湿疹(皮膚炎)の原因とは?かゆみやかぶれといった症状別に種類や治療法を解説
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「湿疹とはどんな病気なの?」
「湿疹になる原因はなに?」
上記のような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
湿疹とは、皮膚に水ぶくれや赤くブツブツした症状を伴う皮膚の炎症の総称のことです。
本記事では、上記の疑問を知りたい方はもちろん、「湿疹の診療方法や投薬される薬が知りたい」という方に向けて、湿疹の原因や症状などを解説します。
湿疹ができて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
湿疹はどんな病気?
湿疹とは、下記のような症状を伴う皮膚の炎症の総称のことをいいます。
- 赤らみ
- ブツブツ
- 水ぶくれ
- かゆみ
年齢層が幅広く、乳幼児〜高齢者までにみられるため馴染みのある病気といえます。
また、湿疹の炎症の原因やかゆみ、痛みといった症状の程度は多岐にわたるため、正しい判断が難しいのが特徴的です。
湿疹はなぜできる?湿疹の原因とは
湿疹の原因は、環境要因と内部要因の2種類に分けられます。
環境要因とは金属や花粉、ハウスダスト、薬剤、細菌といった外部からの刺激によるもので、内部要因は健康状態と皮膚の状態、アトピーの素因と自身の体質のことを指します。
また、上記の2つが組み合わさることで、異なる症状が見られることもあるので注意しましょう。
湿疹はどんな症状?
湿疹の症状は急性期(急に発症してしまう時期)と慢性期で異なり、急性期では下記のような症状が混在するといわれています。
炎症初期では、かゆみを伴う小さな赤いブツブツができます。発症した赤いブツブツのかゆみを酷く掻きすぎてしまうと、水ぶくれになったり真菌や細菌に感染したりして痛みや発熱、膿(うみ)が生じてしまうため注意しましょう。
湿疹の症状が悪化すると、水ぶくれが破けてしまうことや皮膚がただれ、皮膚に穴が開く「潰瘍(かいよう)」ができる可能性があります。
炎症初期が終わるとかさぶたができますが、かゆみによって再び掻いてしまうとかさぶたが剝がれ、皮膚のただれや潰瘍が悪化しますので注意が必要です。
また、慢性期の症状に関しては、急性期の症状を少し残しつつ皮膚が厚くなり盛り上がった状態となります。赤黒い色素が残ってしまったり、逆に脱色して皮膚が白く変色したりするケースもあります。
湿疹に違いはあるの?湿疹の種類とは
湿疹にはさまざまな種類があるので、湿疹の種類を下記の分類ごとに紹介します。
- 病因による分類
- 身体の部位による分類
- 症状による分類
それぞれの湿疹の特徴をまとめていますので参考にしてください。
湿疹の種類(1)病因による分類
病気の原因である「病因」で分類された湿疹を下記の表で紹介します。
接触皮膚炎 | ・アレルギー反応による湿疹 ・金属や食物、化粧品などが原因 |
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脂漏性皮膚炎 | ・皮膚の常在菌が増殖することが原因ので引き起こされる湿疹 ・頭皮や鼻、わきの下など皮脂が過剰分泌されるところに多い |
アトピー性皮膚炎 | ・アレルギー性の鼻炎アトピー素因を有している人に引き起こされる湿疹 |
うっ滞性皮膚炎 | ・慢性湿疹 ・下肢の静脈の血流が滞ることが原因 |
病因による湿疹はアレルギーが原因で引き起こすことが多いといえます。
また、うっ滞性皮膚炎に関しては、長時間立っていると引き起こすことがあるため、立ち仕事をしている方は注意しましょう。
脂漏性皮膚炎について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
関連記事:脂漏性皮膚炎の原因とは?症状や治療方法、予防方法を解説
湿疹の種類(2)身体の部位による分類
身体の部位ごとに湿疹が発生する場合が有りますので、下記の表にて紹介します。
