子ども向け
メニュー

ピコレーザーでシミ・肝斑・毛穴・小ジワを改善!効果とダウンタイムを解説

ピコレーザーは、シミ、そばかす、くすみ、肝斑といった様々な肌悩みに対応できる最新のレーザー治療です。従来のレーザー治療とは異なる「ピコ秒」という極めて短いパルス幅でレーザーを照射することで、ターゲットとなる色素を微細に破壊し、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えることが可能です。これにより、ダウンタイムが短く、痛みも軽減され、より安全で効果的な肌改善が期待できます。

この記事では、ピコレーザーがどのような肌悩みに効果を発揮するのか、そのメカニズムや従来の治療法との違い、施術後のダウンタイムやリスク、そして気になる料金相場まで、幅広く解説します。ご自身の肌状態に最適な治療を見つけるために、ぜひ参考にしてください。

ピコレーザーの効果とは?シミ・そばかす・肝斑へのアプローチ

ピコレーザーは、その独自の照射技術により、多岐にわたる肌トラブルに効果を発揮します。特に、色素沈着を伴うシミやそばかす、肝斑といった悩みに高い効果が期待され、肌全体のトーンアップや質感改善にも貢献します。

ピコレーザーがシミ・そばかす・肝斑に効果的な理由

ピコレーザーの最大の特長は、レーザーの照射時間(パルス幅)が「ピコ秒(1兆分の1秒)」と非常に短い点にあります。従来のQスイッチレーザーが「ナノ秒(10億分の1秒)」であったのと比較すると、その短さが際立ちます。この超短時間照射により、レーザーエネルギーが熱ではなく「光音響効果」と呼ばれる衝撃波として色素に作用します。

光音響効果とは、レーザー光が色素に吸収される際に瞬間的に熱を発生させ、その熱が膨張することで周囲に衝撃波を生み出す現象です。この衝撃波によって、メラニン色素がナノレベルの微細な粒子にまで粉砕されます。粉砕されたメラニンは、体のマクロファージ(免疫細胞の一種)によって貪食され、体外へ排出されやすくなります。

このメカニズムにより、ピコレーザーは以下の点で従来のレーザーよりも優れています。

  • 熱ダメージの最小化: 照射時間が極めて短いため、周囲の正常な組織への熱によるダメージがほとんどありません。これにより、施術後の炎症や赤みが軽減され、やけどのリスクも低減されます。
  • 色素沈着のリスク軽減: 熱ダメージが少ないため、炎症後色素沈着(PIH)のリスクを大幅に抑えることができます。これは特に、アジア人の肌に多い肝斑や炎症後色素沈着の治療において非常に重要なメリットです。
  • 微細な色素破壊: メラニンをより細かく粉砕できるため、従来のレーザーでは難しかった薄いシミや、治療後に取り残されがちな微細な色素にもアプローチしやすくなります。
  • 痛みの軽減: 熱による刺激が少ないため、施術中の痛みが比較的少ないとされています。麻酔なしでも施術を受けられる方が多いですが、痛みに敏感な方には麻酔クリームの使用も可能です。

これらの特長から、ピコレーザーは、老人性色素斑(一般的なシミ)、そばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、肝斑、炎症後色素沈着、アザ、タトゥー除去など、幅広い色素性病変に効果を発揮します。特に肝斑は熱刺激に弱いため、熱作用の少ないピコレーザーが第一選択肢となることが多いです。

ピコレーザー機器の種類と特徴

ピコレーザーには複数の種類があり、それぞれ異なる波長や機能を持っています。クリニックによって導入している機器が異なるため、ご自身の肌悩みに合った機器を選ぶことが重要です。主要なピコレーザー機器としては、主に以下の3種類が挙げられます。

機器名 波長の種類 主な特徴 得意な施術
ピコシュア (PicoSure) 755nm アレキサンドライトレーザーを使用。メラニンへの吸光度が高く、熱発生が少ないのが特徴。 シミ、そばかす、くすみ、肝斑、肌のトーンアップ、毛穴の開き、ニキビ跡
ピコウェイ (PicoWay) 532nm, 785nm, 1064nm 3つの波長を使い分け可能。特に532nmは表在性のシミに、1064nmは深層のシミやタトゥーに有効。高速照射が可能。 表在性のシミ、深在性のシミ、肝斑、そばかす、アザ、タトゥー除去、肌質改善、毛穴、ニキビ跡
エンライトン (Enlighten) 532nm, 1064nm 2つの波長を搭載し、ピコ秒とナノ秒の両モードで照射可能。幅広い色素に対応し、タトゥー除去にも強い。 シミ、そばかす、肝斑、アザ、タトゥー除去、肌質改善、毛穴の引き締め

