けやすいです。
こちらのページではダーモスコピーの検査内容や対象となる疾患、検査の流れについて解説します。
この記事のポイント
ダーモスコピー検査は、拡大鏡で皮膚の色素病変を観察し、ほくろや悪性黒色腫などを鑑別する検査で、10分程度・保険適用で受けられる。
ダーモスコピー検査とは?ダーモスコープという機械で皮膚の色素病変を検査

ダーモスコピー検査とは、ほくろや腫瘍など皮膚の色素病変を診る検査です。
検査には「ダーモスコープ」と呼ばれる、光源の付いた拡大鏡を用いて行われます。ダーモスコープは皮膚表面の光の反射を遮断することで、表皮の下にある真皮浅層の状態を観察できます。
そのため、皮膚のほくろや腫瘍の状態をより詳しく観察することが可能です。
特に、ほくろが悪性かどうかを皮膚科で検査する方法としても広く活用されており、肉眼では判断が難しい病変の鑑別に大きく貢献しています。
Q. ダーモスコピー検査とはどのような検査ですか?
ダーモスコピー検査とは、「ダーモスコープ」と呼ばれる光源付きの拡大鏡を使い、皮膚の色素病変を観察する検査です。表皮下の真皮浅層まで確認でき、ほくろやシミが良性か悪性かを判断するのに役立ちます。所要時間は10分程度で痛みもありません。
ダーモスコピー検査対象の主な疾患
ダーモスコピー検査の対象になる疾患は主に次の4つです。
- 色素細胞母斑(ほくろ)
- 脂漏性角化症(老人性イボ)
- 基底細胞がん
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
その他、老人性色素斑(シミ)やできもの、血管腫、血腫(血まめ)も検査対象です。
ダーモスコピー検査によって、シミやできものが良性腫瘍か悪性腫瘍かを判断しやすくなります。
以下では、検査対象となる主な4つの疾患について詳しく解説します。
疾患①色素細胞母斑(ほくろ)
色素細胞母斑(ほくろ)とは、「母斑細胞」が真皮内などに存在するために起こる症状です。
母斑細胞はメラニン色素を作り出すため、褐色または黒色に見えます。さらに大小さまざまな上、平坦なものから盛り上がったものまで症状はさまざまです。
色素細胞母斑は良性ですが、悪性黒色腫(メラノーマ)と見分けがつきにくく、鑑別するためにダーモスコピーによる所見が重要になります。
また生まれつき皮膚の広い範囲で色素性母斑がある場合、「巨大色素性母斑」と呼ばれ、悪性化する可能性があると考えられています。
ほくろがいつのまにか大きくなっていたり、色に濃淡があったりする場合には、皮膚科でダーモスコピー検査を受けるのが大切です。なお、大きいほくろの除去方法と費用・リスクについても、気になる方は合わせてご確認ください。
疾患②脂漏性角化症(老人性イボ)
脂漏性角化症(老人性イボ)は角化細胞の良性腫瘍です。老人性色素斑(シミ)が盛り上がって脂漏性角化症になることもあります。
脂漏性角化症は特徴的なため、基本的にダーモスコピーで診断可能です。
ただし、徐々に盛り上がるため悪性黒色腫との鑑別が難しいことがあります。
また、脂漏性角化症は治療せずに放置していても問題ない場合がほとんどですが、脂漏性角化症の中から他の腫瘍が出てくるケースがあります。脂漏性角化症の形や色に変化があれば医療機関を受診しましょう。
疾患③基底細胞がん

基底細胞がんは皮膚がんの一種で、表皮の基底細胞や毛包を構成している細胞から発病します。
肉眼では脂漏性角化症と区別するのが困難ですが、ダーモスコピー検査では典型的なパターンがあり鑑別できる場合が多いです。
疾患④悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)は、「メラノサイト」と呼ばれる細胞が変化することで生じる疾患です。
悪性黒色腫は部位によって形態を変えるため、肉眼のみで判断するのが難しいことが特徴です。
ダーモスコピー検査では非対称で不規則な形や境界の不明瞭さなど、さまざまなパターンを総合的に加味して診断されます。
Q. ダーモスコピー検査で診断できる疾患は何ですか?
ダーモスコピー検査の主な対象疾患は、色素細胞母斑(ほくろ)、脂漏性角化症(老人性イボ)、基底細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)の4つです。さらに老人性色素斑(シミ)や血管腫、血腫なども対象となり、良性・悪性の鑑別に活用されます。
ダーモスコピー検査の流れ

ダーモスコピー検査の流れは次の通りです。
- 消毒
まずは患部をアルコール綿で拭き取ります - ジェルの塗布
超音波用のジェルを患部に塗布します - 観察と記録
ダーモスコープを患部に当て、観察しながらデジタル画像を記録します - ジェルの拭き取り
塗布したジェルをティッシュペーパーで拭き取ります
ダーモスコピー検査の所要時間は10分程度で、検査時に痛みはありません。
またダーモスコピー検査によるほくろ診断は1回につき原則1箇所となります。別部位のほくろの診断を希望する場合には1ヶ月後になります。
ダーモスコピー検査後の注意点 | まれにかぶれる可能性がある
ダーモスコピー検査では、検査の翌日以降に患部がかゆくなったり赤くなったりする場合があります。
塗布したアルコールやジェルでかぶれた可能性があるので、再度医療機関を受診してください。
また、患部に塗布するジェルが服に付く場合がありますが、衣類に付着したジェルは水洗いで落とせます。
ダーモスコピー検査を受ける頻度は?経過観察の頻度は人によって異なる
ダーモスコピー検査を受ける頻度は診断結果によって異なります。
ダーモスコピー検査で診断する場合、経過観察が必要と判断される場合があります。
経過観察が必要な場合は定期的な検査が必要です。検査頻度は3ヶ月・6ヶ月・1年に1回など、患部の変化具合や年齢を考慮して判断されます。
Q. ダーモスコピー検査の流れと注意点を教えてください。
ダーモスコピー検査は、患部をアルコール綿で消毒後、超音波用ジェルを塗布し、ダーモスコープで観察・記録する流れで進みます。検査後にアルコールやジェルでかぶれる場合があるため、翌日以降に赤みやかゆみが生じた際は医療機関を再受診することが推奨されます。
ダーモスコープの種類は?デジタルカメラタイプとアナログタイプがある

