ケトコナゾールの効果とは?クリーム・ローション・シャンプーの違いや使い方を解説
「ケトコナゾールはどんな症状に効果があるの?」
「ケトコナゾールのクリームやローション、シャンプーは用途が異なる?」
などとお考えではないでしょうか。
ケトコナゾールは抗真菌作用がある医療用医薬品です。脂漏性皮膚炎や水虫の治療効果が期待できるほか、AGA治療にも効果が見込めます。
ただしケトコナゾールには発毛効果は期待できません。そのため薄毛改善を目的とするのであれば、AGA治療薬を使用することをおすすめします。
このページではケトコナゾールの効果や副作用、クリームやローションなどタイプ別の使い方について解説します。
当院では患者様一人ひとりに適した治療法を提案し、結果にこだわった治療を行います。
お悩みや症状をしっかりとヒアリングいたしますので、まずは以下のボタンからカウンセリングをお申込みください。
目次
ケトコナゾールとは?頭皮環境の改善を目指す医療用医薬品
ケトコナゾールは抗真菌作用がある医療用医薬品です。有効成分は同名のケトコナゾールで、「ケトコナゾールクリーム2%」「ケトコナゾールローション2%」などの製品があります。
真菌とは皮膚病の原因になるカビの仲間です。頭皮環境が悪いと真菌が繁殖し、フケやかゆみ、炎症を引き起こします。
ケトコナゾールには真菌の細胞膜合成を抑制する作用があり、真菌を殺菌して頭皮環境の改善が可能です。
ケトコナゾールのクリーム(軟膏)とローションの違い
ケトコナゾールは以下のように、剤形によって特徴や塗布する部位が異なります。
剤形 | 特徴 | 塗布する部位 |
---|---|---|
クリーム (軟膏) |
・べたつきやすい ・浸透力が弱い |
顔や脇の下、陰部など |
ローション | ・さらさらしている ・浸透力が強い |
頭皮 |
クリームはべたつきやすいため、頭皮への使用には向いていません。そのため水虫やカンジダ、ニキビなどの皮膚感染症にはクリーム(軟膏)が使用されます。
一方でローションは浸透力が強いため、傷口やただれた部分への使用は向いていません。さらさらしているため、頭皮に塗布して脂漏性皮膚炎やAGAの治療に使用可能です。
そのほか、ケトコナゾールはスプレータイプも製造・販売されています。
ケトコナゾールはニゾラールのジェネリック医薬品
ケトコナゾールを主成分とする薬剤に「ニゾラール」があります。
ニゾラールはケトコナゾールの先発医薬品です。そのため、ケトコナゾールはジェネリック医薬品となります。
ニゾラールとケトコナゾールの効果や効能、副作用に違いはありません。ただし、ケトコナゾールはニゾラールと比べて薬価が安く、購入しやすいことが特徴です。
ケトコナゾールの効果・効能 | 脂漏性皮膚炎やニキビ、水虫を改善
ケトコナゾールは以下の症状に有効です。
- 脂漏性皮膚炎
- ニキビ
- 水虫
- 癜風(でんぷう)
- 股部白癬(こぶはくせん)
- 体部白癬(ぜにたむし)
脂漏性皮膚炎の主な原因は「マラセチア菌」という真菌にあると考えられています。
ケトコナゾールはマラセチア菌に対する抗菌力が強いため、頭皮の脂漏性皮膚炎の改善に有効です。
また水虫や股部白癬、体部白癬を引き起こす「白癬菌(はくせんきん)」も真菌の一種です。ケトコナゾールの塗布によりこれらの症状も改善が期待できます。
ケトコナゾールはAGA治療に有効?5αリダクターゼの抑制が期待できる
ケトコナゾールはAGA治療にも効果が期待できます。
AGAとは男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン(DHT)」が増生することで発症する男性型脱毛症です。そのジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの「テストステロン」と「5αリダクターゼ」と呼ばれる還元酵素が結合して生成されます。
ケトコナゾールは5αリダクターゼのはたらきを抑制する作用があるため、AGAによる薄毛の進行を抑える効果が期待できます。
日本皮膚科学会でも、AGA治療としてケトコナゾールの有用性が示されており、「ケトコナゾールの外用を行ってもよい」とされています。
(参照:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版)
ケトコナゾールは効かない?発毛効果は期待できない
「ケトコナゾールが薄毛に効かない」と不安になっている方は多いかと思います。
ケトコナゾールは発毛・育毛効果が期待できないのでご注意ください。
ケトコナゾールに期待できる効果は頭皮環境を整えるほか、AGAによる薄毛の進行を抑制するものです。
発毛を目的とするならミノキシジルを主成分とする治療薬の使用がおすすめです。ミノキシジルについては次のページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ミノキシジルとは?タブレット・塗り薬の効果や副作用、ジェネリックについて解説
ケトコナゾールクリームはカンジダ症の改善にも有効!陰部への塗り方
ケトコナゾールクリームはカンジダ症の治療にも有効です。
