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辛い動悸はストレス?精神疾患の原因・症状・対処法・病院に行く目安も解説

「なぜか急に心臓がドキドキする」「脈が速くなる感じがする」――そんな動悸に悩まされていませんか?もしかすると、その原因は日常に潜む「ストレス」かもしれません。心臓の病気ではないのに動悸が起こる場合、自律神経の乱れが関係していることが多く、その引き金となるのがストレスです。この記事では、ストレスがどのように動悸を引き起こすのか、具体的な症状、そしてつらい動悸を和らげるための対処法を詳しく解説します。また、動悸の裏に隠れているかもしれない他の病気や、病院に行くべき目安についても触れています。あなたの動悸の正体を探り、健やかな日々を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

ストレスが動悸を引き起こすメカニズム

私たちは、日常生活の中で様々なストレスにさらされています。仕事や人間関係の悩み、疲労、睡眠不足、あるいは気温の変化や騒音といった物理的なものまで、ストレスの原因は多岐にわたります。これらのストレスは、私たちの心だけでなく、体にも大きな影響を与えます。特に心臓や血管の働きを調整している自律神経は、ストレスの影響を受けやすいことが知られています。

自律神経の乱れと動悸

自律神経は、私たちの意識とは関係なく、体の様々な機能を調整している神経です。心臓の拍動、呼吸、体温調節、消化、血圧など、生命を維持するために欠かせない働きを担っています。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という二つの種類があり、それぞれが異なる役割を持っています。

交感神経・副交感神経の働き

交感神経は、体が活動的になる時に優位になる神経です。例えば、運動する時や危険を感じた時など、「戦うか逃げるか」といった状況で心拍数を増やし、血圧を上げ、筋肉に血液を送るなど、体を活動モードに切り替えます。心臓に対しては、拍動を速くし、収縮力を高める作用があります。

一方、副交感神経は、体がリラックスしている時や休息している時に優位になる神経です。心拍数を落ち着かせ、血圧を下げ、消化吸収を促すなど、体を休息・回復モードに切り替えます。心臓に対しては、拍動をゆっくりにする作用があります。

健康な状態では、これら二つの自律神経がバランスを取りながら働いています。しかし、慢性的なストレスにさらされると、交感神経が優位な状態が続きやすくなります。これは、体が常に緊張状態にあるようなものです。交感神経が過剰に働き続けることで、心臓は必要以上に速く、強く拍動するようになります。これが、ストレスによる動悸の主なメカニズムです。つまり、ストレスが自律神経のバランスを崩し、心臓の拍動リズムに影響を与えることで、動悸として感じられるのです。

ストレス性動悸の具体的な症状とは

ストレスが原因で起こる動悸は、心臓の病気が原因の場合とは異なり、様々な症状の現れ方をします。しかし、ご本人にとっては不安を感じさせる症状であることに変わりはありません。ここでは、ストレス性動悸によく見られる具体的な症状について詳しく見ていきましょう。

どんな感じ?脈の速さ・リズム

ストレス性動悸の典型的な症状は、「心臓がドキドキする」「胸がザワザワする」「心臓が飛び出しそう」といった表現で感じられることが多いです。脈拍は速くなることが多く、通常よりも明らかに拍動が速いと感じられます。ただし、脈のリズム自体は比較的整っている場合が多いのが特徴です。不規則な脈(不整脈)を感じる場合もありますが、多くの場合は一時的なもので、持続的な不整脈とは異なります。

脈拍の速さは人によって感じ方が異なりますが、安静時なのに1分間に100回を超えるような頻脈(ひんみゃく)を感じることもあります。動悸が起きている最中に自分で手首などで脈を測ってみると、普段よりも速い拍動が確認できることがあります。

ストレスが原因で生じる心臓の違和感としては、動悸や息切れ、めまいの他に、安静時に痛みが出たり、ズキズキ、チクチクといった痛みを感じたり、痛みが長時間持続したりすることもあります。また、不安感や不眠といった症状を伴うことも多いとされています[[ストレスが原因で生じる心臓の違和感について](https://www.cvi.or.jp/9d/216/)]。

一日中動悸が続く場合

ストレス性動悸は、特定の状況で突発的に起こることもありますが、一日中、なんとなく胸がソワソワする、常に心臓の拍動が意識される、といった形で持続することもあります。特に、仕事で忙しい日や、悩み事が頭から離れない日など、心身に負担がかかっている時には、朝起きてから夜寝るまで、ずっと動悸を感じるという方もいらっしゃいます。

