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仕事行きたくない…【朝泣く人へ】原因・対処法・本当に限界なサイン

「仕事に行きたくない」と感じる。それは、決してあなただけではありません。厚生労働省が実施した令和5年労働安全衛生調査によると、仕事に対して強い不安や悩み、ストレスを感じる労働者は、全体の8割を超える約82.7%にも上ることが明らかになっています。これは多くの人が一度は経験する、ごく自然な感情です。しかし、その気持ちが長期間続いたり、心身に不調をきたすほど強くなったりする場合は、注意が必要です。単なる一時的な気分の問題ではなく、職場環境や仕事内容、自身の心身の状態など、何らかの根本的な原因が隠されている可能性があります。

この「仕事に行きたくない」という感情は、身体や心からのSOSかもしれません。無視して無理を続けてしまうと、さらに状況が悪化してしまうことも少なくありません。

本記事では、「仕事に行きたくない」と感じる主な理由や原因を特定することから始め、その状態を放置するリスク、今すぐできる具体的な対処法、そして最終的に休職や転職といった選択肢を検討する際の判断基準や具体的な行動について詳しく解説します。あなたの悩みを解決へ導くためのヒントを見つけてください。

目次

仕事に行きたくないと感じる主な理由・原因を特定

なぜあなたは「仕事に行きたくない」と感じているのでしょうか。その原因は一つとは限りません。複数の要因が複雑に絡み合っていることもあります。まずは、考えられる主な理由や原因を一つずつ確認し、自身の状況に最も近いものはどれかを特定することから始めましょう。原因を明確にすることは、適切な対処法を見つけるための第一歩となります。

特定の理由が分からず、漠然と行きたくない場合

「これといった理由はないけど、とにかく会社に行くのが嫌だ」「朝起きるとゆううつな気持ちになる」といった、漠然とした「行きたくない」という感情に囚われている場合もあります。これは、日々の業務による疲労やストレスの蓄積、仕事に対するモチベーションの低下などが原因かもしれません。

  • 疲労の蓄積: 慢性的な睡眠不足や休息不足により、心身が疲弊している状態です。疲れていると、何事にも前向きになれず、仕事への意欲も低下しやすくなります。
  • ストレスの蓄積: 小さなストレスが積み重なり、気づかないうちにキャパシティを超えている状態です。特定の大きな原因がなくても、日常的なプレッシャーや人間関係のわずらわしさなどが蓄積されることで、漠然とした「行きたくない」につながります。
  • モチベーションの低下: 仕事にやりがいを感じられない、目標が見えない、評価されないといった状況が続くと、仕事に対する意欲が失われ、「何のために働いているのだろう」という気持ちになり、結果的に行きたくないと感じるようになります。
  • バーンアウト(燃え尽き症候群): 仕事に打ち込みすぎた結果、心身ともにエネルギーを使い果たし、無気力状態になっている可能性もあります。

心身の不調や拒否反応(朝泣くなど)が出ている

もし「仕事に行きたくない」という気持ちが、具体的な身体症状や精神症状として現れているなら、それは危険なサインです。特に、朝起きようとすると涙が出る、腹痛や頭痛がする、吐き気がする、眠れない、食欲がないといった症状が出ている場合は、心身が限界に近い状態にある可能性が高いです。

  • 身体症状: 胃痛、腹痛、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感、動悸、呼吸困難感など、病院で検査しても異常が見つからない不定愁訴として現れることがあります。これらは自律神経の乱れが原因であることも多いです。
  • 精神症状: ゆううつな気分が続く、不安感、イライラ、集中力低下、記憶力低下、無気力、引きこもりたい気持ち、朝起きられない、朝泣く、夜眠れない(または寝すぎる)など。これらの症状が複数現れている場合、うつ病や適応障害などの精神疾患の可能性も考えられます。
  • 拒否反応: 朝、出勤時間になると動けなくなる、会社に近づくと体調が悪くなる、特定の場所や人に会うことに強い抵抗を感じるといった、身体や心が環境に対して強い拒否反応を示している状態です。令和5年の労働安全衛生調査などでも労働者のメンタルヘルス不調が指摘されており、朝泣くといった症状は、精神的にかなり追い詰められているサインとして、特に注意が必要です。

