蕁麻疹(じんましん)の原因はストレス?症状や原因、治療方法を解説
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「蕁麻疹とはどんな病気?」
「蕁麻疹になったらどうすればいい?」
このように悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。蕁麻疹は、蚊に刺されたような膨らみのある発疹で、かゆみを伴うことがほとんどです。
本記事では、蕁麻疹の原因や症状をはじめ蕁麻疹の治し方を紹介します。
この記事を読めば、蕁麻疹の原因となる物質や蕁麻疹の種類、効果の見込める治療方法がわかります。また、記事の後半では蕁麻疹に効きやすい薬も解説しているので、最後まで確認して参考にしてください。
目次
蕁麻疹(じんましん)とはどんな病気?
蕁麻疹は、皮膚にむくみが起こり、膨疹(ぼうしん)が全身にできる病気です。
膨疹とは、蚊に刺されたような発疹で、原因としては皮膚の肥満細胞から分泌される様々なケミカルメディエーター(ヒスタミン等)が関係していると言われています。
蕁麻疹はアレルギーや物理的刺激をはじめ多くの原因によって起こり得る病気です。
また、近年では蕁麻疹の発症や悪化はアトピー性皮膚炎と関連している可能性があるとも指摘されています。
なお、蕁麻疹には様々な種類があるため医療機関を受診して原因を見つけ出すことが大切です。
蕁麻疹(じんましん)はなぜ起こる?蕁麻疹が起こる原因とは
蕁麻疹の原因は主に外因性と内因性に分けられ、持続性などに違いがあります。
外因性の蕁麻疹の場合、食べ物や薬、物理的刺激などが主な原因です。
一方で、内因性の蕁麻疹の場合はストレスや疲労の溜めすぎをはじめ、運動不足やアレルギーを原因とするものが多くあります。
以下では、蕁麻疹の2種類の原因についてわかりやすく解説します。
蕁麻疹の原因1.一過性が多い外因性
一過性が多い外因性蕁麻疹の原因は以下のような項目が例として挙げられます。
- 外来抗原
- 物理的刺激
- 発汗刺激
- 食べ物(食品添加物など)
- 薬剤
- 運動
外来抗原とは、吸入、摂取、または注射などによって外部から体内に入ってきた抗原を指します。
具体的には病原細菌やウイルス、異型輸血、花粉などが当てはまります。
また、蕁麻疹の原因となり得る食べ物は、豚肉、タケノコをはじめとした仮性アレルゲン、食品添加物などが含まれているものです。
蕁麻疹の原因2.持続性が多い内因性
持続性が多い内因性蕁麻疹の原因は以下のような項目が例として挙げられます。
- 感作
- 感染
- 疲労・ストレス
- 食べ物(食品添加物など)
- 薬剤
- IgE
- 基礎疾患(造血系疾患や遺伝的欠損など)
内因性蕁麻疹の原因となる食べ物は外因性と変わりませんが、薬剤はアスピリンやアンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬が原因です。
IgEとは、免疫の一種で体のなかに入ってきたアレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して働きかけ、身体を守る機能を持つ抗体を指します。
また、蕁麻疹は他の人にうつることはなく、ほとんどの場合で遺伝しないのも特徴です。
蕁麻疹(じんましん)とはどんな症状?
蕁麻疹の症状は、蚊に刺されたような膨らみのある発疹(膨疹)で、かゆみを伴うことがほとんどです。
発疹は1cmほどの大きさのものから、いくつもの発疹が繋がって大きく広がることもあります。
数時間のうちに全身へ広がることが多いものの、発疹が消失するまでにかかる時間は数時間ほどです。
多くの場合はこの症状が一度きりの「急性蕁麻疹」ですが、なかには数週間にわたって何度も症状が繰り返される「慢性蕁麻疹」に進行することもあります。
蕁麻疹(じんましん)に違いはある?蕁麻疹の種類
次に、蕁麻疹の種類ごとに違いを紹介します。
蕁麻疹の種類 | 特徴 |
---|---|
急性蕁麻疹 | ・毎日繰り返し発症する蕁麻疹のうち、1ヶ月経過していないもの ・細菌、ウイルス感染などが原因となっていることが多い |
慢性蕁麻疹 | ・毎日繰り返し発症する蕁麻疹のうち、1ヶ月以上経過したもの ・原因は特定できない場合が多い |
物理性蕁麻疹 | ・摩擦や圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった物理的刺激により起こる |
コリン性蕁麻疹 | ・運動や入浴をはじめ、汗をかくと発症する ・一つ一つの湿疹1~4mm程度と小さく、小児から若い成人に多い |
アレルギー性蕁麻疹 | ・食べ物や薬剤、昆虫に含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こる ・アレルゲンに結合するIgEという血清蛋白が関与している |
イントレランス | ・アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬、色素、造影剤、食品中のサリチル酸などにより起こる ・IgEが関与しない |