このような持続的な動悸は、慢性的なストレスや緊張状態が続いているサインかもしれません。体がリラックスできず、交感神経が過剰に活動し続けている状態と考えられます。一日中動悸が続くと、それ自体が新たなストレスとなり、さらに症状を悪化させる悪循環に陥ることもあります。

寝ようとすると動悸がする場合

ベッドに入ってリラックスしようとした時や、眠りにつく直前、あるいは夜中に目が覚めた時に急に動悸が始まる、という経験をする方もいます。日中は気が紛れていたり、活動しているために感じにくかった動悸が、静かになり自分の体と向き合う時間が増える夜間に強く意識されるようになるのかもしれません。

また、寝る前に不安や悩み事を考えてしまうことで、脳が覚醒し、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になることも原因として考えられます。これにより心拍数が上がり、動悸として感じられるのです。寝ようとして動悸が起きると、「また動悸が起きたらどうしよう」という不安が募り、さらに眠れなくなるという悪循環を引き起こしやすいです。

息苦しさを伴う動悸

動悸とともに、「息がうまく吸えない」「呼吸が浅くなる」「喉が詰まる感じがする」といった息苦しさを感じることがあります。これは、ストレスや不安によって呼吸が速く浅くなったり(過呼吸気味になる)、胸の筋肉が緊張したりすることが原因として考えられます。

息苦しさを伴う動悸は、パニック発作の一症状として現れることもあります。パニック発作では、動悸、息苦しさ、めまい、手足のしびれ、震え、発汗、胸の痛み、吐き気など、様々な身体症状が突然起こり、「このまま死んでしまうのではないか」といった強い恐怖感を伴います。ストレスや過労がパニック発作の引き金となることも少なくありません。息苦しさを伴う動悸は、特に強い不安を伴いやすいため、症状が頻繁に現れる場合は専門家への相談を検討することが重要です。

これらの症状は、ストレス性動悸でよく見られるものですが、症状の感じ方や現れ方には個人差があります。また、これらの症状が必ずしもストレスだけによるものとは限らない点も重要ですし、動悸や息切れ、めまいといった症状は狭心症や心筋梗塞でも出現することがあるため注意が必要です[[ストレスが原因で生じる心臓の違和感について](https://www.cvi.or.jp/9d/216/)]。後述するように、他の病気が原因で動悸が起こることもありますので、自己判断だけでなく、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。

ストレス性動悸を落ち着かせる対処法

ストレスによる動悸は、心臓病が原因の動悸のように生命に直接的な危険を及ぼすことは少ないですが、不快で不安を伴う症状です。動悸が起きたその場でできる即効性のある対処法と、日頃からストレスを軽減するための対策を知っておくことで、症状を和らげ、快適な日常生活を送ることにつながります。

動悸が起きた時の即効性のある対応

動悸が急に始まった時、多くの方は強い不安を感じると思います。しかし、「これはストレスのせいかもしれない」と冷静に受け止めるだけでも、不安が少し和らぐことがあります。そして、その場でできるいくつかの対処法を試してみましょう。

ゆっくり深呼吸をする

動悸を感じている時は、呼吸が浅く速くなっていることが多いです。意識的にゆっくりと深い呼吸をすることで、副交感神経を優位にし、高ぶった交感神経の働きを抑える効果が期待できます。

  • 楽な姿勢で座るか横になります。
  • 鼻からゆっくりと息を吸い込みます。この時、お腹が膨らむのを意識しましょう(腹式呼吸)。
  • 吸う時の倍くらいの時間をかけて、口からゆっくりと息を吐き出します。
  • これを数回繰り返します。

深くゆっくりとした呼吸は、心拍数を落ち着かせ、体の緊張を和らげるのに役立ちます。特に、息を長く吐くことを意識すると、副交感神経が働きやすくなります。

体をリラックスさせる

体の緊張をほぐすことも、動悸を落ち着かせるのに有効です。

  • 姿勢を正す: 猫背など体の歪みは自律神経の乱れにつながることがあります。背筋を伸ばし、リラックスできる姿勢をとりましょう。
  • 首や肩のストレッチ: ストレスがあると首や肩に力が入りやすくなります。ゆっくりと首を回したり、肩を上げ下げして力を抜いたりすることで、体の緊張を和らげます。
  • 温かい飲み物を飲む: カフェインの含まれていないハーブティーや白湯などをゆっくり飲むと、体が温まりリラックス効果が得られます。
  • 軽いマッサージ: こめかみや首の後ろなどを優しくマッサージするのも効果的です。
  • 意識をそらす: 動悸ばかりに意識を集中すると、かえって不安が増してしまいます。好きな音楽を聴いたり、簡単な計算をしたり、窓の外の景色を眺めたりするなど、意識を別のことに向けてみましょう。