これらの症状が出ている場合は、決して我慢せず、速やかに専門家(医師やカウンセラー)に相談することが非常に重要です。

職場環境や人間関係に悩みがある

仕事内容そのものよりも、働く環境や職場の人間関係が原因で「行きたくない」と感じる人は非常に多いです。令和5年労働安全衛生調査の結果概要でも、仕事のストレス要因として人間関係が上位に挙げられています。

  • 特定の人物との関係性: 上司からのパワーハラスメント、同僚からのいじめや嫌がらせ、部下からの突き上げなど、特定の人との関係が悪化している、または一方的に攻撃されている。
  • 職場の雰囲気: 職場の雰囲気が悪く、ギスギスしている、お互いをサポートする文化がない、意見が言いづらい、風通しが悪いといった状況。
  • 孤立: 職場で信頼できる人がいない、誰にも相談できない、疎外感を感じる、職場で干されていると感じる(重要な仕事から外される、情報共有されないなど)。
  • ハラスメント: パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメントなど、様々なハラスメントを受けている、または見聞きしている。
  • 評価への不満: 自分の努力や成果が正当に評価されていないと感じる。

仕事内容や業務への不満・適性の不一致

仕事内容そのものが自分に合っていない、または不満があることも、「行きたくない」の大きな原因となります。令和5年労働安全衛生調査では、業務負荷もストレス要因として挙げられており、仕事内容への不満と関連が深いです。

  • やりがいを感じない: 仕事が単調で面白みがない、自分が社会に貢献できている実感が持てない。
  • スキルや適性の不一致: 自分のスキルや強みが活かせない仕事、または求められるスキルが自分にはなく、常に困難を感じている。
  • 業務量・責任の偏り: 特定の部署や個人に業務量が偏っている、または自分の能力に見合わない過大な責任を負わされている。
  • 目標が見えない: 自分がこの仕事を通じてどう成長したいのか、将来どうなりたいのかといった目標設定が難しく、ただ日々の業務をこなすだけになっている。
  • 興味のない分野: 元々興味のない分野の仕事に配属され、モチベーションが上がらない。

給与や待遇への不満

職場でのストレス要因に関する調査では、給与や待遇への不満が上位に挙げられることもあります。自分の働きや責任に見合った給与がもらえていない、昇給や昇進が見込めない、福利厚生が充実していないといった不満は、「行きたくない」という気持ちを募らせます。

  • 給与水準: 労働時間や業務内容に対して、給与が低いと感じる。
  • 評価制度: 評価基準が不明確、または評価自体が不適切だと感じる。
  • 労働時間: サービス残業が多い、長時間労働が常態化している。
  • 福利厚生: 有給休暇が取りづらい、育児・介護支援などが不十分。
  • 会社への貢献と見合わない: 会社の業績に貢献しているにも関わらず、それが給与や賞与に反映されない。

将来への不安や目標の喪失

現在の仕事や会社に将来性を感じられない、自分のキャリアパスが見えないといった不安も、「仕事に行きたくない」につながります。

  • キャリアパスの不明確さ: このまま仕事を続けていても、自分がどう成長できるのか、どのようなポジションを目指せるのかが分からない。
  • 会社の将来性への不安: 会社の業績が悪化している、業界全体が衰退傾向にあるなど、将来に対する漠然とした不安がある。
  • スキルアップできない環境: 新しいスキルを習得する機会がない、自身の成長が停滞していると感じる。
  • 働くことの意味を見失う: 何のために働いているのか、自分は何を目指しているのかが分からなくなり、働くこと自体に意味を見出せない。

これらの理由を一つずつ考え、自分が「仕事に行きたくない」と感じている原因がどこにあるのかを特定してみましょう。原因が分かれば、次はその原因に対する具体的な対処法を考えることができます。

「仕事 行きたくない」状態を放置するリスク

「仕事に行きたくない」という気持ちを「みんなもそうだから」「甘えだ」などと考え、無理をして働き続けてしまう人は少なくありません。しかし、この状態を放置することは、非常に大きなリスクを伴います。一時的な気分だと軽視せず、以下のようなリスクがあることを認識しておくことが重要です。

心身の健康状態が悪化する

「行きたくない」というネガティブな感情を抱えながら働き続けることは、心身に多大な負担をかけます。特に、前述したような身体症状や精神症状がすでに出ているにも関わらず放置すると、症状は悪化し、より深刻な病気につながる可能性があります。