血管性浮腫 | ・唇やまぶたなどが突然腫れあがり、2~3日かかって消える ・かゆみを伴わず、稀に遺伝性のものの場合もある |
蕁麻疹は原因や特徴ごとに7種類存在し、種類によって治療方法が異なります。
また、蕁麻疹の種類を自分で診断するのは難しい場合もあるため、まずは医療機関の受診をご検討ください。
蕁麻疹(じんましん)はどうやって診る?蕁麻疹の診断方法とは
蕁麻疹の診断は、蕁麻疹の種類や原因を特定することが重要です。
基本的に、蕁麻疹の種類は蕁麻疹の特徴や経過からわかる場合が多くあります。
そのため、病院によっては定期的に血液検査して経過を見るところもあります。
ただし、何度も血液検査をすることは時間や医療費の観点から負担になってしまうことも多いため、個々の患者様に合わせて検査内容は変更されます。
蕁麻疹(じんましん)はどうやって治す?蕁麻疹の治し方とは
蕁麻疹の治し方は、主に二段階に分けられます。
はじめに、蕁麻疹の治療は可能な限り原因・悪化する要因を病院で特定してもらいましょう。
原因・悪化する要因が取り除けた後は、薬で治療を開始します。
蕁麻疹には、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬を外用薬、内服薬、または注射薬として治療に用います。
蕁麻疹は、そもそも蕁麻疹の内的要因となりやすい疲労やストレスをできるだけ溜めないことが重要です。
また、新鮮な食べ物を食べる、防腐剤などの添加物が入っている食べ物は控えめにするなどを心がけましょう。
蕁麻疹(じんましん)に効く薬とは
蕁麻疹によく効く薬は、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬とされています。
蕁麻疹は、マスト細胞から放出されたヒスタミンが血管および神経に働くことで症状が現れることがほとんどです。
マスト細胞とは、肥満細胞とも呼ばれ、アレルギー反応に関与している細胞です。
マスト細胞の表面には、IgEと呼ばれる免疫に関与するタンパク質が付着しており、アレルゲン(抗原)と反応するとヒスタミンなどのアレルギーを発生させる化学伝達物質を放出します。
そのため、ヒスタミンの働きを抑えるために抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬を治療に用います。
ただし、内服薬や注射薬は効果がみられるものの外用薬は多少かゆみを軽減するだけで大きな効果は期待できません。
内服薬・注射薬の副作用は眠気を生じさせやすいことや前立腺肥大や緑内障がある人はそれらの症状を加速させてしまうことが挙げられます。
しかし、近年開発されている薬ではそういった副作用は非常に少ないです。
他にも、漢方や免疫変調薬などを含む種類の薬が状況に応じて補助的に使用されることもあります。
蕁麻疹(じんましん)に関するよくあるご質問
最後に、蕁麻疹に関するよくある質問について回答します。
Q蕁麻疹と湿疹の違いは何ですか?
蕁麻疹と湿疹はどちらもよく似ているものの、症状や期間が異なります。
蕁麻疹と湿疹はどちらも肌が赤くなりかゆみを伴いますが、蕁麻疹は突然発症する場合がほとんどです。
一方で、湿疹は数日から数週間かけて徐々に進行します。
また、蕁麻疹は全身に症状が出たり消えたりしますが、湿疹は発症した特定の箇所だけに症状が続くことがほとんどです。
期間は、蕁麻疹が数時間程度で、湿疹は数時間から数日続きます。
蕁麻疹は抗アレルギー薬を使用して治療し、湿疹はステロイド剤を使用して治療するケースが一般的です。
Q蕁麻疹はどのくらいの期間治療すれば治りますか?
急性蕁麻疹であれば、1日弱で発疹が消え、数日のうちに治ることがほとんどです。
一方で、慢性蕁麻疹は症状の出現や消失を繰り返しながら数週間続くため、治療も長引いてしまいます。
Q蕁麻疹は癌の兆候なんですか?
蕁麻疹と内臓の病気は関係ない場合がほとんどですが、一部関係ある場合もあります。
蕁麻疹は、突然発症するため内臓の病気が原因と考えられやすいですが、大体の蕁麻疹は内臓疾患とは関係なく、検査をしても関連性が認められない場合が多くあります。
ただし、一部の症例では甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、胃炎などが背景にあって蕁麻疹が起こりやすくなってしまっている可能性も捨てきれません。
多くの場合で内臓の病気と蕁麻疹は関係ありませんが、どうしても心配であれば医師に相談しましょう。
東京で蕁麻疹(じんましん)の治療ならアイシークリニックへご相談ください
蕁麻疹は多くの場合、数日でおさまる場合が多いものの、中には数週間続いてしまうものもあります。
また、蕁麻疹は多くの場合内臓の病気とは無関係なものの、背景に病気が潜んでいる可能性も捨てきれません。
アイシークリニックは、老若男女どなたでも相談しやすいクリニックを目指しています。
どんな症状であっても、患者様と相談しながら安心の治療方法を提案させていただ頂きますので、蕁麻疹で少しでもお悩みの方は、そのままにせずにアイシークリニックにご相談くださいませ。