各機器の詳しい特徴:

  • ピコシュア(PicoSure):
    特徴: 755nmの波長はメラニン色素に特異的に吸収されやすいため、シミやそばかすの治療に高い効果を発揮します。熱発生が非常に少ないため、炎症後色素沈着のリスクをさらに低減できる点が強みです。肌のトーンアップや、小じわ・毛穴の改善にも有効です。
    得意な施術: シミ取り(スポット)、肝斑治療(トーニング)、肌全体の若返り(フラクショナル)。
  • ピコウェイ(PicoWay):
    特徴: 3つの波長(532nm、785nm、1064nm)を持つため、表皮層から真皮層まで、様々な深さの色素にアプローチできます。特に532nmは表在性の色素に、1064nmは深いシミや青・黒系のタトゥーに効果的です。高速で安定した照射が可能なため、効率的な治療が期待できます。
    得意な施術: 薄いシミから濃いシミ、肝斑、アザ、多色のタトゥー除去、肌質改善。
  • エンライトン(Enlighten):
    特徴: ピコ秒モードに加えて、ナノ秒モードも搭載している点がユニークです。これにより、色素の種類や深さに応じて最適なパルス幅を選択できるため、よりパーソナライズされた治療が可能です。特にタトゥー除去においては、幅広い色のインクに対応できる強みがあります。
    得意な施術: 難治性のシミ、肝斑、アザ、あらゆる色のタトゥー除去、総合的な肌質改善。

クリニックではこれらの機器を、患者様の肌状態や悩みに合わせて使い分けたり、組み合わせたりして施術を行っています。カウンセリングでご自身の肌悩みを相談し、どの機器が最適か医師と十分に話し合うことが大切です。

ピコレーザーと他のレーザー治療・施術との違い

ピコレーザーは、その革新的な技術により、従来のレーザー治療や光治療とは一線を画します。ここでは、他の主要な美肌治療法と比較しながら、ピコレーザーの独自性とメリットを解説します。

ピコレーザー vs フォトフェイシャル

フォトフェイシャル(IPL:Intense Pulsed Light)は、レーザーとは異なる広範囲の光を照射する光治療の一種です。

特徴 ピコレーザー フォトフェイシャル(IPL)
光の種類 特定の波長のレーザー光 広範囲の波長を持つ光(インテンス・パルス・ライト)
作用メカニズム 光音響効果(衝撃波)による色素の微細破壊 熱作用による色素や毛細血管へのダメージ
ターゲット シミ、そばかす、肝斑、アザ、タトゥー、毛穴、ニキビ跡、小じわなど(色素と真皮層) シミ、そばかす、赤み(毛細血管拡張)、くすみ、産毛、毛穴など(広範囲の肌悩み)
得意なこと 濃いシミや薄いシミ、肝斑の除去、タトゥー除去、肌質改善(ハリ・弾力アップ) 肌全体のトーンアップ、薄いシミや赤みの改善、産毛の脱毛、肌の質感改善
ダウンタイム スポット照射は数日~1週間程度のかさぶた。トーニング・フラクショナルはほぼなし。 ほとんどなし。稀に一時的な赤み、薄いかさぶた(シミが浮き出た場合)。
痛み パチパチとした軽い痛み(麻酔なしで対応可能な場合が多い) ゴムで弾かれるような痛み(冷却装置により軽減されることが多い)
施術回数 シミの種類によるが、数回~10回以上(肝斑は継続的な治療が必要) 3~5回程度で効果を実感し始めることが多い。定期的なメンテナンスが推奨される。

使い分けのポイント:

