自毛植毛とは?治療の仕組みや術後の経過、メリット・デメリットについて解説

  • 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。

「自毛植毛の治療の仕組みや術後の経過について知りたい」
「自毛植毛のメリットやデメリットは?」

とお考えではありませんか?

自毛植毛とは薄毛治療の一種で、自身の毛髪を採取して薄毛が気になる部位に移植する治療法です。

自分の髪の毛を使用して植毛するため、拒絶反応や炎症が起きにくいのがメリットです。

こちらのページでは自毛植毛の治療の仕組みや術後の経過、メリットやデメリットについて解説します。

自毛植毛とは?生え際やつむじに自身の髪の毛を移植する薄毛治療

自毛植毛は生え際やつむじに自身の髪の毛を移植する薄毛治療

自毛植毛は、生え際やつむじなど薄毛になっている部分に、自身の髪の毛を移植する薄毛治療です。

自毛植毛で移植する髪の毛は、後頭部または側頭部で採取します。後頭部や側頭部は、薄毛の原因である「AGA(男性型脱毛症)」の影響を受けづらいためです。

また自毛植毛は、日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」においても、「行うよう勧める」と評価されている治療法です。

自毛植毛の仕組み・メカニズム | 後頭部の髪の毛を毛包ごと移植する

自毛植毛は後頭部(または側頭部)の髪の毛を「毛包」ごと移植する手術です。

毛包とは毛根を包んでいる組織で、毛根には「毛母細胞」と呼ばれる毛の成長を促す組織があります。後頭部から移植した髪の毛は、移植先でもAGAの影響を受けにくく、成長を続けて正常なヘアサイクルを繰り返します。

そのため、AGAなどで薄毛が進行した前頭部・頭頂部でも、術後は髪の毛が生え続ける仕組みです。

AGAの詳細について次のページで解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

AGA・薄毛の原因や治療方法とは? 料金や副作用についても丁寧に解説

自毛植毛と人工植毛の違いは?人工植毛は皮膚トラブルのリスクがある

植毛には自毛植毛のほかに、合成繊維でできた人工毛を移植する「人工植毛」があります。

自毛植毛と人工植毛の違いをまとめた表が次の通りです。

自毛植毛 人工植毛
特徴 自身の髪の毛を採取して移植する ポリエステルなど合成繊維からできた人工毛を移植する
費用 人工植毛より高い 自毛植毛より安い
メリット ・拒絶反応や炎症などが起こりにくい
・定期的なメンテナンスが必要ない
・短期間で見た目を改善できる
・希望するだけ毛髪を増やせる
デメリット ・効果を実感するまでに時間がかかる
・頭皮に傷跡が残る
・炎症や感染症などのリスクがある
・定期的なメンテナンスが必要

人工植毛は移植直後から希望通りの髪型にできます。さらに、移植毛の数に限界がないので、希望するだけ移植できるのがメリットです。

一方、合成繊維でできた髪の毛を埋め込むため、感染症や炎症など皮膚トラブルのリスクがあります。

その点、自毛植毛は効果を実感するまでに時間がかかるものの、拒絶反応が起こりにくく、自然な仕上がりを目指せる治療法です。

自毛植毛の3種類の術式 | FUT法・FUE法・ARTAS植毛を比較

自毛植毛の3種類の術式

自毛植毛には、大きくFUT法・FUE法・ARTAS植毛の3つの術式があります。

3種類の術式の違いは次の通りです。

術式名 FUT法
(ストリップ法)
FUE法 ARTAS植毛
術式内容 メスを使用して毛髪が多い頭皮を採取・移植する 専用のパンチで毛髪をくり抜いて採取・移植する ロボットを使用して毛髪を採取し、手作業で移植する
メリット ・移植後に生着しやすい
・1回の施術で多くの毛髪を移植できる
・術後のダウンタイムが短い
・傷跡が残りにくい
・手作業の術式よりミスが起こりにくい
・手作業の術式より費用が安い傾向にある
デメリット ・傷跡が目立ちやすい
・傷口が治るのに時間がかかる
・多くの毛髪を採取すると傷跡が目立ちやすい

・1回の施術で移植できる本数が少ない

・採取できる毛髪量が限られる
・ARTASを取り扱う医療機関が少ない
おすすめな人 ・頭皮に柔軟性がある方
・薄毛の範囲が広い方
・手術したことをできる限りばれたくない方 ・メスによる手術に抵抗がある方
・費用を抑えて治療を受けたい方

FUT法はストリップ法とも呼ばれ、メスを使用して毛髪を採取する術式です。傷口が目立ちやすいといったデメリットはありますが、FUE法より広い面積で毛髪を採取・移植できるため、薄毛の範囲が広い方に適しています。

FUE法は「パンチ」と呼ばれる機械で毛髪を採取する術式です。メスを使わないため、傷跡が残りにくいなどのメリットがありますが、多くの毛髪を採取すると傷跡が目立ちやすい点に注意しなければなりません。

