グロースファクターとは?効果や副作用、施術のリスクについて解説

  • 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。

「グロースファクターの効果や副作用は?」
「グロースファクターの施術リスクについて知りたい」

とお考えではありませんか?

グロースファクターは、幹細胞で作られるタンパク質の一種です。肌に注入することでコラーゲンの生成を促し、ほうれい線やニキビ跡のクレーターの改善などが期待できます。

目元のクマの改善にも有効ですが、目の下の施術にはリスクがあるため注意が必要です。

こちらのページではグロースファクターの効果や副作用、施術の失敗リスクについて解説します。

グロースファクターとは?肌の再生能力を引き上げる成長因子

グロースファクターは肌の再生能力を引き上げる成長因子

グロースファクターとは、肌の再生能力を引き上げる成長因子です。人間の幹細胞で作られるタンパク質の一種の総称で、細胞増殖因子とも呼ばれています。

体内で作られるグロースファクターは加齢とともに減少することが特徴です。18~20歳頃から急激に減少し、40歳の時にはピーク時の半分以下の40%まで下がります。

グロースファクターが減少すると、肌のしわや、ハリ・弾力の減少原因になります。

またグロースファクターは、肌のターンオーバーの周期にも関係することが特徴です。20代では24日〜28日間だった周期が40代では55日、50代では75日になると考えられています。

加齢によって低下した機能を取り戻すためには、グロースファクターは補う必要がありますが、美容液や化粧品から補うのは困難です。

直接細胞にアプローチするには医療機関での治療が必要です。

グロースファクターには種類がある?EGFやFGFなどの違い

グロースファクターにはEGFやFGFなど複数の種類があります。種類ごとの特徴は次の通りです。

種類 特徴
EGF
(上皮細胞成長因子)
・53個のアミノ酸からなるポリペプチド
・肌のターンオーバーを正常化させる作用がある
・加齢に伴うシミやしわなどを改善・予防する
FGF
(線維芽細胞増殖因子)
・線維芽細胞に作用する
・美容成分のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進する
・弾力や透明感ある肌へと導く
IGF
(インスリン様成長因子)
・他のグロースファクターの作用を高める
・破損している細胞や骨、筋肉などの修復を促進する
・血管を強化する
TGF
(トランスフォーミング増殖因子)
・コラーゲン組織に働きかけて傷の修復を促進する
・細胞の老化を防いで肌に弾力を与える

中でもEGFは特に重要なグロースファクターです。肌のターンオーバーを正常化させ、肌の再生能力を引き上げる効果が期待できます。

グロースファクター注射とPRP皮膚再生療法とヒアルロン酸注射の違い

グロースファクター注射に似た施術として、PRP皮膚再生療法やヒアルロン酸注射があります。それぞれの施術の違いは次の通りです。

施術名 グロースファクター注射 PRP皮膚再生療法 ヒアルロン酸注射
施術方法 成長因子(グロースファクター)を肌の深部へ注入する 血小板を多く含む「PRP」を注入する しわの溝部分にヒアルロン酸を直接注入する
効果 しわやたるみの改善、肌のハリをアップなど 毛穴開き、しわやたるみの改善など しわやたるみの改善など
副作用 一時的な熱感、発疹、赤み、かゆみなど 内出血や赤み、腫れなど 内出血や赤み、腫れなど
痛み ほとんどない ほとんどない ほとんどない

PRP皮膚再生療法は、PRP(自己多血小板血漿)と呼ばれる、血小板を多く含む成分を投与する施術です。血小板の自己治癒力を用いて、皮膚の再生を目指します。

グロースファクターはPRP皮膚再生療法と併用できることが特徴で、PRPにグロースファクターを添加することで相乗効果が期待できます。

ヒアルロン酸注射はゼリー状の薬剤によってしわやくぼんだ部分を持ち上げる施術です。グロースファクター注射より効果を実感しやすい一方、数ヶ月ごとにメンテナンスが必要というデメリットがあります。