  • 濃くハッキリとしたシミや肝斑、タトゥーをピンポイントで除去したい場合:ピコレーザーが適しています。
  • 顔全体のくすみや薄いシミ、赤みを改善し、総合的な美肌を目指したい場合:フォトフェイシャルが適しています。
  • 両者を組み合わせることで、より高い相乗効果を得られる場合もあります。例えば、まずピコスポットで濃いシミを取り、その後ピコトーニングやフォトフェイシャルで肌全体のトーンを整える、といったアプローチです。

ピコレーザー vs 従来のレーザー治療(Qスイッチレーザーなど)

従来のシミ治療に用いられてきたQスイッチレーザーは、ナノ秒(10億分の1秒)というパルス幅でレーザーを照射します。ピコレーザーとQスイッチレーザーの主な違いは、この照射時間の長さによる作用メカニズムです。

特徴 ピコレーザー 従来のQスイッチレーザー(ナノ秒レーザー)
パルス幅 ピコ秒(1兆分の1秒) ナノ秒(10億分の1秒)
作用メカニズム 光音響効果(衝撃波)によるメラニンの微細破壊 熱作用によるメラニンの破壊(光熱作用)
熱ダメージ 非常に少ない 比較的大きい
色素沈着リスク 低い やや高い(炎症後色素沈着のリスク)
ダウンタイム 短い(スポット以外はほぼなし) 長い(かさぶた形成、1~2週間程度)
痛み 比較的少ない やや強い(冷却や麻酔が必要な場合が多い)
適応シミ 薄いシミから濃いシミ、肝斑、そばかす、アザ、多色のタトゥー 濃くハッキリとしたシミ、そばかす、アザ、黒・青色のタトゥー
治療回数 シミの種類や濃さによるが、従来のレーザーより少ない回数で効果が出やすい場合も 濃いシミは1~2回で効果が見られることも。複数回必要な場合もある。

ピコレーザーの優位性:

  1. 薄いシミや肝斑への対応力: Qスイッチレーザーは熱作用が強いため、薄いシミや熱に弱い肝斑に照射すると、かえって炎症後色素沈着を起こしやすいというデメリットがありました。ピコレーザーは熱ダメージが少ないため、これらの治療にも安全かつ効果的にアプローチできます。
  2. ダウンタイムの短縮: 従来のレーザーでは、シミを焼いてかさぶたを作るため、そのかさぶたが剥がれるまでに1~2週間かかるのが一般的でした。ピコレーザーのスポット照射でもかさぶたはできますが、より薄く、回復が早い傾向にあります。特にピコトーニングやピコフラクショナルでは、ほとんどダウンタイムがないため、日常生活に支障なく施術を受けたい方に選ばれています。
  3. 痛みとリスクの軽減: 熱刺激が少ない分、痛みも軽減されます。また、やけどや過度な炎症による色素沈着のリスクも低減されるため、安心して治療を受けやすくなりました。

ピコレーザーの種類(ピコシュア、ピコウェイなど)

ピコレーザーの「種類」とは、厳密には「照射モード」を指すことが多いです。ピコレーザーは、目的や肌悩みに応じて主に3つの照射モードを使い分けます。

  1. ピコスポット(Pico Spot)
    目的: 濃くハッキリとしたシミ、そばかす、ADM、アザ、タトゥーなどをピンポイントで除去する。
    特徴: 高出力のレーザーを狭い範囲に集中して照射し、メラニン色素を強力に破壊します。1回の治療で高い効果が期待でき、シミが薄くなる、または消えることが多いです。
    ダウンタイム: 照射部位に薄いかさぶたや点状の赤みが数日~1週間程度出現します。テープ保護が必要な場合があります。
  2. ピコトーニング(Pico Toning)
    目的: 肝斑、肌全体のくすみ、色ムラ、薄いシミ、そばかす、開いた毛穴の改善、肌のトーンアップ。
    特徴: 低出力のレーザーを顔全体にシャワーのように均一に照射します。メラニンを徐々に破壊し、少しずつ排出を促すことで、熱に弱い肝斑の悪化を防ぎながら改善を目指します。コラーゲン生成も促し、肌のハリもアップします。
    ダウンタイム: ほとんどありません。施術後に一時的な赤みが出ることがありますが、数時間~半日程度で落ち着くことがほとんどです。メイクもすぐに可能です。
    施術回数: 1回で劇的な変化を感じることは稀で、継続的な治療(2~4週間に1回のペースで5~10回程度)が必要です。
  3. ピコフラクショナル(Pico Fractional)
    目的: 毛穴の開き、ニキビ跡の凹凸(クレーター)、小じわ、肌のハリ・弾力の改善、肌質全体の若返り。
    特徴: レーザーを点状に細かく照射し、表皮を傷つけずに真皮層に空洞(LIOB:Laser Induced Optical Breakdown)を形成します。このLIOBが肌の自然治癒力を高め、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。
    ダウンタイム: ほとんどありませんが、施術直後に肌が赤くなったり、点状出血(内出血)が生じたりすることがあります。数日~1週間程度で改善します。肌がザラつくような感覚が一時的に続くこともあります。
    施術回数: 3~5回程度で効果を実感し始めることが多いです。