また、ARTAS植毛はロボットを使用して毛髪を採取する術式です。FUT法・FUE法と比較してミスが起こりにくく、費用を抑えやすいことがメリットです。

ただしARTAS植毛は手作業の術式と比べて、採取できる毛髪の範囲が限られます。

自毛植毛はやめた方がいい?植毛手術に失敗して後悔する人の主な原因

自毛植毛に失敗して後悔する人の主な原因

自毛植毛の主な失敗例として、次の3つがあげられます。

  • 後頭部の傷跡が目立つ
  • 髪の毛が生着しない
  • 仕上がりが不自然

後頭部の傷跡は、特にFUE法による植毛で起こりやすい失敗例です。多くの毛髪を採取すると、後頭部が虫食い状態になったり、毛髪の密度がスカスカになったりすることがあります。

また自毛植毛は生着しやすい治療法ですが、植毛後の生着率が低い場合は医師の技術不足が考えられます。技術の低い医師による治療を受ければ、仕上がりが不自然になる可能性があります。

自毛植毛による失敗を避けるためには、クリニック選びが大切です。適した治療法を提案してくれ、知識や技術を持つ医師が手術を行ってくれるクリニックを選びましょう。

自毛植毛のメリット | 副作用のリスクがほとんどない

自毛植毛には、次の3つのメリットがあります。

  • 拒絶反応や炎症など副作用のリスクがほとんどない
  • 移植後のメンテナンスが必要ない
  • 自然にボリュームを出しやすい

自毛植毛は自身の髪の毛を移植するため、人工植毛と比べて、拒絶反応や炎症といった副作用のリスクがほとんどありません。さらに、移植した髪の毛は移植先で生え変わるため、定期的なメンテナンスが不要な点もメリットです。

違和感なく髪の毛のボリュームを出しやすいので、より移植後の仕上がりを自然にしたい方には自毛植毛が適しています。

自毛植毛のデメリット | 傷跡が残りやすい

自毛植毛には傷跡が残りやすいなどのデメリットがある

自毛植毛のデメリットは大きく次の2つです。

  • 効果を実感するのに時間がかかる
  • 傷跡が残りやすい

自毛植毛は、植毛効果を実感するのに時間がかかるのがデメリットです。

移植した髪の毛は一度抜け落ちてから再度伸び始めるため、10cmほど伸ばすのに1年程度必要になります。一方でボリュームアップが自然なので、周りの人間にバレにくい点はメリットと言えます。

また、移植する髪の毛を採取する際に、傷跡が残りやすいこともデメリットです。ただし、周囲の髪の毛が伸びたら傷跡が隠れるため、坊主頭にしない限り傷跡が目立つことはほとんどありません。

自毛植毛の手術の流れ

自毛植毛の手術の流れ

自毛植毛の手術の流れは次の通りです。

  1. カウンセリング
    薄毛治療の経験や要望、悩みなどを医師がヒアリングして、一人ひとりに合った治療法を提案します。治療の流れや費用に関する説明も行われます
  2. 事前処置
    睡眠導入剤や痛み止め、麻酔などを使用します。そのほか、移植箇所のマーキングや準備を行います
  3. 施術
    移植する毛髪の採取し移植ホールを作成。採取した毛髪の移植を行います
  4. アフターケア
    採取・移植した部分は、ガーゼで保護して包帯で固定します。術後当日からメイクなど行えます

具体的な手術内容は術式によって異なるため、クリニックによって流れや対応が異なる可能性があります。

自毛植毛の術後経過 | 1ヶ月目に一時的脱毛やショックロスで毛が抜ける

自毛植毛の術後の経過は次の通りです。

施術翌日 まだ頭皮がデリケートな状態。クリニックで患部の状態を確認します
翌日~1週間 かさぶたが剥がれたり、赤みが落ち着いたりする。普段通りのシャンプーが可能です
1~3ヶ月 移植した髪の毛に一時的な脱毛が発生。頭皮の色は通常に戻ります
4~6ヶ月 移植箇所から毛髪が生え始める。この頃から患部を気にせずに、普段どおりの生活を送れるようになります
6~12ヶ月 毛髪が生えそろう

洗髪は術後翌日から可能です。その際は、クリニックで頭皮にダメージを与えない洗髪方法について指示を受けてください。

また自毛植毛の1ヶ月後のタイミングで、「ショックロス」と呼ばれる一時的な脱毛症状が起きることがあります。自毛植毛を行った場所の周囲の毛髪が抜け落ちますが、基本的に4~5ヶ月経つと元通りの毛量に回復します。

自毛植毛の術後にかさぶたができたらどうする?自然に剥がれるのを持つ

自毛植毛の術後、かさぶたができるケースが多いです。かさぶたは無理に剥がすのではなく、自然に剥がれ落ちるのを待ってください。

通常、術後3~4日は移植部に血がにじみ、術後5日程度でかさぶたができます。

かさぶたが剥がれるまでの期間は、10日~2週間が目安です。無理に剥がそうとすると出血を起こしたり、移植した髪の毛が抜けたりする原因になるので注意してください。

自毛植毛の手術は痛い?麻酔を使用するため痛みは感じにくい

自毛植毛の手術は痛い?

