プラセンタ注射に期待できる3つの効果とは?施術頻度や保険適用の条件、副作用も解説
- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「プラセンタ注射は更年期障害に効き目がある?」
「いつから効果を実感できるの?」
といった疑問を抱いてはいませんか。
プラセンタ注射はヒトの胎盤から抽出した成長因子やさまざまな栄養素を注入することで、健康へと導く治療法です。更年期障害や自律神経失調症、しわ改善、白髪の減少などに対する効果が期待できます。
今回はプラセンタ注射の効果や施術頻度、保険適用の条件、副作用について紹介します。プラセンタ注射の利用を検討している方は、ぜひご一読ください。
目次
プラセンタ注射とは?皮下注射などで豊富な栄養素を注入する施術
プラセンタとは、「胎盤」を意味する言葉です。胎盤そのものを注入するのではなく、胎盤から抽出される栄養素を注入する注射です。
プラセンタ注射に含まれる栄養素には以下のものがあります。
- 成長因子
- アミノ酸
- ミネラル
- ビタミン
- たんぱく質
- 酵素
など
加齢によって不足する栄養素を補い、新たな細胞増殖が促されるので、全身の健康状態が改善されます。
プラセンタ注射では馬や豚などから抽出される動物由来の成分ではなく、ヒト由来の成分が使用されます。
注射方法は上腕外側やお尻に対する皮下注射、あるいは筋肉注射の2パターンです。
プラセンタ注射はメルスモンとラエンネックの2種類
プラセンタ注射薬には、「メルスモン」と「ラエンネック」があります。いずれも厚生労働省に医薬品として認可を受けている注射薬です。
それぞれの違いは次の通りです。
メルスモン | ラエンネック | |
---|---|---|
メーカー | メルスモン製薬 | 日本生物製剤 |
製法 | 加水分解法 | 分子分画法 |
治療の目的 | ・更年期障害 ・乳汁分泌不全 |
慢性肝疾患の肝機能改善 |
原料 | ヒトの胎盤から抽出される成分のみ | ヒトの胎盤から抽出される成分のほか、臍帯や羊膜も使用 |
おすすめな人 | ・お肌の代謝を促進したい人 ・シミを改善したい人 ・ホルモンバランスの乱れで悩んでいる人 ・疲れやすい人 |
・お酒をよく飲む人 ・肝臓の調子が悪い人 |
メルスモンは更年期障害や乳汁分泌不全の治療薬として開発された薬で、ほてりやのぼ、イライラなどの更年期紹介を改善する効果が期待できます。
一方、ラエンネックは肝機能障害の治療薬として開発された薬で、肝細胞増殖因子(HGF)を活発化させ、肝機能を回復させる作用があります。
どちらのプラセンタ製剤を選ぶかは目的によって判断するのがポイントです。
お肌の代謝を促進させたい、シミを改善させたい、疲れやすい方はメルスモンが向いています。それに対して、お酒を飲むことの多い方には肝機能を回復させるラエンネックが適しています。
プラセンタ注射で期待できる効果
プラセンタ注射で期待できる効果には、次の3つが挙げられます。
- 更年期障害が原因の自律神経失調症や肩こりなどの改善
- ニキビやシミ、しわの改善
- 白髪の減少
プラセンタ注射で効果を感じられるまでの期間には個人差があるので、投与を継続して経過を見るのが大切です。
ここでは、プラセンタ注射の効果や効果を実感できるまでの期間の目安について解説します。
効果①更年期障害による自律神経失調症や肩こりなどを改善
プラセンタ注射に含まれる豊富な栄養素によって、組織や新陳代謝が活発になり、さまざまな健康作用をもたらします。
- 自律神経失調症
- 肩こり
- 頭痛
- 不安神経症
- うつ病
- パニック障害
- 更年期障害
- 冷え性
- 生理不順
- 疲労回復
- 肝機能障害
女性の場合、40~50代に差しかかると更年期障害の症状に悩まされやすく、発汗や不眠をはじめ全身に症状が現れやすいです。
プラセンタ注射を受けることで、人間が本来持つ自己治癒力が高められ、自律神経失調症など更年期障害の症状を改善することができます。
効果②ニキビやシミ、しわなどの美肌効果