これらの即効性のある対処法は、動悸が起きた時に慌てず、冷静に対応するためのツールとなります。繰り返し練習することで、効果を実感しやすくなるでしょう。

日常生活でできるストレス対策

動悸の根本的な原因であるストレスを軽減するためには、日頃からの対策が重要です。日常生活でストレスと上手に付き合うための方法を取り入れてみましょう。

食事や睡眠の見直し

心身の健康の基本は、バランスの取れた食事と十分な睡眠です。

  • 食事: 規則正しい時間にバランスの取れた食事を心がけましょう。特に、ビタミンB群やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルは、神経の働きに関わるため、積極的に摂りたい栄養素です。逆に、カフェインやアルコールの過剰摂取は、自律神経を刺激し、動悸を悪化させる可能性があるため控えめにしましょう。
  • 睡眠: 十分な睡眠時間を確保し、質の良い睡眠をとることが重要です。寝る前にカフェインを摂らない、寝る直前のスマートフォンの使用を控える、寝室の環境を整えるなど、質の高い睡眠のための工夫をしましょう。睡眠不足は心身のストレスを増大させ、自律神経の乱れを招きやすい状態を作ります。

適度な運動

定期的な運動は、ストレス解消に非常に効果的です。運動することで、ストレスホルモンの分泌が抑制され、気分を安定させる効果のあるセロトニンなどの神経伝達物質が分泌されます。

  • 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、軽く息が弾む程度の有酸素運動は、ストレス解消や自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。毎日少しずつでも続けることが大切です。
  • ストレッチやヨガ: 体の緊張をほぐし、リラックス効果を高めることができます。ゆっくりとした動きと呼吸を組み合わせることで、心身ともに落ち着かせることができます。

激しい運動である必要はありません。自分が心地よいと感じる運動を継続することが大切です。運動することで血行も良くなり、全身の健康にもつながります。

その他にも、趣味やリラックスできる時間を確保する、親しい友人や家族と話す、アロマテラピーや半身浴を取り入れるなど、自分なりのストレス解消法を見つけて実践することも大切です。ストレスを「溜め込まない」ことを意識して、心身を労わる時間を作りましょう。

動悸の原因はストレスだけではない?

動悸は、ストレスや自律神経の乱れだけでなく、様々な原因で引き起こされる可能性があります。特に、これまで経験したことのない強い動悸や、他の症状を伴う場合は、注意が必要です。ここでは、ストレス以外の動悸の主な原因について説明します。

不安やこころの病気との関連

前述のパニック発作のように、不安症やうつ病といったこころの病気が動悸の原因となることがあります。これらの病気では、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで、自律神経の働きに影響が出たり、心理的な要因から身体症状として動悸が現れたりします。

  • パニック症(パニック障害): 突然強い不安や恐怖に襲われ、動悸、息苦しさ、めまい、発汗などの身体症状を伴います。
  • 全般性不安症: 特定の状況だけでなく、様々なことに対して慢性的な不安を感じ、動悸、頭痛、肩こり、不眠などの症状が現れます。
  • うつ病: 気分の落ち込みだけでなく、動悸、倦怠感、食欲不振、睡眠障害などの身体症状を伴うことがあります。

これらの病気が疑われる場合は、精神科や心療内科といった専門医の診察を受けることが重要です。適切な診断と治療(薬物療法や精神療法など)によって、動悸を含む症状の改善が期待できます。

甲状腺の病気など内科的疾患

甲状腺は、体の代謝を調節するホルモンを分泌する臓器です。甲状腺の機能に異常があると、動悸を引き起こすことがあります。

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など): 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。全身の代謝が活発になりすぎるため、心拍数が増加し、動悸、手の震え、多汗、体重減少、眼球突出などの症状が現れます。
  • 甲状腺機能低下症: 甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気ですが、治療によって機能が正常に戻る過程で一時的に動悸を感じることがあります。

その他にも、貧血、不整脈、心臓弁膜症、心筋症などの心臓そのものの病気、高血圧、低血圧、肺の病気、更年期障害、副腎の病気、脱水なども動悸の原因となる可能性があります。