自毛植毛の手術では麻酔を使用するため、痛みは感じにくいです。

麻酔を打つ際のチクッとした痛みはありますが、それ以降はほとんど痛みを感じないと考えて問題ありません。

また術後の痛みには個人差があり、頭に痛みを感じる可能性があります。術後に痛みを感じた際は、クリニックから処方された痛み止めを服用し、痛みを緩和できます。

自毛植毛は10年後どうなっている?長期間髪の毛をキープしやすい

自毛植毛は10年後もキープできると考えられます。

自毛植毛で生着した髪の毛は、通常の髪の毛と同じ寿命になります。通常、髪の毛の寿命は2~6年で、生え変わりの回数は40~50回です。

そのため、移植前に15〜20回の生え変わりを終えていた髪の毛であっても、10年以上生え変わり続けると考えられます。

ただし、移植した髪の毛以外の部分で薄毛が進行する可能性はあります。

自毛植毛とそのほかのAGA治療・薄毛治療の違い

自毛植毛とそのほかのAGA治療・薄毛治療の違い

自毛植毛のほかに、薄毛治療には内服薬や外用薬の使用、メソセラピーなどがあります。

自毛植毛とほかのAGA治療・薄毛治療を比較した表が次の通りです。

自毛植毛 内服薬・外用薬 メソセラピー
治療内容 ・自身の髪の毛を移植する ・薄毛の進行を抑制する
・発毛を促進する
・栄養成分を頭皮に注入して発毛を促進する
メリット ・髪の毛がない部分も生やせる
・1回の施術で完了する
・仕上がりが自然
・体に傷が残らない
・痛みやダウンタイムなどがない
・費用的に治療を始めやすい
・投薬治療より短期間で効果を実感しやすい
・副作用のリスクが少ない
デメリット ・植毛に使える髪の毛の本数に限界がある
・医師の技術が低いと不自然な仕上がりになる
・すでになくなった髪の毛の再生は難しい
・男性のリビドー減少などの副作用がある
・薬の使用が長期間になる
・すでになくなった髪の毛の再生は難しい
・定期的にクリニックに通う必要がある

薬やメソセラピーは、AGAの進行を抑えて薄毛を改善・防止するAGA治療です。AGAが原因の薄毛に有効な治療法となります。

なお、それぞれの治療法は併用して行うことも可能です。

AGA治療薬およびメソセラピーについて、それぞれ次のページで詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

AGA治療薬とは?内服薬と外用薬の効果、副作用、種類について解説

AGAメソセラピー(育毛メソセラピー)とは?効果や副作用、治療回数を解説

自毛植毛に関するよくある質問

自毛植毛に関するよくある質問

自毛植毛に関するよくある質問をまとめました。

Q.自毛植毛の治療は女性でも受けられますか?

自毛植毛は男女関係なく治療を受けられます。

ただし、男性の薄毛は部分的に脱毛するのに対し、女性の薄毛は広範囲に広がる傾向があります。全体的にバランス良く移植する必要があるため、部分的な植毛よりも技術力が求められるのが特徴です。

一方で、女性の自毛植毛は男性より移植する髪の毛が少ないケースが多く、費用を抑えられる傾向があります。

Q.タバコやお酒は自毛植毛に影響しますか?

自毛植毛の術後のタバコやお酒は、できる限り避ける方が良いです。

術後のお酒は痛みが出やすくなってしまいます。また、タバコは傷の治りを悪くするほか、移植した髪の毛の生着率を下げる可能性があるので注意が必要です。

自毛植毛の術後1週間は、できる限り禁煙するようにしてください。

Q.自毛植毛の術後に毛染めをしても良いですか?

自毛植毛した場合でも、毛染めして構いません。

髪を染める場合は施術から時間を空けて、強いヘアカラー剤を使ったりカラーリングを何度も繰り返したりすることは避けてください。移植した箇所は非常にデリケートになっているので痛みを感じやすく、皮膚も腫れている状態です。

また植毛後の毛染めは自分の判断で決めずに、医師に相談してから行うようにしましょう。

自毛植毛は自分の毛髪を移植するためリスクの少ない治療法

自毛植毛は自分の毛髪を移植するためリスクの少ない治療法

自毛植毛は、薄毛部分に自分の髪の毛を移植する施術です。

自分自身の髪の毛を使用するため、人工植毛と比べて拒絶反応や炎症などのリスクが少ない特徴があります。定期的なメンテナンスも必要ありません。

治療費用は高額になるものの、なくなった髪の毛も再度生やすことができます。M字や頭頂部の薄毛でお悩みの方は、一度クリニックなどの医療機関へご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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