  • 精神疾患の発症: うつ病、適応障害、不安障害、パニック障害などの精神疾患を発症するリスクが高まります。これらの病気は、日常生活に大きな支障をきたし、回復に長い時間がかかる場合もあります。
  • 身体疾患の発症・悪化: 慢性的なストレスは、免疫力の低下を招き、風邪を引きやすくなったり、アレルギー症状が悪化したりすることがあります。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、高血圧などの心身症(ストレスが原因で身体に症状が出る病気)を発症・悪化させる可能性もあります。
  • 自律神経失調症: ストレスにより自律神経のバランスが崩れ、頭痛、めまい、不眠、動悸、発汗、倦怠感など、様々な身体症状が現れます。

業務パフォーマンスが低下する

「行きたくない」という気持ちは、仕事への集中力やモチベーションを著しく低下させます。これにより、業務の質が低下し、ミスが増えたり、納期を守れなくなったりといった問題が発生します。

  • 集中力・判断力の低下: 仕事中に他のことを考えてしまったり、ぼーっとしてしまったりすることが増え、簡単なミスを繰り返すようになります。重要な判断を誤るリスクも高まります。
  • 生産性の低下: やる気が出ないため、業務スピードが落ち、同じ作業に以前より時間がかかるようになります。
  • 創造性の枯渇: 新しいアイデアが浮かばなくなったり、問題解決能力が低下したりします。
  • 周囲への影響: パフォーマンスの低下は、チーム全体の士気を下げたり、他のメンバーに負担をかけたりすることにもつながります。

職場で孤立・干される可能性

パフォーマンスの低下や、ネガティブな態度は、職場の人間関係にも悪影響を与えます。

  • コミュニケーションの減少: 自分から話しかけるのが億劫になったり、他の人も話しかけづらい雰囲気を察知したりして、職場で孤立しやすくなります。
  • 評価の低下: パフォーマンスが低下すれば、当然ながら評価も下がります。これがさらにモチベーションを低下させる悪循環に陥ることもあります。
  • 重要な仕事から外される: 信頼を失い、責任のある仕事や重要なプロジェクトから外される(職場で干される)可能性もあります。これは、さらに「自分は必要とされていない」という気持ちを強め、「行きたくない」を加速させる要因となります。
  • ハラスメントのリスク: 孤立したりパフォーマンスが低下したりすると、周囲から不当な扱いを受けたり、ハラスメントのターゲットになりやすくなったりするリスクも高まります。

このように、「仕事に行きたくない」という感情を放置することは、個人の心身の健康、キャリア、そして職場での立場に深刻な影響を与える可能性があります。「一時的なものだろう」と軽視せず、自身の状態を真剣に受け止め、適切な対処を行うことが何よりも重要です。

今すぐできる「仕事 行きたくない」ときの具体的な対処法

「仕事に行きたくない」と感じている状況を改善するために、今すぐできる具体的な対処法をいくつかご紹介します。これらの方法は、原因の特定、ストレス軽減、問題解決のための行動といった様々な側面からアプローチします。

行きたくない理由・原因を紙に書き出して整理する

まずは、自分がなぜ「仕事に行きたくない」と感じているのかを客観的に見つめ直すことから始めましょう。頭の中で漠然と考えているだけでは、原因が明確にならないことが多いです。

  • 紙とペンを用意する: スマートフォンやパソコンではなく、手書きで紙に書き出すのがおすすめです。思考を整理しやすく、感情が伴いやすいという効果があります。
  • 思いつくままに書き出す: 「会社に行くのが嫌だ」「特定のAさんと会いたくない」「会議がゆううつだ」「給料が低い」「疲れている」「眠れない」など、どんな小さなことでも構いません。頭に浮かんだことを全て書き出してみましょう。
  • 分類・整理する: 書き出した内容を、「人間関係」「仕事内容」「待遇」「体調」「将来」などのカテゴリに分類してみましょう。それぞれのカテゴリの中に、具体的にどのような不満や不安があるのかが見えてきます。
  • 原因を深掘りする: 分類した原因について、「なぜそう感じるのか?」「その原因は具体的に何なのか?」とさらに問いを立てて深掘りしていきます。例えば、「人間関係」の中に「Aさんと会いたくない」とあれば、「なぜAさんと会いたくないのか?」(パワハラを受けている、性格が合わない、過去にトラブルがあったなど)を具体的にします。
  • 重要度・解決可能性を考える: 特定できた原因の中で、特に「行きたくない」気持ちに強く影響しているものはどれか、そして、自分で解決できそうなもの、誰かの協力が必要なもの、解決が難しそうなものに分けて考えてみましょう。