PRP療法とヒアルロン酸注射については次のページで詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

PRP療法で期待できる4つの効果|副作用やAPS療法・PRP-FD療法との違いも解説

ヒアルロン酸注射とは?ヒアルロン酸を注入する9つの部位と期待できる美容効果

グロースファクターの3つの効果

グロースファクターの3つの効果

グロースファクターを注入することで、以下の効果が期待できます。

  • 目の下のクマ・くぼみを改善
  • ニキビ跡のクレーターを改善・ニキビ予防
  • ほうれい線の改善

グロースファクターにはコラーゲンやエラスチンを生成する作用があるほか、ターンオーバーを促進する作用などがあります。そのため、さまざまな肌トラブルの改善が可能です。

以下では、グロースファクターの3つの効果について詳しく解説します。

効果①目の下のクマ・くぼみを改善

グロースファクターで期待できる効果に、目の下のクマ・くぼみの改善があります。

目の下のクマやくぼみの原因は皮膚の薄さです。目の周りの皮膚が薄くなると、その下にある筋肉や毛細血管が透けて見えることで、赤く・青く見えます。

グロースファクターは目の下のクマやくぼみに注入することで、コラーゲンやエラスチンの産生を促進。皮膚を厚くしクマやくぼみを改善する効果が期待できます。

目の下のクマやくぼみで悩んでいる方に適している治療法の一つです。

効果②ニキビ跡のクレーターを改善・ニキビ予防

グロースファクターは、ニキビ跡のクレーターの改善やニキビ予防効果が期待できます。

ニキビ跡のクレーターは、ニキビの炎症によって肌の深部の真皮層がダメージを受けることでできます。

グロースファクターをくぼみ部分に注入することで、肌表面の凹凸感を改善。周囲の肌質の改善とあわせてクレーターが目立ちづらくなるよう働きかけます。

またグロースファクターは細胞全体の弾力や水分量を増加させ、肌質を改善することも可能です。肌質が整うことでニキビの予防にもつながります。

効果③ほうれい線の改善

グロースファクターは、ほうれい線の改善が望めます。

ほうれい線の原因の一つが顔のたるみです。コラーゲンの減少・劣化により頬を支える力が低下し、ほうれい線が生じます。

グロースファクターを注入することで、美容成分のコラーゲンやエラスチンを生み出している「線維芽細胞」を活性化。コラーゲンやエラスチンの産生を促進し、ほうれい線の改善が期待できます。

また、グロースファクターは手の甲のしわにも対応可能です。グロースファクターを注入することで手の甲にハリを出し、しわが減るよう働きかけます。

ほうれい線や手の甲のしわが気になっている方は、グロースファクターをご検討ください。

グロースファクターは効果なし?目元は効果を実感しにくい

グロースファクターは効果なし?

