ピコウェイとは?3つの特徴や効果、ピコシュアやエンライトンとの違いを解説
- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「ピコウェイでシミやニキビ跡を改善できる?」
「ピコウェイと他のピコレーザーの違いは?」
などとお考えではありませんか?
ピコウェイは、シミやそばかすの除去に効果が期待できる医療用レーザーです。ピコ秒単位の短い照射間隔により、施術時の痛みや肌へのダメージを抑えた治療を目指します。
このページでは、ピコウェイの詳しい特徴と効果、ピコシュアやエンライトンとの違いについて解説します。
なお、シミやくすみ改善などの美容効果に興味のある方はピコレーザーもおすすめです。
3つの照射モードを備えており、肌の悩みに合わせた治療ができます。ピコレーザーについて気になる方は下記の記事をご覧ください。
ピコレーザーとは?3つの照射モードや期待できる効果、失敗のリスクまで解説
「最近シミやそばかすが目立ってきた」 「ニキビ跡をきれいにしたい」 「昔入れたタトゥーを消したい」 などとお考えではありませんか? ピコレーザーはシミやくすみなどに効果が期待できる治療機器です。照射時 ...
目次
ピコウェイとは?シネロンシャンデラ社製のピコレーザー
ピコウェイ(PicoWay)とは、シミやそばかすの改善が期待できるピコレーザーです。アメリカのシネロン・キャンデラ社が開発し、米国の政府機関「FDA(米国食品医薬品局)」の承認を受けています。
532nm・785nm・1064nmの3種類の波長により、多色の刺青・タトゥーにも効果が期待できるレーザー機器です。
またピコウェイは、246psという短い間隔でのレーザー照射が可能。皮膚への熱作用が少ないため、炎症後色素沈着などのリスクが低いレーザー治療機です。
ピコレーザーとは?Qスイッチレーザーよりも照射時間の短いレーザー
ピコレーザーとは、ピコ秒という短い時間で照射を行う医療用レーザーです。
従来の皮膚科では、シミ・そばかす治療として「Qスイッチレーザー」を用いることが一般的でした。Qスイッチレーザーは、ナノ秒(10億分の1秒)単位で照射を行う医療用レーザーです。
一方、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒単位)で照射を行います。照射時間が短縮されたことで、皮膚へのダメージを抑えた治療が可能となっています。
これによりピコレーザーは、シミやそばかすだけでなく肝斑やタトゥーの除去にも効果が期待できます。
ピコウェイの3つの特徴
ピコウェイは、3つの照射モードを使い分けた治療が特徴です。
照射モードには次の3つがあります。
照射モード | 特徴 | 適応する主な症状 |
---|---|---|
ピコショット | スポット照射で気になる部位の症状を改善 | シミ・そばかす・ほくろ |
ピコトーニング | 低出力の照射で顔全体のトーンアップを目指す | 肝斑・くすみ・色素沈着 |
ピコフラクショナル | 照射を点状に集中させて皮膚の再生を促進 | ニキビ跡・毛穴開き |
ここからは、それぞれの照射モードの特徴を詳しく解説します。
特徴①短い照射時間の「ピコショット」
ピコショットでは、気になる部位にあわせて局所的な照射を行います。
高出力のレーザーを用いるものの、ピコ秒という短い間隔で照射するため、肌への熱作用を抑えた治療が可能です。施術中の痛みは小さく、ダウンタイムも薄いかさぶたができる程度で済みます。
また、スポットサイズが2mm~と小さいことも特徴で、数の多いシミや複雑な形状のそばかすもピンポイントで照射できます。
特徴②低出力照射の「ピコトーニング」
ピコトーニングは低出力のレーザーを広範囲に照射し、皮膚のメラニン色素を分解します。
全顔への照射により、くすみや色素沈着の改善、トーンアップなどの効果が期待できる照射モードです。
また、ピコトーニングは肝斑の除去にも効果が期待できます。
肝斑は刺激を与えると悪化する性質があり、一般的な高出力レーザーでの治療が困難でした。ピコトーニングは低出力で細かいメラニン色素を除去していくため、肝斑の除去と同時にトーンアップが期待できます。