このように、原因を書き出して視覚化・構造化することで、自分の状況を客観的に捉えることができ、次に取るべき行動が見えやすくなります。

ストレスを軽減するためのセルフケアを行う

仕事のストレスは、心身の不調や「行きたくない」という気持ちに直結します。意識的にストレスを軽減するためのセルフケアを取り入れましょう。

  • 十分な休息と睡眠: 疲れを感じたら無理せず休息を取りましょう。睡眠は心身を回復させるために非常に重要です。質の高い睡眠をとるための工夫(寝る前にカフェインやアルコールを控える、リラックスできる環境を作るなど)をしましょう。
  • 適度な運動: 軽いウォーキングやストレッチ、ヨガなどは、気分転換になり、ストレス解消効果も期待できます。太陽の光を浴びながらの運動は、セロトニンの分泌を促し、精神安定にもつながります。
  • 趣味や好きな活動に没頭する: 仕事から離れて、自分が心から楽しめる時間を作りましょう。好きな音楽を聴く、映画を見る、本を読む、絵を描く、ゲームをする、友人と話すなど、何でも構いません。仕事のことを忘れてリフレッシュすることが大切です。
  • リラクゼーションを取り入れる: 入浴、アロマセラピー、瞑想、深呼吸などは、心身をリラックスさせるのに効果的です。特に寝る前に行うと、質の高い睡眠につながります。
  • 食生活の見直し: バランスの取れた食事を心がけましょう。特定の栄養素(ビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなど)は、精神的な安定に関わると言われています。カフェインや加工食品の摂りすぎは避けましょう。
  • デジタルデトックス: 寝る前や休日に、スマートフォンやパソコンから離れる時間を作りましょう。情報過多やブルーライトは、心身に負担をかけることがあります。

セルフケアは、一時的な気晴らしではなく、継続的に行うことで効果を発揮します。自分に合った方法を見つけて、日常生活に無理なく取り入れていきましょう。

信頼できる人に相談する(友人、家族、会社の相談窓口など)

一人で悩みを抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることがあります。

  • 友人や家族: 自分のことをよく理解してくれている友人や家族に、正直な気持ちを話してみましょう。専門家ではなくても、共感してもらえたり、励ましてもらえたりすることで、心が軽くなることがあります。ただし、相手に過度な心配をかけすぎないように注意しましょう。
  • 会社の相談窓口: 社内に設置されているハラスメント相談窓口や、従業員向けのカウンセリングサービスなどがあれば利用してみましょう。匿名で相談できる場合もあります。人事部や直属の上司に相談することも選択肢の一つですが、状況によってはかえって状況が悪化するリスクもあるため、相手を慎重に選びましょう。
  • 産業医: 会社に産業医がいる場合は、健康上の問題として相談することができます。守秘義務があるため、安心して話せることも多いです。
  • 外部の専門機関: 会社の相談窓口が利用できない場合や、より専門的なアドバイスが必要な場合は、地域の精神保健福祉センター、NPO法人、民間のカウンセリングルームなどに相談することも可能です。

相談する相手を選ぶ際は、自分のプライバシーを守れるか、正直な気持ちを安心して話せるか、そして具体的なアドバイスやサポートを期待できるかを考慮しましょう。

休暇や休息を取り、心身をリフレッシュさせる

「仕事に行きたくない」という気持ちが強い時は、心身が疲弊しているサインです。思い切って仕事から離れ、休息を取ることも重要です。

  • 有給休暇の取得: 溜まっている有給休暇を利用して、数日間、可能であれば1週間程度の休みを取りましょう。旅行に出かけたり、自宅でゆっくり過ごしたり、普段できないことに時間を使ったりと、自由に過ごして心身をリフレッシュさせましょう。
  • リフレッシュ休暇制度の確認: 会社にリフレッシュ休暇制度があるか確認してみましょう。勤続年数に応じて長期休暇を取得できる場合があります。
  • 短期的な休み: 長期休暇が難しい場合でも、まずは半日や1日だけ休んでみるのも良いでしょう。「どうしても行きたくない」という気持ちが強い朝は、無理せず休むことも大切です。
  • 診断書による休暇・休職: 心身の不調が強い場合は、医療機関を受診し、診断書を取得して会社に提出することで、病気休暇や休職制度を利用することができます。これは、心身の回復を最優先するための重要な手段です。