これらのモードは、患者様の肌の状態や悩みに合わせて単独で用いられることもあれば、組み合わせて治療計画が立てられることもあります。例えば、濃いシミにはピコスポット、その後の全体的なトーンアップにはピコトーニング、肌質の改善にはピコフラクショナル、といった具合です。

ピコレーザーのダウンタイムと副作用

ピコレーザーは比較的ダウンタイムが短いとされていますが、施術モードや個人の肌状態によっては、一定の期間、症状が現れることがあります。施術後の経過や注意点を事前に把握し、適切に対処することが重要です。

ピコレーザーのダウンタイム期間

ピコレーザーのダウンタイムは、主に照射モードによって異なります。

  • ピコスポット:
    期間: 施術直後から数日~1週間程度。
    症状: 照射部位に軽い赤みや腫れが生じ、その後、薄いかさぶた(マイクロクラスト)が形成されます。かさぶたは通常、数日~1週間程度で自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと色素沈着のリスクが高まるため、触らないようにしましょう。
    経過: シミが一時的に濃くなったように見えることがありますが、これはかさぶたが形成されている正常な経過です。かさぶたが剥がれると、ピンク色の新しい皮膚が現れます。
  • ピコトーニング:
    期間: ほとんどダウンタイムはありません。
    症状: 施術直後に軽度の赤みやほてりを感じることがありますが、数時間から半日程度で落ち着くことがほとんどです。まれに乾燥やかゆみが生じることもあります。
    経過: 施術後すぐにメイクや洗顔が可能です。
  • ピコフラクショナル:
    期間: 施術直後から数日~1週間程度。
    症状: 施術直後は軽度の赤みや腫れ、ひりつきを感じることがあります。マイクロクラスト(目に見えないほど微細な点状のかさぶた)が形成されるため、肌がザラつくような手触りになることがあります。まれに点状出血(内出血)が生じることもあります。
    経過: 赤みやザラつきは数日で落ち着き、メイクも翌日から可能な場合が多いです。

ダウンタイムの感じ方や期間には個人差があります。特に肌が敏感な方や、照射出力が高い場合は、症状が強く出ることもあります。

ピコレーザーの施術後の経過と注意点

施術後の適切なケアは、ダウンタイムを短縮し、効果を最大化するために非常に重要です。

  1. 冷却: 施術直後は、炎症を抑えるためにアイシングや冷却パックで施術部位を冷やすと良いでしょう。
  2. 保湿: 肌はレーザー照射により乾燥しやすくなります。刺激の少ない保湿剤で、いつも以上に丁寧に保湿を行いましょう。乾燥は色素沈着のリスクを高めます。
  3. 紫外線対策: 施術後の肌は非常にデリケートで、紫外線の影響を受けやすくなっています。日焼け止め(SPF30以上推奨)、帽子、日傘などを活用し、徹底した紫外線対策を心がけてください。特にピコスポット後は、色素沈着を防ぐために非常に重要です。
  4. 摩擦を避ける: 洗顔やメイク、スキンケアの際は、施術部位を強くこすったり、摩擦を与えたりしないように注意しましょう。優しく泡で洗う、ポンポンと軽く押さえるように拭くなど、肌への刺激を最小限に抑えてください。
  5. かさぶたは剥がさない: ピコスポットでできたかさぶたは、無理に剥がすと色素沈着や傷跡の原因になります。自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。
  6. メイク・洗顔: ピコトーニングやピコフラクショナルは施術直後からメイクや洗顔が可能なことが多いですが、ピコスポットの場合はクリニックの指示に従ってください。テープ保護している場合は、テープを貼ったままメイクをしたり、剥がして洗顔・メイク後に貼り直したりする必要があります。
  7. 飲酒・激しい運動・入浴: 施術当日は、血行が促進される行動(飲酒、激しい運動、長時間の入浴など)は避けましょう。これらは赤みや腫れを悪化させる可能性があります。シャワーは可能です。
  8. 刺激のあるスキンケア製品の制限: 施術後しばらくは、ピーリング剤、レチノール、ハイドロキノンなど、肌に刺激を与える可能性のあるスキンケア製品の使用を控えるよう指示されることがあります。クリニックの指示に従いましょう。

