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トラネキサム酸250とは?効能・副作用・正しい飲み方【完全ガイド】

喉の痛みやシミ、湿疹など、さまざまな症状の改善に用いられるトラネキサム酸250mg
処方されたものの、「具体的にどんな効果があるの?」「飲み方はこれで合っている?」「副作用が心配…」といった疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、トラネキサム酸250mgの基本情報から、効果・効能、症状別の正しい用量、そして注意すべき副作用まで、網羅的に解説します。
安全に薬を服用し、つらい症状を効果的に改善するための一助となれば幸いです。

まずは、トラネキサム酸がどのような薬なのか、基本的な情報から見ていきましょう。

トラネキサム酸とは?作用機序を解説

トラネキサム酸は、人工的に合成されたアミノ酸の一種で、「抗プラスミン薬」に分類されます。

私たちの体内には、血液を固める働き(凝固系)と、固まった血を溶かす働き(線溶系)があり、両者がバランスを保つことで健康な状態が維持されています。

この線溶系で中心的な役割を果たすのが「プラスミン」という酵素です。
プラスミンは、出血を止めるために作られた血栓を溶かすだけでなく、アレルギー反応や炎症反応にも関与しています。

トラネキサム酸は、このプラスミンの働きを抑える(抗プラスミン作用)ことで、以下のような効果を発揮します。

  • 止血作用: 血栓が過剰に溶かされるのを防ぎ、出血を止めやすくします。
  • 抗アレルギー・抗炎症作用: アレルギーや炎症反応を引き起こすプラスミンの働きをブロックし、症状を和らげます。
  • メラニン生成抑制作用: シミの原因となるメラノサイトの活性化を抑え、メラニンの生成を防ぎます。

トラネキサム酸250mgの剤形と特徴

「トラネキサム酸250mg」とは、1錠または1カプセルあたりに有効成分であるトラネキサム酸を250mg含んでいることを示します。
一般的には白色の錠剤やカプセル剤として処方されます。
ジェネリック医薬品も数多く存在し、製薬会社によって錠剤の形や刻印が異なります。

トラネキサム酸250の効果・効能

トラネキサム酸250mgは、その抗プラスミン作用により、医療のさまざまな分野で活用されています。

喉の痛み・扁桃炎への効果

風邪などによる喉の痛みや腫れ、扁桃炎の症状緩和によく用いられます。
これは、トラネキサム酸が喉の粘膜で起きている炎症反応を抑え、痛みや赤み、腫れといった不快な症状を和らげるためです。

湿疹・じんましん・薬疹への効果

湿疹やじんましん、薬疹といった皮膚症状にも効果が期待できます。
トラネキサム酸の抗アレルギー作用が、これらの症状の原因となる体内の反応を抑制するためです。

出血傾向・異常出血への効果

本来の止血作用も、もちろん重要な効果です。
具体的には、以下のような全身性・局所性の出血傾向に対して用いられます。

  • 白血病、再生不良性貧血などによる異常出血
  • 手術中や手術後の異常出血
  • 鼻血、歯ぐきからの出血
  • 月経過多

シミ・肝斑など美容目的への応用

近年、美容皮膚科の分野で注目されているのが、シミ(特に肝斑)への効果です。
トラネキサム酸は、シミの原因となるメラニンを生成する細胞「メラノサイト」の活性化を促すプラスミンの働きを阻害します。
これにより、メラニンの生成が抑制され、肝斑やシミ、そばかすを薄くする効果が期待できます。

トラネキサム酸250の正しい用量と飲み方

効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、医師の指示通りの用法・用量を守ることが非常に重要です。

注意:ここで紹介するのは一般的な服用方法です。
必ず処方された際の医師や薬剤師の指示に従ってください。
自己判断で量を変えたり中止したりしないでください。

成人の一般的な服用量と服用回数

通常、成人には1日750mg~2,000mg3~4回に分けて経口服用します。
トラネキサム酸250mg錠の場合、1回1~2錠を1日3回服用するケースが多く見られます。
年齢や症状によって適宜増減されます。

症状別の推奨用量(喉の痛みなど)

  • 喉の痛みや扁桃炎: 1日750mg(250mg錠を3錠)を3回に分けて服用することが一般的です。
  • シミ・肝斑治療: 1日750mg~1,500mgを服用することが多いですが、他の治療法と併用されることもあり、医師の判断によって用量は異なります。

トラネキサム酸250mgを多く飲みすぎた場合の対処法

万が一、誤って指示された量より多く飲んでしまった場合でも、過度に心配する必要はありません。
しかし、念のため以下の対応を心がけてください。

トラネキサム酸を2錠飲んでしまったら?