休暇を取ることに罪悪感を感じる必要はありません。心身が健康でなければ、良い仕事はできません。一時的に仕事から離れることで、状況を客観的に見つめ直す時間ができたり、エネルギーを回復させたりすることが期待できます。

これらの対処法は、組み合わせて行うことでより効果を発揮します。まずは、自分にとって取り組みやすいものから始めてみましょう。そして、これらの対処法を試しても状況が改善しない場合は、次のステップとして転職や退職も視野に入れる必要が出てきます。

転職・退職を検討するタイミング・辞めどきのサイン

「仕事に行きたくない」という気持ちに対して様々な対処法を試しても状況が改善しない、あるいは心身の不調が深刻化している場合、現在の職場を離れることを真剣に検討するべき時期かもしれません。これは決して逃げではありません。自身の健康と将来を守るための、賢明な判断です。どのような状況になったら、転職や退職を考えるべきか、具体的なサインを確認しましょう。

仕事を辞めたほうがいいサイン(仕事の辞めどき)

以下に挙げるようなサインが複数、または強く現れている場合は、現在の職場を続けることが心身に悪影響を及ぼしている可能性が高いです。これらのサインは、身体や心が「もう限界だ」と発している警告信号です。

サインの種類 具体的な症状・状況
心身の不調 – 朝起きるのが非常につらい、ベッドから出られない、朝泣いてしまうなど強い拒否反応がある
– 休日になっても疲労が回復しない、むしろ体調が悪くなる
– 眠れない、または寝すぎてしまう、悪夢を見るなど睡眠に問題がある
– 食欲がない、または食べすぎる、体重が急激に増減する
– 胃痛、腹痛、頭痛、めまい、動悸、吐き気など身体症状が慢性的に続く
– 憂鬱な気分が続く、不安感が強い、イライラしやすい
– 集中力や判断力が著しく低下し、ミスが増える
– 趣味や好きなことに対しても興味を持てない、楽しめない(アパシー)
– 些細なことで涙が出てくる、感情のコントロールが難しくなる
精神的・思考の変化 – 仕事中に退職のことばかり考えてしまい、業務に集中できない(仕事辞めたい、働きたくないという気持ちが常に頭を占める)
– 自分の存在価値を否定的に捉えるようになる、自己肯定感が著しく低下する
– 将来に希望が持てず、悲観的になる
– 死にたい、消えてしまいたいといった希死念慮が浮かぶ(非常に危険なサインです。すぐに専門家へ相談してください
職場関連の状況 – 職場に行くこと、または仕事のことを考えるだけで体調が悪くなる
– 特定の人物に会うことに強い恐怖や嫌悪感を感じる
– 毎日「辞めたい」と考えている時間が非常に長い
– 会社の相談窓口や上司に相談しても、状況が改善される見込みがない、あるいは悪化する一方だ
– 法令違反や企業倫理に反する行為が常態化しており、自分がそれに加担せざるを得ない状況にある

これらのサインは、「仕事の辞めどき」を強く示唆しています。一つでも当てはまる場合は注意が必要ですが、複数当てはまる場合は、可能な限り速やかに環境を変えることを検討すべきです。

心身の不調が改善しない、または悪化している

医療機関を受診して治療を受けているにも関わらず、心身の不調が改善されない、あるいは悪化の一途をたどっている場合は、現在の職場環境が病気の根本原因である可能性が高いです。薬を増やしても効かない、休職しても復帰が難しいと感じるなどの状況は、その環境から離れることが回復への近道であることを示しています。医師と相談の上、退職が治療の一環として必要であると判断されるケースもあります。

職場環境や人間関係の根本的な改善が見込めない

ハラスメントが横行している、特定の人物からの嫌がらせがやまない、職場の雰囲気が常に悪く改善の兆しがない、会社が従業員の意見に耳を傾けない、パワハラ上司が異動になる見込みがないなど、職場環境や人間関係の問題が構造的であり、個人の努力や一時的な対処では根本的な解決が期待できない場合も、転職や退職を考えるべきタイミングです。会社全体として問題解決に取り組む姿勢が見られない、あるいは見て見ぬふりをしているような状況であれば、そこに留まることに意味はありません。