不明な点や、不安な症状が現れた場合は、すぐに施術を受けたクリニックに連絡し、指示を仰ぐようにしてください。

ピコレーザーのリスク・失敗例

ピコレーザーは比較的安全な治療法ですが、以下のようなリスクや失敗例もゼロではありません。

  1. 炎症後色素沈着(PIH): レーザー照射による炎症反応が強く出た場合、一時的にシミが濃くなる「炎症後色素沈着」が生じることがあります。特に色の濃いシミや、肌がデリケートな方に起こりやすいとされます。ピコレーザーは従来のレーザーよりもPIHのリスクは低いですが、ゼロではありません。通常は数ヶ月かけて自然に薄れていきますが、適切なアフターケアや追加治療(内服薬や外用薬)が必要となる場合もあります。
  2. 白斑: 極めて稀ですが、メラニン色素が過度に破壊され、皮膚が白く抜けてしまう「白斑」のリスクも報告されています。これは、メラニンを作る細胞(メラノサイト)が損傷を受けることで発生すると考えられています。
  3. やけど: 適切な出力設定が行われない場合や、肌状態の確認が不十分な場合、やけどのリスクがあります。施術中に強い痛みや熱さを感じたら、すぐに伝えることが重要です。
  4. 効果が感じられない、または不十分: シミの種類や深さ、肌質によっては、期待したほど効果が得られない、あるいは複数回の施術が必要となる場合があります。特に薄いシミや肝斑は、1回の施術で劇的に改善することは稀です。
  5. 肝斑の悪化: 肝斑は熱刺激に非常に敏感なシミです。ピコトーニングは肝斑治療に適していますが、出力設定を誤ると、かえって肝斑が悪化するリスクがあります。
  6. 肌の乾燥・かゆみ: レーザー照射によって一時的に肌のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみを感じることがあります。適切な保湿で対処が必要です。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な医師が在籍し、適切な診断と施術計画を立ててくれるクリニックを選ぶことが最も重要です。また、施術前のカウンセリングで、ご自身の肌の状態や既往歴、服用中の薬などを正確に伝えることも大切です。

ピコレーザーの施術回数と効果実感の目安

ピコレーザーによる効果の現れ方や必要な施術回数は、治療の目的、シミの種類や濃さ、肌質、選択するモードによって大きく異なります。

シミ取りに必要なピコレーザーの照射回数

ピコレーザーによるシミ取りは、主にピコスポット照射で行われます。

  • 一般的な老人性色素斑(濃いシミ、ハッキリしたシミ):
    多くの場合は1回の施術で大きな効果を実感できます。
    シミの濃さや深さによっては、2回目の照射が必要となるケースもありますが、従来のレーザーに比べて1回の効果が高い傾向にあります。
    照射後のかさぶたが剥がれ、一時的にピンク色になった後、炎症後色素沈着が生じる可能性もありますが、適切に対処すれば数ヶ月で薄れていきます。
  • そばかす:
    広範囲に散らばるそばかすの場合、1回で全体が薄くなることが期待できます。
    完全に消し去りたい場合や、薄いそばかすにもアプローチしたい場合は、2〜3回程度の施術を推奨されることがあります。
  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):
    真皮の深い部分にあるシミのため、3〜5回程度の施術が必要となることが多いです。
    根気強い治療が求められますが、ピコレーザーはADMに非常に有効な治療法とされています。

シミの種類を正確に診断し、最適な照射回数を提案してもらうためにも、経験豊富な医師によるカウンセリングが不可欠です。

ピコトーニングは何回で効果が出る?

