「せつ」とはどんな皮膚疾患?治し方や予防方法を解説

  • 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。

「せつってどんな病気?症状や原因は?」
「せつになったらどうすればいい?」

このように顔のできものに悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。

せつは、「おでき」とも呼ばれる細菌感染症の一種です。赤みや痛みを伴うことがあり、放置すると炎症が広がる可能性があるので早期に治療することが大切です。

本記事では、せつの原因や症状、治し方を紹介します。

また、記事の後半ではせつの予防方法や他の皮膚疾患との違いも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

せつとはどんな病気?

せつとは、痛みや赤みを伴うできものです。細菌感染症の一種で、できものは硬く、中心には膿の栓ができるのが特徴です。

せつは「毛包炎(もうのうえん)」が進行して発症するもので、通称「おでき」とも呼ばれます。どの年代でも発症するものの、女性より男性の方がせつを発症することが多いです。

関連記事:毛嚢炎はなぜ起きる?原因や治し方、予防方法を徹底解説

せつがさらに進行すると数日~数週間で患部が軟化し、やがて破裂して膿が排出されます。膿が排出された後は急速に痛みや腫れが引いて治ることがほとんどです。

 

せつはなぜ繰り返す?原因を紹介

せつの原因は皮膚の常在菌である「黄色ブドウ球菌」による感染です。黄色ブドウ球菌など皮膚の常在菌が、小さな傷や毛穴に感染すると「毛包炎」を発症し、毛包炎が悪化するとせつになります。

特に、生活環境の変化などで皮膚の常在菌のバランスが崩れたり免疫力が低下したりするとせつに感染しやすくなります。

せつは根本的な原因を取り除かなければ、何度でも繰り返す可能性がある皮膚疾患です。そのため、慢性化している場合は治療だけでなく生活環境を見直す必要があります。

せつになったらどうなる?症状を紹介

せつは「毛包炎(もうのうえん)」が進行して発症します。せつがさらに進行すると、「よう」と呼ばれる皮膚疾患を起こします。

毛包炎・せつ・ようの症状には次の違いがあります。

皮膚疾患の種類 症状
毛包炎 ・軽い痛み
・赤み
・少量の膿
せつ ・強い痛み
・赤み
・腫れ
・硬い膿の栓の形成
・発熱
・倦怠感
よう ・複数の毛穴で発症
・強い痛み
・赤み
・腫れ
・硬い膿の栓の形成
・発熱
・倦怠感

せつは放置していると複数の毛穴に広がり、症状が徐々に悪化するため可能な限り早く医師の診療を受けましょう。

関連記事:「よう」とは?せつや毛嚢炎との関連性は?症状や原因、治し方をわかりやすく解説

せつの検査・診断方法を紹介

せつは、患部から排出された膿を細菌培養して検査します。

せつを発症している場合、膿を細菌培養すると黄色ブドウ球菌が検出されるのが特徴です。

また、せつが進行して、ようを発症している場合は白血球数の増加やCRP値の増加が見られます。CRP値とは炎症や組織細胞の破壊が起こると血清中に増加するタンパク質のことです。

せつの膿を出していい?治し方を紹介

せつの治療方法は以下の通りです。

治療方法 内容
飲み薬 ・抗生物質を服用する
塗り薬 ・抗生物質の塗り薬を患部に塗る
・内服薬とあわせて使用されることが多い
排膿処置 ・膿が溜まっている場合は切開して膿を排出する
・炎症が落ち着くまで毎日洗浄する

せつは膿を排出することで症状が緩和されます。そのため、せつの治療では切開して膿を出すことがあります。

ただし、個人で膿を排出すると傷口から細菌が入って悪化する可能性があるため、自分で膿を出そうとせず、医師の診察を受けましょう

せつはどう防ぐ?予防方法を紹介

せつの予防には、皮膚のバリア機能や免疫力を保つことが重要です。

免疫力を保つための具体的な方法は以下の通りです。

  • 規則正しい生活をする
  • 睡眠を十分とる
  • 定期的にリフレッシュをしてストレスを溜めない
  • 既に皮膚の炎症がある場合は治療して治す

皮膚のバリア機能や免疫力が保てていれば、皮膚に細菌が増えても感染症を起こす確率は下がります。そのため、普段から生活環境に気を付けて、免疫力を保つことが大切です。

また、重症化を防ぐために少しでも皮膚に違和感を覚えたら医師の診療を受けることも大切です。

せつに関するよくある質問

せつに関するよくある質問をまとめました。

せつと粉瘤の違いはなんですか?

せつによく似た症状に「粉瘤(ふんりゅう)」と呼ばれるものがあります。

せつと粉瘤の症状は似ているものの、原因が違います。それぞれの原因は以下の通りです。

皮膚疾患 原因
せつ 皮膚下の小さな袋に垢・皮脂が蓄積
粉瘤 小さな傷や毛穴の細菌感染

また、粉瘤の中に蓄積した垢が細菌感染してせつを発症する場合もあります。

関連記事:粉瘤(アテローム)とは?安心して治療を受ける方法を解説

せつとニキビの違いはなんですか?

せつとニキビの違いは以下の通りです。

皮膚疾患 原因 症状
せつ 小さな傷や毛穴の細菌感染 ・赤み
・痛み
・膿の排出
ニキビ 皮脂が原因の毛穴詰まり ・小さいできもの
・膿の排出(重症の場合)

せつやニキビは、どちらも生活環境が関与していると考えられています。規則正しい生活をすることでどちらも予防が可能です。

関連記事:ニキビの原因とは?種類・症状ごとの正しいケアや治す方法を紹介

東京でせつの治療ならアイシークリニックへご相談ください

せつは、小さな傷や毛穴詰まりに細菌が感染することで誰でも発症しうる感染症です。

放置すると炎症が広がるため、可能な限り早く医師の診療を受けましょう

アイシークリニックは、老若男女どなたでも相談しやすいクリニックを目指しています。

どんな症状であっても、患者様と相談しながら治療方法を提案させていただきますので、皮膚の赤みや痛みに少しでもお悩みの方は、アイシークリニックにご相談くださいませ。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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