仕事内容がどうしても合わず、続けるのが困難

自己分析や努力を重ねても、どうしても仕事内容や求められるスキルが自分に合わない、強いストレスを感じてしまうといった状況が続く場合もあります。自分の得意なことや価値観と全く異なる仕事は、どんなに頑張っても辛さを感じ続ける可能性が高いです。このまま無理を続けるよりも、自分の適性や興味に合った別の仕事を探す方が、長期的なキャリア形成や幸福度につながる場合があります。常に苦痛を感じながら仕事を続けるのは、心身への負担が大きすぎます。

辞めたい気持ちが非常に強く、他のことが手につかない(仕事辞めたい、働きたくない)

毎日「辞めたい」と強く願い、その思考が仕事中だけでなくプライベートの時間まで支配し、他のことが手につかないような状況になっている場合は、すでに精神的にかなり追い詰められています。仕事へのモチベーションが完全に失われ、「仕事辞めたい、働きたくない」という気持ちが行動を麻痺させている状態です。このような状況では、仕事のパフォーマンスも著しく低下しているはずです。無理に続けようとするよりも、一度立ち止まり、辞めることも含めて冷静に今後のことを考える必要があります。

仕事を辞める以外の選択肢

「仕事に行きたくない」という状況を解決する方法は、必ずしも転職や退職だけではありません。現在の会社に留まりつつ、状況を改善するための選択肢も存在します。特に、一時的な疲労や不調、特定の部署・業務への不満が原因である場合は、これらの選択肢が有効な場合があります。

休職制度を活用する

心身の不調が主な原因で「仕事に行きたくない」と感じている場合、会社が提供している休職制度を活用することが有効な選択肢です。

  • 休職とは: 病気や怪我、その他やむを得ない理由により、一時的に労働契約を維持したまま就労義務を免除される制度です。多くの企業で、従業員の心身の回復や治療のために設けられています。
  • 利用条件: 休職制度の利用には、通常、医師の診断書が必要となります。診断書の提出をもって、会社が休職を認めるという流れが一般的です。休職期間、給与の扱い(無給か一部支給か)、社会保険料の支払い、復職の条件などは、会社の就業規則によって異なります。
  • メリット:
    • 心身の回復に専念できる: 仕事から完全に離れ、治療や休息に集中できます。
    • 雇用が維持される: 労働契約が継続されるため、復職を前提として安心して療養できます。
    • 社会保険の継続: 健康保険や厚生年金などの社会保険は継続されることが一般的です(保険料の自己負担分は発生します)。
    • 傷病手当金の受給: 健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。給与の約2/3が最長1年6ヶ月受給できるため、休職期間中の生活費の不安を軽減できます(条件あり)。
  • デメリット:
    • 給与が減額または停止される: 休職期間中の給与は無給となる会社が多いです。
    • キャリアの中断: キャリアが一時的に中断されることになります。
    • 復職への不安: 休職期間が長くなると、職場に戻れるか、以前のように働けるかといった不安を感じることがあります。
  • 利用までのステップ:
    1. 医師の診断を受ける: 心身の不調の原因を特定し、医師に休職が必要であるかの診断を受けます。
    2. 診断書を会社に提出する: 診断書を添えて、会社の人事部や直属の上司に休職の相談をします。
    3. 会社の規定を確認する: 就業規則で休職制度の詳細(期間、給与、手続きなど)を確認します。
    4. 休職開始: 会社との手続きを経て休職に入ります。

休職は、あくまで心身の回復のための時間です。休職中も、症状の改善に努め、復職に向けた準備(定期的な通院、会社との連絡調整、リワークプログラムの利用など)を行うことが重要です。