ピコトーニングは、肝斑治療や肌全体のトーンアップ、くすみ改善を目的とした治療で、1回で劇的な変化を感じることは稀です。複数回継続して行うことで、徐々に効果を実感できるようになります。

  • 肝斑:
    5回から10回程度の施術が目安とされています。
    2週間に1回〜1ヶ月に1回のペースで継続して行うことで、徐々に肝斑が薄くなり、肌の色ムラが改善されます。
    肝斑はデリケートなシミのため、治療を中断すると再発する可能性もあります。そのため、改善後もメンテナンスとして定期的な施術を推奨されることがあります。
  • 肌全体のトーンアップ、くすみ、薄いシミ・そばかす:
    3回から5回程度の施術で、肌の明るさや透明感の変化を感じ始める方が多いです。
    毛穴の引き締めや肌のハリ改善といった効果は、さらに継続することでより実感しやすくなります。
  • ニキビ跡の色素沈着:
    5回以上の施術が必要となることが多いです。赤みのあるニキビ跡には効果が限定的ですが、茶色い色素沈着には有効です。

ピコトーニングは、メラニンを穏やかに排出させる治療のため、効果の実感には時間がかかりますが、その分ダウンタイムがほとんどなく、肌への負担も少ないのがメリットです。根気強く治療を続けることが、理想の肌へと近づく鍵となります。

ピコレーザーの料金相場と費用について

ピコレーザーの料金は、施術部位、照射モード、クリニックの方針、回数券の有無などによって大きく異なります。ここでは一般的な料金相場と、費用を比較する際のポイントについて解説します。

ピコレーザーの施術費用

ピコレーザーの施術は自由診療となるため、保険適用外です。そのため、クリニックごとに料金設定が異なります。

一般的な1回あたりの料金相場は以下の通りです。

  • ピコスポット(シミ取り):
    小さいシミ(数mm): 1個あたり 5,000円〜10,000円程度
    大きいシミ(1cm以上): 1個あたり 10,000円〜30,000円程度
    顔全体(シミ取り放題など): 50,000円〜150,000円程度(クリニックによって範囲や個数制限が異なる)
  • ピコトーニング(全顔1回あたり):
    お試し/初回価格: 8,000円〜20,000円程度
    通常価格: 10,000円〜30,000円程度
    回数券(5回セットなど): 40,000円〜120,000円程度(1回あたりの単価が安くなることが多い)
  • ピコフラクショナル(全顔1回あたり):
    お試し/初回価格: 10,000円〜25,000円程度
    通常価格: 15,000円〜40,000円程度
    回数券(3回セットなど): 40,000円〜100,000円程度

注意点:
上記の料金はあくまで目安です。これに加えて、初診料・再診料、麻酔クリーム代、アフターケアの軟膏代などが別途かかる場合があります。事前に総額でいくらになるのかを確認することが大切です。

ピコレーザーの料金比較(部位別・施術別)

複数のクリニックを比較検討する際は、以下の点をチェックしましょう。

比較項目 詳細
部位別料金 ・全顔、頬のみ、首など、施術範囲によって料金が異なる場合があります。
・スポットの場合、シミの大きさや数で料金が変わることもあります。
施術別料金 ・ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルでそれぞれ料金が設定されています。
・複数のモードを組み合わせるプランがある場合もあります。
回数券/コース料金 ・複数回まとめて契約すると、1回あたりの単価が割引されることが多いです。
・長期的な治療を見越して検討すると良いでしょう。
キャンペーン/初回限定 ・初めての方限定のお試し価格や、期間限定のキャンペーンを実施しているクリニックもあります。
・お得に体験できるチャンスですが、その後の通常料金も確認しましょう。
追加費用 ・初診料、再診料、カウンセリング料、麻酔クリーム代、処方薬代、テープ代などが別途かかるか確認しましょう。
・これらを含めた総額で比較することが重要です。
アフターケア ・施術後の診察やケアが料金に含まれているか、別途料金がかかるかを確認しましょう。
・安心して治療を受けるために重要なポイントです。

料金比較の例(あくまで架空の例であり、実際の料金はクリニックによって異なります)