女性は更年期にも注意

女性の場合、40代後半から50代にかけて訪れる更年期も動悸の原因となることがあります。更年期には女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変動し、これに伴って自律神経のバランスが乱れやすくなります。ホットフラッシュ(ほてり)、発汗、めまい、イライラ、不眠などとともに、動悸も更年期に起こりやすい症状の一つです。

更年期による動悸は、ホルモン補充療法や漢方薬などで症状が緩和されることがあります。つらい場合は、婦人科に相談してみることをお勧めします。

飲食物の影響

普段口にする飲食物の中にも、動悸を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。

  • カフェイン: コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、中枢神経や心臓を刺激し、心拍数を増加させる作用があります。カフェインに敏感な方や、大量に摂取した場合に動悸を感じやすくなります。
  • アルコール: アルコールは血管を拡張させ、心臓に負担をかけることがあります。特に飲酒後に動悸を感じる方は注意が必要です。
  • 香辛料: 唐辛子などの刺激の強い香辛料も、交感神経を刺激することがあります。
  • 特定のサプリメントや健康食品: 中には心臓に影響を与える成分が含まれているものもあります。使用しているサプリメントなどがある場合は、医師に相談してみましょう。

このように、動悸の原因はストレス以外にも多岐にわたります。原因を特定するためには、自己判断せず、必要に応じて医療機関を受診することが非常に重要です。特に、動悸や息切れ、めまいといった症状は、狭心症や心筋梗塞など、心臓の病気でも現れることがあるため、症状が気になる場合は一度医療機関で検査を受けることをお勧めします[[ストレスが原因で生じる心臓の違和感について](https://www.cvi.or.jp/9d/216/)]。

動悸で病院に行くべき目安・タイミング

動悸を感じた時、「病院に行くべきか、様子を見るべきか」と迷うことがあると思います。ストレスによる動悸であれば、大きな心配はいらないことが多いですが、中には速やかに医療機関を受診する必要がある、危険な動悸もあります。ここでは、病院に行くべき目安やタイミング、そして何科を受診すれば良いのかについて解説します。

緊急性の高い危険な動悸

以下の症状を伴う動悸は、心臓の病気など、命に関わる可能性のある病気が隠れているサインかもしれません。このような場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、速やかに救急外来を受診してください。

  • 強い胸の痛みや圧迫感がある
  • 意識が遠のく、気が遠くなる感じがする、失神した
  • 冷や汗が止まらない
  • 呼吸が非常に苦しい、息ができない
  • 脈が明らかに不規則で、飛んだり抜けたりする感じが強い(期外収縮ではなく、頻繁な不整脈)
  • 動悸とともに手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らないなどの脳卒中を疑う症状がある

これらの症状は、心筋梗塞、狭心症、重篤な不整脈、肺塞栓症、大動脈解離など、緊急性の高い病気の兆候である可能性があります。一刻も早い対応が求められます。

何日続いたら受診すべき?

緊急性の高い症状を伴わない場合でも、動悸が続く場合や、症状が改善しない場合は、一度医療機関で診察を受けることをお勧めします。受診を検討する目安としては、以下の点が挙げられます。

  • 動悸が数日以上、持続的または頻繁に続いている
  • 動悸とともに、全身の倦怠感、めまい、息切れなどの症状がある
  • 安静時にも動悸を感じる
  • これまで経験したことのない強い動悸である
  • 症状が日常生活に支障をきたしている(不安で外出できない、眠れないなど)
  • 動悸の原因がストレスなのか、他の病気なのかが自分で判断できない
  • 一度動悸が起きた後、症状は治まったが不安が強い

特に、これまで心臓に疾患があると診断されたことがある方や、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病がある方、喫煙者の方は、動悸の原因として心血管系の病気が隠れている可能性も考慮し、早めに医療機関を受診することが推奨されます。

目安として、数日以上症状が続く場合や、上記のような他の症状を伴う場合は、一度医師に相談するのが良いでしょう。

どの診療科を受診すればいい?