配置転換や部署異動を願い出る

仕事内容や特定の部署、人間関係が「仕事に行きたくない」の主な原因である場合、社内での配置転換や部署異動を願い出ることも有効な選択肢です。

  • 配置転換・部署異動とは: 現在の部署や役職から、別の部署や役職に変わることです。仕事内容や人間関係、働く環境が大きく変わるため、問題解決につながる可能性があります。
  • 願い出る方法:
    • 直属の上司に相談する: 関係性が良好であれば、まずは直属の上司に正直な気持ちを話し、異動希望を伝えてみましょう。
    • 人事部に相談する: 直属の上司に話しづらい場合や、上司との関係性が原因である場合は、人事部に直接相談する方が良いこともあります。
    • 社内公募制度の利用: 会社によっては、特定のポジションの募集に対し、社員が応募できる社内公募制度があります。希望する部署や職種がある場合は、この制度を利用できます。
    • 産業医や社内相談窓口を通す: 心身の不調を理由に異動を希望する場合は、産業医や社内相談窓口を通して会社に伝えることも有効です。健康上の理由として配慮を求めることができます。
  • メリット:
    • 問題の原因から離れることができる: 現在の「行きたくない」の原因となっている部署や人間関係、仕事内容から離れることができます。
    • これまでのキャリアを継続できる: 会社を辞めることなく、これまでの経験やスキルを活かしながら、新しい環境で働くことができます。
    • 環境の変化による心機一転: 新しい仕事や人間関係の中で、気分を新たに働く意欲を取り戻せる可能性があります。
  • デメリット:
    • 必ずしも希望が通るとは限らない: 会社の組織状況や人員計画によっては、希望通りの異動が実現しない場合があります。
    • 異動先の環境が合うとは限らない: 新しい部署の人間関係や仕事内容が、必ずしも自分に合うとは限りません。
    • 異動の理由を聞かれる: なぜ異動したいのか、理由を明確に説明する必要があります。場合によっては、現在の部署での評価に影響する可能性もあります。

配置転換や部署異動を願い出る際は、具体的な理由を明確にし、異動先でどのように貢献したいかといった前向きな姿勢を示すことが重要です。また、会社の就業規則や人事制度を確認し、適切な手順で願い出るようにしましょう。これらの選択肢は、現在の会社に魅力を感じており、環境を変えることで働き続けたいと考えている場合に有効です。

転職や退職を考え始めたら取るべき行動

心身の不調が深刻化している、現在の職場環境や人間関係の根本的な改善が見込めない、仕事内容がどうしても合わないなど、様々な状況を踏まえ、最終的に転職や退職を決断した場合、次のステップとして具体的にどのような行動を取れば良いのでしょうか。衝動的に辞めるのではなく、計画的に進めることが、その後のキャリアや生活を守るために非常に重要です。

今後のキャリアについて情報収集する

退職を決める前に、あるいは転職活動を開始する前に、自身の今後のキャリアについてしっかりと情報収集を行いましょう。

  • 自己分析を行う: 自分の強み・弱み、興味関心、得意なこと、苦手なこと、仕事に求める価値観(やりがい、安定、収入、ワークライフバランスなど)を整理しましょう。なぜ現在の仕事が「行きたくない」のか、その原因を踏まえて、どのような環境や仕事であれば意欲を持って取り組めるのかを具体的に考えます。ストレングスファインダーやMBTIなどのツールを活用するのも良いでしょう。
  • 市場価値を把握する: 自分の経験やスキルが、他の企業や業界でどの程度通用するのか、どのようなポジションで求められるのかを調べます。転職サイトで自分の経歴を登録してみたり、転職エージェントに相談してみたりすることで、客観的な市場価値を知ることができます。
  • 興味のある業界・企業を研究する: 自分が興味を持てる分野や、現在の不満(人間関係、労働時間、給与など)を解消できる可能性のある業界や企業について情報収集を行います。企業のホームページ、求人サイト、業界ニュース、企業の口コミサイトなどを活用しましょう。
  • 情報収集の方法:
    • 転職サイト: 求人情報の検索だけでなく、業界や企業に関するコラム、スカウト機能などを活用できます。
    • 企業のホームページ: 企業の理念、事業内容、組織文化、採用情報などを確認できます。
    • 業界専門サイト: 特定の業界に特化したニュースや情報を得られます。
    • 企業の口コミサイト: 現職・元社員の口コミから、職場の雰囲気や人間関係、労働時間などのリアルな情報を得られます(情報の信憑性には注意が必要)。
    • OB/OG訪問: 興味のある企業の社員に直接話を聞く機会を設けることで、インターネットだけでは得られない生の声を聞くことができます。