クリニック名 施術プラン 料金(初回) 料金(通常1回) 5回コース料金 その他費用(例)
Aクリニック ピコトーニング全顔 9,800円 15,000円 65,000円 初診料3,300円、再診料1,100円
Bクリニック ピコトーニング全顔 12,000円(麻酔込) 18,000円 75,000円 追加費用なし
Cクリニック ピコスポット(5mm以下) 5,500円/個 5,500円/個 なし 診察料無料、テープ代500円
Dクリニック ピコスポット(取り放題) 88,000円 88,000円 なし アフターケア代込
Eクリニック ピコフラクショナル全顔 15,000円 25,000円 100,000円 麻酔代2,000円

料金だけでクリニックを選ぶのではなく、医師の経験やカウンセリングの質、アフターケア体制なども総合的に判断することが大切です。いくつかのクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することをおすすめします。

ピコレーザーに関するよくある質問

ピコレーザー治療を検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。

ピコレーザーは何回くらいするとシミが消えますか?

シミの種類によって異なります。

  • 濃くハッキリとした老人性色素斑やそばかす: ピコスポット照射の場合、1回で大きく改善したり、目立たなくなることが多いです。ただし、シミの深さや濃さによっては2回目が必要となることもあります。
  • 薄いシミや広範囲に広がる薄いそばかす、くすみ: ピコトーニングの場合、1回で劇的な変化は期待できません。肌全体のトーンアップやくすみ改善は3~5回、薄いシミの改善には5回以上の継続的な施術で効果を実感しやすくなります。
  • 肝斑: 熱刺激に弱い肝斑は、ピコトーニングで5~10回以上の継続的な治療が必要です。完全に消えるというよりは、目立たなくする、コントロールするというイメージです。
  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス): 真皮の深い部分にあるアザのようなシミのため、3~5回程度の治療回数が必要となることが多いです。

シミの種類や肌の状態は個人差が大きいため、医師による正確な診断のもと、適切な治療計画を立ててもらうことが重要です。

ピコレーザーの相場はいくらですか?

ピコレーザーの料金相場は、施術の内容や範囲、クリニックによって大きく異なります。

  • ピコスポット(シミ取り): 小さなシミ1個あたり5,000円~10,000円程度、顔全体のシミ取り放題では50,000円~150,000円程度が目安です。
  • ピコトーニング(全顔1回): 初回お試しで8,000円~20,000円、通常価格で10,000円~30,000円程度です。
  • ピコフラクショナル(全顔1回): 初回お試しで10,000円~25,000円、通常価格で15,000円~40,000円程度です。

これに加えて、初診料・再診料、麻酔代、アフターケアの薬代などが別途かかる場合があるので、カウンセリング時に総額費用を確認することが大切です。複数回コースで購入すると、1回あたりの単価が安くなる傾向にあります。

ピコレーザーで肌は綺麗になりますか?

はい、ピコレーザーは様々な肌悩みに対応し、肌を総合的に美しくする効果が期待できます。

  • シミ・そばかす・くすみの改善: メラニン色素を破壊し排出することで、肌のトーンが明るくなり、透明感が増します。
  • 肝斑の改善: 適切な出力でのトーニングにより、熱刺激を抑えながら肝斑を薄くし、色ムラを解消します。
  • 毛穴の引き締め: ピコトーニングやピコフラクショナルは、コラーゲン生成を促進することで、開いた毛穴を目立たなくする効果があります。
  • 肌のハリ・弾力アップ: 真皮層への刺激によりコラーゲンやエラスチンの生成が促され、肌全体のハリや弾力が高まり、小じわの改善にもつながります。
  • ニキビ跡の改善: 特に凹凸のあるクレーター状のニキビ跡や、色素沈着を起こしたニキビ跡にピコフラクショナルが有効です。

ただし、効果には個人差があり、肌状態や目指すゴールによっては複数回の施術が必要となります。

シミ取りとピコレーザーの違いは何ですか?