プラセンタは体内で起きている炎症反応をしずめる抗アレルギー・抗炎症作用があります。
皮膚の炎症を抑えて組織の修復を促進するので、肌をきれいな状態に近づけることが可能です。ニキビやアトピー、赤み、かゆみといった症状を緩和し美肌へと導きます。
そのほか、プラセンタは次のような皮膚疾患や症状に対して有効です。
- じんましん
- 湿疹
- 乾燥肌
- 肌荒れ
- 乾燥肌
など
さらに、基礎代謝を向上させる作用によって、皮膚の再生サイクルが早まるため、みずみずしい肌へと導く美肌効果が期待でききます。
効果③白髪の減少
プラセンタ注射を打ち続けたところ、白髪の減少が見られたケースも確認されています。
半年から数年にわたって週1回のペースで治療を受けていたところ、白髪ではなく黒髪が生えたケースもあります。
またプラセンタ注射によって髪が新たに生えてきたケースもありますが、個人差が大きいため、育毛に効果を示すとは断言できません。
プラセンタ注射は効果ない?量や回数の調整が大切
プラセンタ注射の効果が実感できないときは、投与量や回数を調整すれば、効果が現れる場合があります。
プラセンタ注射の1回当たりの投与量は1~10A(アンプル)で、平均は2~5Aです。頻度は1週間~2週間に一度のペースが平均です。
疾患や症状の程度によって適した回数は異なります。なお、更年期障害や乳汁分泌不全、肝機能障害の改善を目的として注射する際は、基本的に1回1Aまでと決められています。
プラセンタ注射は効果が出るまでどのくらいかかる?
プラセンタ注射は、およそ2~3回の治療で効果を実感しやすいです。
はじめてプラセンタ注射を打った人でも、翌日から美肌効果を得られるケースも少なくありません。
個人差はありますが、一度のプラセンタ注射による効果の持続期間は2~3日程度です。
注射の回数を重ねるごとに効果を実感しやすくなり、はじめはあまり効果が実感できなくても徐々に肌の調子がよくなったり、冷え性が改善されたりといった効果が期待できます。
一度や二度で効果が出なかったからといって投与をやめてしまうのではなく、継続することが大切です。
プラセンタ注射にデメリットはある?施術の副作用・リスク
プラセンタ注射による主な副作用・リスクは、次の2つです。
- 注射による一時的な痛み
- 献血ができなくなる
ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
副作用①注射による一時的な痛み
プラセンタ注射では針を刺した部位に痛みが生じたり、注射部位の周囲に青あざできたりすることがあります。
しかし、痛みや青あざの跡は数日でおさまることがほとんどです。
また、プラセンタ製剤のラエンネックは酸性度がメルスモンと比べてたいため、注射時に痛みを感じやすいです。一方、メルスモンは「ベンジルアルコール」という痛み止めの成分が含まれているため、ラエンネックと比べて痛みが少ないといった特徴があります。
痛みが不安な方はメルスモンを検討しましょう。
副作用②献血ができなくなる・ホルモン治療の効果が低減する
プラセンタ注射をすると献血ができなくなるのがデメリットです。
プラセンタはヒト由来の臓器から生成された薬剤で、プラセンタ注射を受けた方の献血は厚生労働省によって禁止されています。
また、プラセンタ注射はホルモンバランスを調整するため、ホルモン治療の効果を弱めるリスクがあります。
プラセンタ注射で太る?成長因子で新陳代謝が活発になる
「プラセンタ注射をすると太る」という噂を耳にしたことがある方もいるかと思います。
プラセンタ注射が直接的な原因で太るとは考えられません。
しかし、プラセンタ注射に含まれる成長因子は新陳代謝を活発にするため、体がエネルギーを多く消費するようになり、空腹感を高める高めることがあります。
その際に、暴飲暴食で過剰にカロリーを摂取してしまうと体重増加につながります。
一方、活発な新陳代謝は効率の良いエネルギー消費をもたらしやすいため、食事内容を変えなければ逆にダイエット効果を期待することが可能です。
プラセンタ注射が保険適用になる条件
プラセンタ注射は治療する疾患の種類によって、保険適用になるかどうか異なります。