「グロースファクターは本当に効果があるの?」と気になっている方もいるかと思います。

グロースファクターは効果を実感するのに時間がかかる施術です。そのため、なかなか効果を実感できず「効果がない」と思われるかもしれません。

特に目元は効果を実感しづらい部位です。時間が経たないとどの程度膨らむのか判断が難しい上、ボリュームを増やす領域が広範囲に渡ります。

グロースファクターの施術が向いていない場合もあるので、施術前のカウンセリング時にグロースファクターの施術が適しているか医師に相談しましょう。

グロースファクター入りの化粧品・美容液は効果ある?効果は証明されていない

美容液をはじめ、化粧品の中にはグロースファクターが含まれているものがあります。

しかし、美容液・化粧品でグロースファクターを補うことは難しいと考えられています。

グロースファクターを皮膚に塗ったときに効果を示すのか、しっかりとしたデータが得られておらず、効果があるのかはっきりしていません。

グロースファクターによる効果を実感するためには、患部へ直接注入する必要があります。

グロースファクターの効果の持続期間は?3〜6ヶ月が目安

グロースファクター初回の効果の持続期間は3~6ヶ月が目安です。

グロースファクターの持続期間は回数を経るごとに長くなり、3回ほど施術を受けると、長ければ約2年持続すると考えられています。

同じ目的で行われるヒアルロン酸注射の持続期間が3~6ヶ月であることを考慮すると、グロースファクターは持続期間が長い施術と言えます。

グロースファクターに副作用はある?副作用のリスクは少ない

グロースファクターは副作用のリスクが少ない

グロースファクターは副作用のリスクが少ない施術です。グロースファクターはもともと体内で作られているタンパク質の一種なので、副作用が起こりにくいです。

仮に副作用が出たとしても熱感や発疹、赤みやかゆみが一時的に現れる程度となっています。

グロースファクターに失敗・危険性はある?目の下やほうれい線の施術リスク

グロースファクターに危険性は特にありません。ただし、目の下やほうれい線の施術を受ける方には注意事項があります。

ほうれい線の施術直後、笑いすぎ・しゃべりすぎで型崩れを起こす可能性があるため注意が必要です。また、目の下にグロースファクターを行う際、たるんだ皮膚が下に落ちて膨らみになる場合があります。

なお、ほうれい線の施術後に「しこりができた」と感じられるケースがありますが、ほうれい線深部の筋肉としこりを勘違いしていることがあります。グロースファクターの効果を実感するまでには時間がかかるため、施術後すぐにしこりが生じることはありません。

グロースファクター注射で目の下が膨らみすぎた時の対処法

先述したように、目の下にグロースファクター注射を打った際、膨らみすぎることがあります。

特に紫外線や加齢、喫煙などで弾力低下している方は膨らみすぎるリスクが大きいです。そのほか、頬骨が出ていて頬が低い骨格の方も、グロースファクターで目の下が膨らみすぎる可能性があります。

目の下が膨らみすぎた場合は、頬にグロースファクターを追加することで自然な状態に治すことが可能です。

また、目の下が膨らみすぎた原因によっては脂肪溶解注射を使用することもあります。

脂肪溶解注射については、次のページで解説していますので気になる方はぜひあわせてご覧ください。

脂肪溶解注射とは?顔や太ももの部分痩せは可能?期待できる3つの効果と失敗リスク

グロースファクター注射の流れ

グロースファクター注射の流れ

グロースファクター注射の流れは次の通りです。

  1. カウンセリング
    まずは医師のカウンセリングを受けて、医師の診断のもと施術を受けるかどうか決定します
  2. 消毒
    患部を消毒します。部位によっては患部を冷やすこともあります
  3. 施術
    患部にグロースファクターを注入します。通常、麻酔は使用されません

グロースファクター注射の施術時間は5分~10分程度です。

グロースファクター注射の術後の経過・ダウンタイム

グロースファクター注射はダウンタイムが短いため、施術当日からいつも通りの生活ができます。

入浴や洗顔に制限はありませんが、目の下など顔に注入した場合は術後2~3時間メイクを避けてください。そのほか、飲酒や運動をしても問題ありません。

ダーマペンでグロースファクターを注入可能!施術方法と効果

グロースファクターはダーマペンと併用することが可能です。

ダーマペンとは、細い針で肌に穴を開け、皮膚の創傷治癒力を利用することで肌を再生させる美肌治療です。導入薬剤を利用すれば、肌に開けた穴からさまざまな有効成分を浸透させられます。

グロースファクターはダーマペンの導入薬剤として使用でき、創傷治癒を促進すると同時にコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進。成長因子の働きにより、透明感・ハリのある肌へと導きます。

ダーマペンについては、次のページで詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

ダーマペンで肌質改善!効果はいつから出る?3つの特徴や施術方法を解説!

グロースファクターでコラーゲン生成を促してハリのあるお肌へ

グロースファクターでコラーゲン生成を促してハリのあるお肌へ

グロースファクターは成長因子の一種です。肌へ注入することでコラーゲンの生成を促進し、ハリのある肌へ導きます。

グロースファクターで期待できる具体的な効果は主に次の3つです。

  • 目の下のクマ・くぼみを改善
  • ニキビ跡のクレーターを改善・ニキビ予防
  • ほうれい線の改善・予防

患者様によっては目の下が膨らみすぎるなどのリスクがあるため、施術を受ける際は医師と相談することが重要です。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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