「シミ取り」は肌からシミを除去する行為全般を指す言葉であり、「ピコレーザー」はそのシミ取りを行うための治療機器・技術の名称です。

シミ取りの方法には、ピコレーザー以外にも以下のようなものがあります。

  • Qスイッチレーザー: 従来の主流だったナノ秒単位のレーザー。濃いシミに有効ですが、ダウンタイムが長く、炎症後色素沈着のリスクもやや高いとされます。
  • フォトフェイシャル(IPL): 広範囲の光を照射する光治療。薄いシミや全体的なトーンアップ、赤みなどに有効です。
  • ケミカルピーリング: 酸性の薬剤で肌の表面を剥離し、ターンオーバーを促進する方法。
  • 外用薬・内服薬: ハイドロキノンやトレチノイン、トラネキサム酸などの薬剤を使用する方法。
  • 炭酸ガスレーザー: 盛り上がったシミ(脂漏性角化症など)を削り取るように除去する方法。

このように、シミ取りには様々なアプローチがありますが、ピコレーザーは最新の技術であり、ダウンタイムが短く、幅広い種類のシミに対応できる点が特長です。

ピコレーザー機器はどのようなものがありますか?

主要なピコレーザー機器は以下の通りです。

  • ピコシュア (PicoSure): 755nmの波長を使用し、メラニンへの吸光度が高く、特にシミ・そばかす・くすみなどの色素性病変に高い効果を発揮します。熱発生が少ないため、炎症後色素沈着のリスクを抑えたい場合に選ばれることが多いです。
  • ピコウェイ (PicoWay): 532nm、785nm、1064nmの複数の波長を持つため、表在性のシミから深層のシミ、アザ、多色のタトゥーまで幅広い色素に対応できます。高速照射も可能です。
  • エンライトン (Enlighten): 532nmと1064nmの波長を持ち、ピコ秒とナノ秒の両モードで照射できるのが特長です。これにより、様々な肌状態や色素に合わせたきめ細やかな治療が可能です。特にタトゥー除去に強みがあります。

これらの機器は、それぞれ得意とする治療や波長が異なります。クリニックでは、患者様の肌質やシミの種類、深さ、希望する効果などに応じて、最適な機器を選定し、適切な照射モード(ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナル)を使い分けて治療を行います。

まとめ:ピコレーザーで理想の肌へ

ピコレーザーは、シミ、そばかす、肝斑、くすみ、毛穴の開き、ニキビ跡など、多くの肌悩みに対応できる画期的なレーザー治療です。従来のレーザーに比べ、超短時間照射による「光音響効果」でメラニン色素を微細に破壊するため、熱ダメージが少なく、ダウンタイムや炎症後色素沈着のリスクが大幅に軽減されるという大きなメリットがあります。

また、ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルの3つの照射モードを使い分けることで、濃いシミのピンポイント除去から、顔全体のトーンアップ、肌質改善、毛穴・ニキビ跡の治療まで、幅広いニーズに応えることが可能です。

理想の肌を手に入れるためには、ご自身の肌状態や悩みを正確に診断し、最適な治療計画を立ててくれるクリニック選びが非常に重要です。複数のクリニックでカウンセリングを受け、医師の経験や説明の丁寧さ、アフターケア体制、料金体系などを総合的に比較検討しましょう。

気になる肌悩みがある方は、ぜひ一度、ピコレーザーを取り扱っているクリニックの無料カウンセリングを受けてみてください。専門医と相談することで、あなたに合った最適な美肌への一歩を踏み出すことができるでしょう。

【免責事項】
この記事で提供している情報は一般的なものであり、個々の症状や状態に適用されるものではありません。レーザー治療には個人差があり、全ての方に同様の効果や経過を保証するものではありません。治療を受ける際は、必ず医師の診断を受け、十分な説明を聞いた上で、ご自身の責任と判断において決定してください。この記事の情報のみに基づいて治療の判断を行うことはお控えください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

ご予約・お問い合わせは
こちらから

Webからの
ご予約・お問い合わせ

24時間ご予約受付が可能です。当院WEB予約担当より返信が届き次第受付完了となります。
なお24時間以内に返信がない場合、メールがブロックされている場合がありますので、当院電話受付までお電話ください。

お電話での
ご予約・お問い合わせ

ご予約希望日の前日の夜、もしくは当日などお急ぎの場合は、必ずお電話よりご予約ください。

お知らせ

新宿院 東京院 渋谷院 上野院 池袋院 大宮院
お電話での
ご予約はこちら
1分で入力完了
簡単Web予約