情報収集は、漠然とした不安を具体的な行動計画に変えるための重要なステップです。時間をかけてじっくりと取り組みましょう。

転職エージェントなど専門機関に相談する

一人での転職活動に不安がある場合や、より効率的に活動を進めたい場合は、転職エージェントなどの専門機関のサポートを受けるのがおすすめです。

  • 転職エージェント: 専任のキャリアアドバイザーがつき、あなたの希望や経験に合った求人を紹介してくれたり、応募書類の添削、面接対策、企業との条件交渉などをサポートしてくれたりするサービスです。
    • メリット: 非公開求人に応募できる、企業との間に立って交渉してくれる、面接日程の調整などを代行してくれる、プロのアドバイスを受けられる。
    • デメリット: 担当者との相性がある、希望に沿わない求人を紹介されることもある。
    • 活用方法: 複数のエージェントに登録し、自分に合った担当者を見つけるのがおすすめです。キャリアアドバイザーには、現在の「行きたくない」という状況や、転職先に求める条件などを正直に伝えましょう。
  • ハローワーク: 公的な就職支援機関です。求人紹介、職業相談、セミナー開催などを行っています。
    • メリット: 地域密着型の求人が多い、雇用保険(失業手当)の手続きができる、無料で利用できる。
    • デメリット: 企業との間に立って交渉などはしてくれない場合が多い、求人情報の質にばらつきがある。
  • キャリアコンサルタント: キャリアに関する専門的なアドバイスやカウンセリングを行ってくれる専門家です。
    • メリット: じっくりと自己分析を深められる、キャリアプランの構築をサポートしてもらえる。
    • デメリット: 有料の場合が多い。

転職活動は、在職中に行うのが一般的です。収入が途切れる心配がなく、精神的な余裕を持って取り組めるからです。ただし、心身の不調が深刻な場合は、まずは退職または休職して回復に専念し、体調が回復してからじっくりと転職活動を行うという選択肢も考えられます。どちらの方法を取るかは、自身の状況や希望、経済状況などを考慮して慎重に判断しましょう。

まとめ:「仕事 行きたくない」と感じたら、まず行動を

「仕事に行きたくない」と感じる気持ちは、多くの人が経験する一般的な感情です。厚生労働省の調査でも8割以上の労働者が仕事にストレスを感じているように、決してあなた一人ではありません。しかし、その状態を放置し続けることは、心身の健康を損ない、キャリアにも悪影響を与える深刻なリスクを伴います。

もしあなたが今、「仕事に行きたくない」と強く感じているなら、それはあなたが悪いわけでも、甘えているわけでもありません。何らかの原因があり、身体や心がSOSを発しているのかもしれません。

まずは、立ち止まって、なぜ「行きたくない」のか、その理由や原因を特定することから始めましょう。紙に書き出して整理したり、信頼できる人に話を聞いてもらったりすることで、自分の状況を客観的に見つめ直すことができます。

原因が特定できたら、次は具体的な対処法を試してみましょう。ストレスを軽減するためのセルフケアを取り入れたり、休暇を取得して心身をリフレッシュさせたりと、自分でできることはたくさんあります。また、会社の相談窓口や専門機関に相談することも、問題解決に向けた重要な一歩となります。

これらの対処法を試しても状況が改善しない場合や、心身の不調が深刻化している場合は、現在の職場から離れることも視野に入れる必要があります。体調が回復しない、職場環境が改善される見込みがない、仕事内容がどうしても合わないなど、具体的な「辞めどきサイン」が出ていないか、自身の状態を正直に評価しましょう。

退職を決断する前に、休職制度の活用や配置転換・部署異動といった、現在の会社に留まりながら状況を改善する選択肢も検討できます。そして、最終的に転職や退職という道を選ぶ場合は、焦らず計画的に行動することが大切です。自己分析を行い、情報収集をしっかりと行い、必要であれば転職エージェントなどの専門機関のサポートを受けながら、あなたの心身が健康で、やりがいを持って働ける新しい環境を探しましょう。

「仕事に行きたくない」という感情は、あなたがより良い働き方、より健康的な生活を送るための変化を求めるサインかもしれません。一人で抱え込まず、勇気を持って原因と向き合い、そして自分自身の心身を大切にするための行動を起こしてください。あなたの悩みが解決し、あなたが心穏やかに働ける日が来ることを心から願っています。


免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の個人に対する医学的アドバイスや診断を提供するものではありません。心身の不調を感じる場合は、必ず医療機関を受診し、専門医の診断と指導を受けてください。本記事の情報に基づいて行ったいかなる行為についても、当サイトは責任を負いかねます。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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