カンジダ症とは抵抗力が落ちている時に発症しやすい皮膚病です。かゆみなどの症状があります。
カンジダ症は陰部にできることがあり、男性の外陰部の場合はケトコナゾールを1日1回、患部に塗って治療を目指します。
女性の場合は膣の中でカンジダ症を発症することがあり、膣内の治療ではケトコナゾールはほとんど使われません。抗真菌剤の膣錠(膣の中に入れる薬)を使用して治療するのが一般的です。
【タイプ別】ケトコナゾールの使い方
ケトコナゾールにはクリームタイプやローションタイプ、シャンプータイプがあります。
ここからは、ケトコナゾールのタイプ別に詳しい使い方をご紹介します。
ケトコナゾールクリーム・ローションの使い方・塗り方
ケトコナゾールクリームやローションの基本的な使い方は、1日1回患部に塗るだけです。ただし、脂漏性皮膚炎の場合は1日2回塗布します。
指定された回数を守り、医師から指示された期間は毎日塗りましょう。治りが悪いからといって使いすぎないようにしてください。
またケトコナゾールを顔に塗るとき、目に入ったらすぐに洗い流してください。
ケトコナゾールシャンプーの使い方
ケトコナゾール配合のシャンプーは以下の手順で使用してください。
- 髪と頭皮をマッサージするように揉みこんで洗う
- 3~5分待ってからたっぷりのお湯で洗い流す
- トリートメントなどで毛先を整える
- タオルで髪の毛の水分を取り、ドライヤーで乾かす
AGA治療を目的としてケトコナゾールのシャンプーを使用する場合は、最初の2週間は毎日使用し、それ以降は週に2〜3回のペースで使用してください。
シャンプーを使用して髪がパサパサする・乾燥が気になる場合は、トリートメントを併用しましょう。それでも気になるなら医師に相談してください。
ケトコナゾールローションは市販のシャンプーに混ぜることも可能
ケトコナゾール入りのシャンプーについて先述しましたが、市販のシャンプーにケトコナゾールローションを混ぜて使用することも可能です。
混ぜる量の目安はシャンプー100mlに対し、ケトコナゾールローションを1本です。ただし、ケトコナゾールを混ぜて使うのに適さないシャンプーもありますので、あらかじめ医師に相談してください。
また、海外ではケトコナゾールが配合されたシャンプーもありますが、日本では認可されていません。
ケトコナゾールはステロイドと併用可能?症状に合わせて使い分ける
ケトコナゾールとステロイドは併用できません。脂漏性皮膚炎の治療においては、ステロイドを使用することもありますが症状に合わせて使い分けるのが一般的です。
ステロイドは炎症を抑える作用が強いため、脂漏性皮膚炎の症状が強い時に一時的に使用されます。しかし副作用を起こすリスクもあるため、症状が落ち着いたらケトコナゾールに切り替えることがあります。
脂漏性皮膚炎は慢性的な疾患で治療をやめると再発する傾向にあるため、長期的な治療を行うにあたって主にケトコナゾールが用いられます。
ケトコナゾール使用時の注意点 | 妊娠中・授乳中の女性は医師に相談
妊娠中の女性はケトコナゾールの使用が推奨されていません。
ケトコナゾールは皮膚からはほとんど吸収されないものの、動物実験で経口投与したところ催奇形作用が報告されています。
また、授乳中の場合もケトコナゾールの使用を控えることが大切で、リスクに対して治療上の有益性が上回ると判断された場合にのみ使用できます。
ケトコナゾールの副作用 | かゆみや乾燥、かぶれ、赤みなど
ケトコナゾールは以下の副作用が報告されています。
- かゆみ
- 乾燥
- かぶれ
- 赤み
- 刺激感
- むくみ
それぞれの発生頻度は明らかになっていませんが、ケトコナゾールによる副作用は少ないです。
ケトコナゾールは市販されている?ドラッグストアや通販では購入できない
ケトコナゾールは医療用医薬品です。医師の診察のもと処方されており、市販はされていません。
薬局では販売されておらず、Amazonや楽天などの通販でも購入できません。
また、海外からの個人輸入によりケトコナゾールを販売する通販サイトも存在します。ただし、個人輸入は説明と異なる成分が含まれているリスクがあるため、おすすめできません。
ケトコナゾールは脂漏性皮膚炎やAGA治療に有効な外用薬
ケトコナゾールは真菌を殺菌する効果が期待できる医療用医薬品です。
脂漏性皮膚炎やカンジダ、水虫の治療に有効です。また5αリダクターゼの働きを阻害する作用があり、AGA治療にも効果が期待できます。
ただしケトコナゾールには発毛・育毛効果はありません。薄毛治療をする場合はフィナステリドやミノキシジルなどが配合された育毛剤と併用しましょう。
フィナステリドとミノキシジルタブレットの詳細について、それぞれ次のページで解説しているのでぜひあわせてご覧ください。
フィナステリドとは?AGA治療薬「プロペシア」の効果や副作用、処方の価格について解説
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)の効果は?副作用や飲み方について解説
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