動悸で初めて病院を受診する場合、多くの方が迷うのが「何科に行けば良いのか」という点です。動悸の原因は多岐にわたるため、最初に受診する診療科は、考えられる原因や症状によって異なりますが、一般的には以下の科が考えられます。

  • 循環器内科: 心臓や血管の専門科です。動悸の原因として心臓の病気が最も心配されるため、まずは循環器内科を受診するのが最も適切でしょう。心電図検査、ホルター心電図(24時間心電図)、心臓超音波検査などで心臓の状態を詳しく調べてもらうことができます。
  • 内科: 一般的な内科でも、初期の診察や簡単な検査は可能です。かかりつけ医がいる場合は、まず相談してみるのも良いでしょう。必要に応じて、専門科を紹介してもらうことができます。
  • 心療内科・精神科: ストレスや不安、パニック発作など、こころの健康が原因と考えられる場合は、心療内科や精神科が専門です。ただし、心臓の病気が否定された後に受診するのが一般的です。先に循環器内科を受診し、心臓に問題がないと診断されてから紹介を受けるケースが多いです。
  • 婦人科: 女性で更年期による動悸が疑われる場合は、婦人科に相談することも選択肢の一つです。

迷う場合は、まずはかかりつけの内科医に相談するか、循環器内科を受診するのが良いでしょう。問診で症状を詳しく伝え、必要に応じて適切な検査や専門医への紹介を受けることができます。

病院での検査によって、動悸が心臓の病気によるものではないと診断された場合は、ストレスや自律神経の乱れ、あるいは他の内科的な原因などが考えられます。医師と相談しながら、症状に合った対処法や治療法を見つけていくことが重要です。例えば、ストレス性の心臓の違和感の場合、安静時に痛みが出やすいといった特徴がみられることもあります[[ストレスが原因で生じる心臓の違和感について](https://www.cvi.or.jp/9d/216/)]。

以下に、病院受診の目安を表にまとめました。

症状 緊急性 受診の目安 考えられる原因
強い胸痛や圧迫感がある 救急受診(救急車) 心筋梗塞、狭心症など
意識消失、失神 救急受診(救急車) 重篤な不整脈、脳卒中など
強い息苦しさ、呼吸困難 救急受診(救急車) 肺塞栓症、重症喘息など
冷や汗を伴う強い動悸 救急受診 心疾患、ショック状態など
頻繁な不規則な脈 中~高 数日続く場合:早期受診 不整脈(心房細動など)
数日以上続く動悸 低~中 数日続く場合:受診検討 ストレス、自律神経失調症、内科疾患
めまい、息切れを伴う 早めに受診 貧血、心疾患、肺疾患など
安静時にも動悸 早めに受診 内科疾患、心疾患など
不安や恐怖を伴う動悸 低~中 日常生活に支障がある場合:受診検討 ストレス、パニック症、不安症

この表はあくまで一般的な目安です。ご自身の症状や既往歴、不安の程度などを考慮し、医師の判断を仰ぐことが最も確実です。

根本的なストレス解消方法

ストレス性動悸を和らげるためには、症状が出た時の対処だけでなく、根本的なストレス解消に取り組むことが非常に重要です。一時的な気晴らしではなく、ストレスへの向き合い方や解消法を生活の中に取り入れていくことで、心身の健康を長期的に維持することを目指します。

ストレス解消法は、人それぞれに合うものが異なります。「これをすれば必ずストレスが消える」という魔法のような方法はありませんが、様々なアプローチを試しながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。

  1. ストレスの原因を特定し、可能であれば対処する:
    まず、何が自分にとってストレスになっているのかを具体的に考えてみましょう。仕事内容、人間関係、将来への不安、経済的な問題など、リストアップしてみるのも良い方法です。
    原因が特定できたら、それに対して何かできることはないか考えます。問題そのものを解決する、問題との付き合い方を変える、協力を求めるなど、具体的な行動計画を立ててみましょう。全ての問題をすぐに解決できなくても、「考えている」という状態から「行動している」という状態になるだけでも、心の負担が軽くなることがあります。
  2. 考え方の癖を見直す(認知行動療法的なアプローチ):
    ストレスを感じやすい人の中には、物事をネガティブに捉えがちな癖や、「~しなければならない」といった固定観念が強い場合があります。
    自分の考え方の癖を客観的に見て、「本当にそうなのか?」「別の考え方はできないか?」と問いかけてみましょう。例えば、「失敗したらどうしよう」という考えが強いなら、「失敗から学べることもある」「最悪の事態になっても乗り越えられる力があるかもしれない」といったように、より現実的で柔軟な考え方を練習します。これは自分一人で行うのが難しい場合、専門家(心理士、カウンセラーなど)のサポートを受けるのも非常に有効です。
  3. リラクゼーションの習慣を取り入れる:
    即効性のある対処法として紹介した深呼吸や体のリラックスに加え、日々の生活の中にリラクゼーションの時間を意識的に作りましょう。