手湿疹 | 洗剤を使用した水仕事を頻繁に行っている場合にできる手荒れ |
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舌なめずり皮膚炎 | 口や唇が乾燥した時にしたでなめることによって引き起こされる湿疹 |
おむつ皮膚炎 | 乳幼児のおむつ装着部位に引き起こされる湿疹 |
部位ごとにケアをしなければ、上記のような湿疹ができてしまうため注意しましょう。特にお子さんをお持ちの方は、自分の手と赤ちゃんの湿疹のケアをするように心がけてください。
湿疹の種類(3)症状による分類
症状によって分類された湿疹を下記の表にて紹介します。
貨幣上湿疹 | ・貨幣上の赤い膨らみが生じる湿疹 ・乾燥によって引き起こされた湿疹を何度も搔きむしることが原因 |
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ビダール苔癬 | ・首の後ろやわきの下などに起こる慢性の湿疹 ・衣類による摩擦や金属アレルギーが原因 ・中年女性に多い |
上記の通り、何度も掻きむしってしまうことで引き起こされる湿疹もあるため、乾燥によるかゆみを起こさないためにも保湿を行うようにしましょう。
湿疹は薬で治る?湿疹の治し方とは
湿疹の治し方は、基本的にステロイドと呼ばれる薬を使用します。
なぜなら、ステロイドには抗炎症作用があるためです。皮膚が赤くなっている場合は、「皮膚が炎症を起こしている」状態のため、抗炎症作用のある薬が症状改善に作用します。
ステロイドの中でも、湿疹の症状が軽度で局所的な場合は塗り薬であるステロイド外用薬で対応し、全身に湿疹が生じてしまい重症な場合はステロイド内服薬で対応します。
また、真菌や細菌に感染している場合は、抗真菌薬や抗菌薬が使用され、かゆみの症状に対しては抗ヒスタミン薬の内服が適しています。
湿疹はどう診る?湿疹の検査・診断方法とは
湿疹はまず、問診を行い下記の事柄について詳しく聞かれます。
- 発症部位
- 状況
- 原因
- 症状
上記の問診を終えると発症部位の色や形を診察し、アレルギーが原因の可能性が高い場合はアレルギー検査を行い、内科の病気が疑われた場合は血液検査を行います。
湿疹に関するよくある質問
最後に、湿疹についてよくある質問について回答します。
Q湿疹は病気のサインなんですか?
かゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返されていた場合、アトピー性皮膚炎の可能性があります。
皮膚のバリア機能が低下し、個人の有している体質・免疫免疫学的要因とにさまざまな刺激が加わることで発症します。
また、アルミやニッケルなど外部からの刺激で湿疹が引き起こされた場合は、金属アレルギーと予想できるでしょう。
Q湿疹の原因はストレスなんですか?
湿疹の一種である「脂漏性皮膚炎」は主にストレスが原因だと考えられています。
ストレス以外にも、下記のような事象も原因とされています。
- ビタミン不足
- ホルモンバランスの乱れ
- 不規則な生活
- ストレス
- 疲労
- 寝不足
上記の事象が原因で皮脂のバランスが乱れると湿疹が起きてしまう可能性があります。
脂漏性皮膚炎について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
Q湿疹と発疹の違いは何ですか?
湿疹と発疹の違いは、病名か症状かの違いです。
具体的には、発疹や倦怠感は「症状」で、湿疹や蕁麻疹、インフルエンザは病名です。そのため、発疹は湿疹によって起こるものとなります。
東京で湿疹の治療ならアイシークリニックへご相談ください
湿疹は、悪化してしまうと潰瘍ができてしまう可能性があるため、注意しましょう。
治療後に傷跡が残る可能性を少しでも減らすためにも、もし体に湿疹のようなものができたら、その段階でご相談に来ていただくことをおすすめしています。
湿疹ができてしまった場合は、炎症度合いにかかわらず湿疹が悪化する前にアイシークリニックへご相談ください。