例えば「1回1錠」の指示のところを誤って2錠飲んでしまった場合でも、すぐに重篤な副作用が起こる可能性は低いです。
まずは落ち着いて、ご自身の体調に変化がないか(吐き気、めまい、下痢など)を注意深く観察してください。
特に異常がなければ、次回の服用時間まで様子を見ても良いでしょう。
もし何か少しでも気になる症状が現れたり、不安が強かったりする場合は、処方元の医師や薬剤師に電話で相談してください。

飲み忘れた場合の対応

飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに1回分を服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合(例えば2~3時間後など)は、忘れた分は服用せず、次の服用時間に1回分だけを服用してください。

重要:飲み忘れたからといって、絶対に2回分を一度に服用しないでください。

トラネキサム酸250の主な副作用と注意点

トラネキサム酸は比較的安全性の高い薬とされていますが、一部で副作用が報告されています。
また、服用できない人や注意が必要な人もいます。

報告されている副作用の一覧

主な副作用として、以下のような症状が報告されています。
頻度は高くありませんが、服用中に異変を感じた場合は医師に相談してください。

  • 消化器系: 食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、胸やけ
  • 皮膚: 発疹、かゆみ
  • その他: 眠気、頭痛

服用してはいけないケース・慎重投与が必要な人

以下の項目に当てはまる方は、トラネキサム酸を服用できません。
必ず事前に医師に伝えてください。

  • トロンビンを投与中の人
  • 脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎など、血栓のある人および血栓症を起こすおそれのある人

また、以下の方は慎重な投与が必要となるため、医師の管理下で服用する必要があります。

  • 過去に血栓症になったことがある人
  • 血栓症のリスクが高い家族がいる人
  • 腎不全の人(排泄が遅れ、血中濃度が上昇するおそれがあるため)
  • 高齢者

併用に注意が必要な薬

止血系の他の薬(ヘモコアグラーゼなど)や、経口避妊薬(ピル)と併用すると血栓のリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。
現在服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。

血栓症リスクと服用中の注意

トラネキサム酸の最も注意すべき副作用は「血栓症」です。
頻度は非常に稀ですが、血液を固まりやすくする作用があるため、もともとリスクのある方では血栓(血の塊)ができやすくなる可能性があります。

服用中に以下のような初期症状が見られた場合は、血栓症の可能性を考え、直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。

  • 足の痛み・むくみ・しびれ・赤み(深部静脈血栓症)
  • 突然の息切れ、胸の痛み(肺血栓塞栓症)
  • 激しい頭痛、めまい、ろれつが回らない(脳血栓)
  • 急な視力低下(網膜動脈閉塞症)

トラネキサム酸250に関するよくある質問(Q&A)

トラネキサム酸500mgとの違いは何ですか?

1錠あたりの有効成分の含有量が違います。
トラネキサム酸250mgは1錠に250mg、500mgは1錠に500mgのトラネキサム酸が含まれています。
どちらを処方するかは、患者さんの症状や状態、治療方針によって医師が判断します。
例えば、1日に750mgを服用する場合、250mg錠なら3錠、500mg錠なら1.5錠(割線があれば)といった違いになります。

トラネキサム酸は市販で購入できますか?

はい、トラネキサム酸を配合した市販薬は存在します。
主に、喉の痛みを緩和する風邪薬や、シミ・肝斑を改善する内服薬として販売されています。
ただし、市販薬は処方薬と比べて1日あたりの最大配合量が少ないなど、用法・用量が異なります。
医療機関で処方された場合は、自己判断で市販薬に切り替えず、必ず医師の指示に従ってください。

小児へのトラネキサム酸250mgの投与は可能ですか?

はい、小児に対しても年齢や体重に応じて用量を調整した上で処方されることがあります。
ただし、用量の設定は専門的な判断を要するため、必ず医師の指示に従って服用させてください。

妊娠中・授乳中のトラネキサム酸250mgの服用について

妊娠中や授乳中の服用に関しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ処方されます。
ご自身が妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある場合は、必ず診察時に医師に伝えてください。
自己判断での服用は絶対に避けてください。

監修者情報と参考文献

この記事は、公開されている医薬品の添付文書や信頼できる医療情報を基に作成されていますが、医学的なアドバイスに代わるものではありません。
治療に関する最終的な判断は、必ず担当の医師にご相談ください。

まとめ

トラネキサム酸250mgは、止血、抗炎症、抗アレルギー作用を持ち、喉の痛みから皮膚症状、さらには美容目的のシミ治療まで幅広く使われる有効な薬です。

しかし、その効果を安全に得るためには、医師の指示に基づいた正しい用法・用量を守ることが何よりも大切です。
特に、稀ではあるものの注意が必要な血栓症のリスクについて正しく理解し、万が一の初期症状を見逃さないようにしましょう。

この記事で提供した情報が、あなたの不安を少しでも和らげ、安心して治療に取り組むための一助となれば幸いです。
服用中に少しでも気になることや不明な点があれば、遠慮なくかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。


免責事項:本記事は情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
病状や体質には個人差がありますので、具体的な治療法については必ず医療機関にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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