ダーモスコピー検査で用いられるダーモスコープは大きく以下の2種類です。
- デジタルカメラタイプ
- アナログタイプ
デジタルカメラタイプのダーモスコープは、デジタルカメラが内蔵されています。デジタル画面を用いて病変を観察できる他、検査しながら患部の画像を撮影できるのが特徴です。
一方、アナログタイプのダーモスコープには拡大レンズが付いています。検査時には拡大レンズをのぞきながら皮膚病変を観察します。
アナログタイプはデジタルカメラなどと組み合わせることで、病変の経過観察や臨床画像の処理が可能です。
Q. ダーモスコピー検査の精度や費用はどのくらいですか?
ダーモスコピー検査に習熟した皮膚科医が行う場合、肉眼診断と比べて診断精度が4〜9倍向上するとされています。また、保険診療が適用されるため自己負担は3割で済みます。ただし確定診断には患部を切除して病理検査を行う必要がある点に留意が必要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太医師(当院治療責任者)より
「ダーモスコピー検査へのご関心は、ここ数年で大きく高まっています。特に『ほくろが最近大きくなった気がする』『色が変わってきた』というご相談が以前より約30%増加しており、セルフチェックへの意識が高まっていることを実感しています。ダーモスコピーは痛みがなく短時間で受けられる検査ですが、あくまで視診による判断であり、確定診断には病理検査が必要なケースもあります。気になる色素病変がある場合は、自己判断せず早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。また、ほくろ除去を検討される方も、まずはダーモスコピーで良性・悪性の鑑別を行うことが安全な治療への第一歩です。」
よくある質問

ダーモスコピーに関するよくある質問をまとめました。
ダーモスコピー検査に用いられる機器「ダーモスコープ」は、皮膚病変を10〜30倍に拡大して観察できます。ダーモスコピーによる診断法に習熟した皮膚科医であれば、診断精度が4~9倍向上するとされています。
ダーモスコピー検査で誤診することはほとんどないと考えられています。ただし、ダーモスコピー検査はあくまで医師の視診による診断見解です。悪性か良性かを正しく判断するには患部を切除し、病理検査に提出した後に顕微鏡で細胞を診る必要があります。
ダーモスコピー検査は保険診療で受けられます。自己負担が3割で済むので、検査費用を抑えることが可能です。
ほくろやシミの色・形・大きさが変化してきた方、新しいほくろが急にできた方、複数の色が混在するほくろがある方、境界が不明瞭なほくろがある方などは、ダーモスコピー検査を受けることをお勧めします。また、家族に皮膚がんの既往がある方や、日光を多く浴びる職業・生活習慣の方も定期的な検査が推奨されます。
ダーモスコピー検査は、ダーモスコープという拡大鏡を用いて皮膚の表面・表皮下を非侵襲的に観察する検査です。一方、病理検査は患部の組織を実際に切除・採取し、顕微鏡で細胞レベルの変化を確認する検査です。ダーモスコピーは痛みなく短時間で行えますが、確定診断には病理検査が必要になる場合があります。
ダーモスコピー検査で良性と判断されたほくろでも、見た目が気になる場合は除去を検討できます。除去方法には炭酸ガスレーザーや切除縫合などがあり、部位や大きさによって適切な方法が異なります。ダーモスコピーで悪性の疑いがある場合は、まず病理検査を行い確定診断を得ることが優先されます。
子どものほくろは成長とともに変化することがありますが、急激に大きくなる・色が変わる・形が不規則になるなどの変化が見られる場合はダーモスコピー検査を受けることが推奨されます。特に生まれつき大きなほくろ(巨大色素性母斑)がある場合は、定期的な経過観察が重要です。
近年、AIを活用した皮膚病変の解析技術が進歩しており、ダーモスコピー画像をAIで解析することで診断精度をさらに高める研究・取り組みが進んでいます。ただし、現時点では医師によるダーモスコピー診断が主体であり、AIはあくまで補助的なツールとして活用されています。
ダーモスコピーは色素沈着が気になる人におすすめの検査

ダーモスコピー検査は皮膚の色素病変を検査する方法です。ダーモスコープと呼ばれる拡大鏡を使用することで、肉眼では難しい病変の判断に役立ちます。
ダーモスコピー検査の対象となる主な疾患は次の4つです。
- 色素細胞母斑(ほくろ)
- 脂漏性角化症(老人性イボ)
- 基底細胞がん
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
ほくろやシミなどの色素沈着が良性か悪性か気になる方は、ダーモスコピー検査をご検討ください。また、検査の結果によってはほくろ除去の治療が選択肢になることもあります。ほくろ除去で跡が残らないようにするための方法や、炭酸ガスレーザーによるほくろ除去の効果と仕組みについても、ぜひ参考にしてみてください。
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮膚科Q&A「ほくろ・メラノーマ」に関するガイドライン情報
- 厚生労働省 – がん対策・皮膚がんに関する情報ページ
- 国立がん研究センター がん情報サービス – 悪性黒色腫(メラノーマ)の解説
- 日本皮膚悪性腫瘍学会 – 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン(最新版)
- 日本皮膚科学会 – ダーモスコピーに関する診断精度・活用に関する情報