脂漏性角化症(老人性イボ)の原因とは?皮膚にシミができない治療法や予防方法を解説

「脂漏性角化症(老人性イボ)の原因は?」
「脂漏性角化症になったらどうすればいい?」

このように、顔や首などのイボに悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。

脂漏性角化症は、年齢を重ねるごとにできやすくなるイボのことです。ただし、20代の方でも首やこめかみを中心にイボができることがあります。

本記事では、脂漏性角化症の原因や治し方を紹介します。また、記事の後半では市販薬の効果や予防方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

脂漏性角化症はどんな病気?

脂漏性角化症は「老人性イボ」とも呼ばれる、イボ状の皮膚疾患です。体中どこでもできますが、特に顔や首に多いのが特徴です。

大きさは2mm~2cmほどで、円形や楕円形をしています。表面はスベスベもしくはカサカサとしており、痛みはありません

しかし、脂漏性角化症は時間の経過と共に大きくなるため、肥大化したイボが指や衣類に当たって出血したり炎症を起こしたりすることがあります。

脂漏性角化症はどうして起こる?脂漏性角化症の原因とは

脂漏性角化症の原因は、紫外線です。皮膚が長年日光に晒されることで、紫外線により皮膚の遺伝子に異常が発生します。

異常が発生した細胞は、増殖し皮膚を盛り上がるのが特徴です。さらに、色素細胞を刺激することで色が濃くなります。

そのため、以下のような方は脂漏性角化症ができやすいため注意が必要です。

  • 野外でスポーツや仕事をする方
  • 皮膚の色が薄く、外出中に化粧や日焼け止めを使わない方
  • 日焼けサロンに行く方

そのほか、遺伝によって脂漏性角化症の発症確率は変化すると考えられています。

脂漏性角化症の診断方法を紹介

脂漏性角化症は、ほとんどの場合観察するだけで診断できます。

しかし、典型的な脂漏性角化症でなかったり不確かだったりする場合は、以下の流れで診断します。

  1. 問診:症状や病歴の確認
  2. 診察:患部の視診
  3. 検査:ダーモスコープ(拡大鏡)で患部を詳細に観察

それでも脂漏性角化症と診断できない場合は、皮膚組織の一部を取り病理検査をします。

脂漏性角化症は自分で取るべき?脂漏性角化症の治療方法とは

脂漏性角化症になったら、自分で取らず医師の診療を受けましょう。自分で取ると、再発したり感染症にかかったりする場合があります。脂漏性角化症は、厳密にはイボではないため市販薬は効果が期待できません

脂漏性角化症の治療方法は主に以下の3つです。

  • 液体窒素
  • レーザー治療
  • 外科的治療

次に、それぞれの治療法について解説します。

脂漏性角化症の治療法(1)液体窒素(保険適用)

脂漏性角化症の治療法として、液体窒素による冷凍凝固があります。

皮膚科のクリニックであればほとんどのところで受けられる治療法で、価格も安価です。ただし、治療時と治療後には強い痛みがあります。

また、治療部位には半年~2年程度、色素沈着が残るのが欠点です。

脂漏性角化症の治療法(2)レーザー治療(保険適用外)

脂漏性角化症の治療法として、レーザー治療もあります。

レーザーの種類による違いは以下の通りです。

レーザーの種類 特徴
炭酸ガスレーザー ・盛り上がりの程度に関係なく治療できる
・治療後の色素沈着が数ヶ月程度と短い
Qスイッチ・レーザー ・盛り上がりが低いイボのみ治療できる
・治療後に傷が残らない

レーザー治療は、痛みや治療痕が少ないことがメリットです。

ただし、再発リスクが高く、保険適用外で治療費用は全額自己負担になることに注意しましょう。

脂漏性角化症の治療法(3)外科的治療(保険適用)

脂漏性角化症の治療法として、外科的治療もあります。

外科的治療では、メスでの切除や電気メスでの電気焼却などの方法が取られます。ただし、再発リスクが高く、治療痕が残る可能性もあるので最初から勧められることは少ないです。

悪性腫瘍が疑われる場合には外科的治療が検討されることもあります。

脂漏性角化症はイボコロリ(市販薬)で取れる?脂漏性角化症の薬とは

脂漏性角化症は「イボコロリ」などの市販薬では取れません。

イボは通常、ウイルスによって発症します。しかし、脂漏性角化症は皮膚にできる良性腫瘍のため、厳密にはイボではありません。

脂漏性角化症に効果が期待できる薬はないため、自分で治療することは難しいです。

薬で治療しようとせず、医師の診療を受けましょう。

脂漏性角化症は防げる?脂漏性角化症の予防方法とは

脂漏性角化症を防ぐためには、紫外線を避けることが大切です。年齢が若い方でも、屋外でのスポーツや作業を行う時には日焼け止めを露出部に塗りましょう

なお、屋内にいる時は低刺激タイプの日焼け止めを塗ることが推奨されています。

脂漏性角化症に関するよくあるご質問

脂漏性角化症に関するよくある質問をまとめました。

脂漏性角化症を自分で取るのは木酢液がいいの?

脂漏性角化症は木酢液では取れません。木酢液のレビューで、「イボが取れた」というコメントがあったとしても医学的に信憑性は非常に薄いです。

木酢液とは、炭を焼いた時に発生する煙を冷やして液体にしたものです。90%ほどが水分で、残りは有機化合物で構成されています。

脂漏性角化症は自分で取るのではなく、医師の診療を受けましょう

脂漏性角化症は若い人にもできるの?

脂漏性角化症は若い人にもできることがあります。

若い人にできる脂漏性角化症は、遺伝の影響が大きいと考えられており、首やこめかみ、腹部などによく発症します。

東京で脂漏性角化症の治療ならアイシークリニックへご相談ください

脂漏性角化症は「老人性イボ」とも呼ばれる皮膚疾患です。ウイルス性のイボではないため、市販薬や漢方は効果が期待できません。

放置しておくと進行し、肥大化する場合があるため早めに医師の診療を受けましょう

アイシークリニックは、老若男女どなたでも相談しやすいクリニックを目指しています。

どんな症状であっても、患者様と相談しながら治療方法を提案させていただきますので、イボに少しでもお悩みの方は、アイシークリニックにご相談くださいませ。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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