    • 瞑想やマインドフルネス: 今ここに意識を向け、思考や感情をジャッジせず観察する練習です。不安な考えにとらわれがちな心を落ち着かせる効果があります。
    • 漸進的筋弛緩法: 体の各部分の筋肉を意識的に緊張させた後、一気に力を抜くことを繰り返す方法です。体の緊張を和らげ、リラックス効果を高めます。
    • イメージトレーニング: 自分がリラックスできる場所や状況を心の中で思い描くことで、安心感を得る方法です。
    • 趣味や好きなことに没頭する: 読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、絵を描く、手芸をするなど、心が満たされる活動に時間を使うことは、最高のストレス解消になります。
  4. 体を整える:
    「食事や睡眠の見直し」「適度な運動」は、ストレス対策としても非常に重要です。健康な体は、ストレスに対する抵抗力を高めます。

    • 温浴: 湯船にゆっくり浸かることで、血行が促進され、体の緊張がほぐれます。アロマオイルなどを活用するのも良いでしょう。
    • ストレッチや軽い運動: 硬くなった体をほぐし、血行を良くすることで、心身のリフレッシュになります。
  5. 社会的なつながりを大切にする:
    一人で悩みを抱え込まず、信頼できる家族や友人、パートナーに話を聞いてもらうことも、大きなストレス解消になります。話をすることで、自分の気持ちが整理されたり、新たな視点が得られたりします。
  6. プロのサポートを受ける:
    自分一人でストレスに対処するのが難しい、ストレスによる症状(動悸、不眠、気分の落ち込みなど)が辛い場合は、専門家のサポートをためらわずに受けましょう。

    • 医師(内科、循環器内科、心療内科、精神科): 体の症状の診断と治療、必要に応じて薬の処方を行います。
    • 心理士、カウンセラー: 心理療法(認知行動療法など)やカウンセリングを通して、ストレスへの対処法や考え方のアプローチをサポートします。

根本的なストレス解消は、一朝一夕にはできません。しかし、日々の小さな積み重ねが、心身の健康を維持し、動悸を含むストレス由来の症状を和らげることにつながります。自分に優しく、無理のない範囲で様々な方法を試してみてください。

【まとめ】ストレス性動悸と上手く付き合うために

動悸は、心臓の病気だけでなく、ストレスや自律神経の乱れによっても引き起こされる非常に一般的な症状です。ストレス性動悸は、心臓そのものに問題がないことが多いため、直接的に命に関わる危険性は低いですが、不快な症状であり、不安を伴いやすいため、日常生活の質を低下させる可能性があります。

動悸を感じたら、まずは落ち着いて、その症状が緊急性の高いものかどうかを確認することが大切です。 強い胸の痛みや意識の変化、激しい息苦しさを伴う場合は、ためらわずに救急受診しましょう。動悸や息切れ、めまいといった症状は、ストレス性でも心臓病でも起こりうるため、特に安静時に痛みが出たり、痛みが長時間続いたりする場合は注意が必要です[[ストレスが原因で生じる心臓の違和感について](https://www.cvi.or.jp/9d/216/)]。

緊急性の高い症状がない場合は、ご自身の動悸がストレスによるものかもしれないと考えてみましょう。 ストレス性動悸は、脈が速くなることが多く、夜間や特定の状況で起こりやすいといった特徴があります。

動悸が起きた時には、深呼吸やリラックスできる姿勢をとるなど、即効性のある対処法を試すことで、症状を和らげることができます。

そして、日頃からストレスと上手く付き合うための工夫を生活に取り入れることが、根本的な解決につながります。 バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、自分なりのリラックス法の実践、そして時には誰かに相談するなど、心身を労わる習慣を作りましょう。

動悸の原因はストレス以外にも、不安症、甲状腺の病気、更年期、特定の飲食物など多岐にわたります。症状が数日以上続く場合や、他の気になる症状を伴う場合は、一度医療機関(まずは循環器内科か内科)を受診し、正確な診断を受けることを強くお勧めします。 医師に相談することで、動悸の原因を特定し、適切な治療法や対処法を知ることができます。

動悸という症状を通して、ご自身の心身の状態を見つめ直し、ストレスとの向き合い方を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。この記事が、あなたの動悸の不安を少しでも和らげ、より健やかな日々を送るための一助となれば幸いです。

免責事項:
この記事で提供する情報は、一般的な知識の提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療法のアドバイスを代替するものではありません。個々の症状や健康状態については、必ず医療機関を受診し、医師の判断を仰いでください。記事の情報を利用された結果生じたいかなる損害についても、執筆者は一切の責任を負いません。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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