保険適用の範囲は限られており、厚生労働省が認可した疾患以外は保険適用を受けられません。具体的には次の疾患に該当すれば、保険の適用が受けられます。
- 更年期障害(適用年齢:おおむね45~59歳)
- 乳汁分泌不全
- 慢性肝疾患による肝機能障害
更年期障害では、保険適用年齢が定められているのでご注意ください。
プラセンタ注射の打ち方|上腕外側かお尻に注射する
プラセンタ注射をどこに打つのか、打ち方と注意点をまとめました。
皮下注射 | 筋肉注射 | 静脈注射 | |
---|---|---|---|
吸収速度 | 遅い | 中程度 | 早い |
注射部位 | ・上腕外側 ・お腹 ・お尻 |
肩やお尻の筋肉 | 腕の血管 |
注意点 | ゆっくり吸収させるため注射後には揉まない方が良い | しこりが発生したら揉んだ方が良い場合もある | 注射後数分間は、注射部位を圧迫して止血する |
血液に直接打ち込む「静脈注射」は薬剤の吸収が早い反面、効果がすぐに切れやすいです。
それに対して、筋肉注射や皮下注射は緩やかに体内へ行き渡るので、薬の効果を持続させやすくなります。
プラセンタ注射の打ちすぎは危険?適した施術頻度と期間
プラセンタは1A(アンプル)の単位で注射するため、打ちすぎることは基本的にありません。
若い方や健康な方の場合、打つ頻度は週に1回か、あるいは気になる症状があるときだけに打つようにしましょう。例えば、疲れがたまっているときや化粧のりが悪いときなどです。
症状ごとのプラセンタ注射を打つ頻度や期間は次の通りです。
疾患名 | 通院頻度 | 通院期間 |
---|---|---|
肝炎 | 週3~4回が目安 | 1年 |
更年期障害 | 週1~2回 | 3ヵ月 |
アトピー性皮膚炎 | 週2~4回 | 3ヵ月~半年 |
生理痛、生理不順 | 週1~2回 | 3ヵ月 |
肌荒れ | 週1~2回 | 1~2ヵ月 |
頭痛、肩こり等 | 週1~2回 | 1~2ヵ月 |
自律神経失調症 | 週1~2回 | 1~2ヵ月 |
頻度は医師の指示に従って決めることも大切です。
プラセンタ注射に関するよくある質問
プラセンタ注射に関するよくある質問に対する回答をまとめました。
治療を途中でやめた場合や妊娠中の施術は可能かなど、気になる疑問に答えています。
アメリカではプラセンタ注射が禁止されているって本当ですか?
アメリカではプラセンタ注射を打つことはできません。
感染症など副作用リスクがあるためです。そのほか、製造工程に問題があり製造禁止に至ったという見解もあります。
アメリカでは禁止されているからといって、プラセンタ注射が危険とは言えないでしょう。
実際にプラセンタが開発されてから50年以上の期間、感染症の発症が確認されたケースはありません。
プラセンタ注射はやめたらどうなりますか?
プラセンタ注射をやめると、エイジングケア効果を徐々に感じられなくなります。
プラセンタ注射が効果を示していた分、疲れやすさや体調の悪化を実感する場合もあります。
途中で投与を中断しても大きなデメリットが生じるわけではありません。状態を見ながら、継続するかやめるか医師と相談することが大切です。
プラセンタ注射は妊娠中にも行ってよいですか?
妊娠中に注射を打ったり、施術期間中に妊娠が発覚したりしても特に問題はありません。
プラセンタ注射は不妊症や乳汁分泌不全の治療に使われるケースもあり、授乳中でも注射を受けられます。
また、妊娠中にもプラセンタ注射を継続しなければいけないというわけではないため、どうしても不安な方は注射を一時中断するのも選択肢の一つです。
まとめ:男性・女性問わずエイジングケアにはプラセンタ注射を
アミノ酸やビタミンなど豊富な栄養素を注入するプラセンタ注射は、男女問わずエイジングケアに推奨できます。
プラセンタ注射は次のような悩みを持っている方におすすめです。
- 更年期障害
- 自律神経失調症
- 肝機能の低下
- ニキビやしわ
- 白髪
プラセンタ注射は早ければ、注射した翌日から効果を実感できます。疲労改善・エイジングケア効果を得たい方は、プラセンタ注射をご検討ください。