特徴③小さな点状照射の「ピコフラクショナル」
ピコフラクショナルは、レーザーを点状に集中させて刺激を与え、皮膚の再生を促す照射モードです。
炭酸ガスを用いた従来のフラクショナルレーザーは、皮膚の表面にダメージを与えるため、長期のダウンタイムが懸念されていました。
一方、ピコレーザーのピコフラクショナルでは、レーザーによって表皮内に小さな空洞を作ります。その刺激により、皮膚を構成するコラーゲンやコラーゲンが増加し、肌の再生が促される仕組みです。
皮膚の表面にはダメージをほとんど与えないことから、短いダウンタイムで治療を進められます。
ピコウェイで期待できる4つの効果
ピコウェイの治療により、以下のような効果が期待できます。
- シミやそばかす、ほくろの改善
- 肝斑やくすみ、色素沈着の改善
- ニキビ跡や毛穴の開き、小じわの改善
- 刺青やタトゥーの除去
ピコウェイは3つの照射モードを使い分けることで、さまざまな肌トラブルの改善効果が期待できるピコレーザーです。
ここからは、それぞれの効果を詳しく解説していきます。
効果①シミやそばかす、ほくろの改善
ピコウェイはシミやそばかすの治療に用いられます。
シミやそばかすの原因は、いずれも皮膚にあるメラニン色素です。
本来は紫外線から細胞を守ってくれる色素ですが、過剰に生成されると皮膚への沈着が進み、シミやそばかすとなります。
ピコウェイの施術では、短い照射時間でメラニン色素を破壊し、症状の改善を目指します。シミやそばかすのほか、同じメラニン色素を原因とするほくろの除去にも有効です。
効果②肝斑やくすみ、色素沈着の改善
肝斑やくすみ、色素沈着にもピコウェイが適応します。
肝斑とは、両頬や鼻下にできる薄茶色のシミのこと。ホルモンバランスが関係しているとされており、30~40代の女性に多く見られる症状です。
一方でくすみや色素沈着は、摩擦や乾燥など複数の要因により引き起こされます。皮膚にメラニン色素が蓄積している状態のため、早期の改善が望まれる症状です。
いずれもピコトーニングの施術によってメラニン色素を除去することで、症状の改善が期待できます。
効果③ニキビ跡や毛穴の開き、小じわの改善
ピコウェイは、ニキビ跡や毛穴開きの改善にも効果が期待できる治療です。
ニキビによる炎症を放置すると、クレーター(凹凸)状のニキビ跡を生じます。これは、炎症を放置することで毛穴の構造が変化するためです。
また、加齢によって肌のハリや弾力が失われると、皮膚がたるんで引き伸ばされ、毛穴開きを引き起こします。
崩れた毛穴を再生するためには、ピコフラクショナルの照射が有効です。
ピコフラクショナルにより真皮に刺激が与えられると、毛穴付近の細胞が修復。あわせてコラーゲンやエラスチンの増生が促されるため、肌質を改善できます。
効果④刺青やタトゥーの除去
ピコウェイは刺青・タトゥー除去にも使用されます。これは、皮膚に定着したインクの色素をレーザーによって破壊できるためです。
刺青・タトゥー除去では、照射するレーザーの波長によって破壊できる色素が異なります。
従来のQスイッチレーザーは対応する波長が限られており、マルチカラーのタトゥー除去が困難でした。
それに対して、ピコウェイは532nm・785nm・1064nmの3種類の波長により、多色の刺青・タトゥーの除去が期待できます。
ピコウェイの施術頻度と治療の回数は?症状ごとに異なる
シミ・そばかす治療の場合、ピコウェイは半年に1回のペースで2~3回施術することが一般的です。
実際の施術頻度と施術回数は、以下の通り治療内容によって大きく変わります。
照射モード | 施術頻度の目安 | 施術回数の目安 |
---|---|---|
ピコショット | 6ヶ月に1回 | 2~3回 |
ピコトーニング | 2週間に1回 | 4~8回 |
ピコフラクショナル | 1ヶ月に1回 | 3~4回 |
小さいシミは1回で治療が終わる場合もありますが、通常は複数回の施術が必要です。
施術回数には個人差があるため、医師と相談の上で治療を進めてください。
ピコウェイの治療に痛みはある?輪ゴムで弾かれたような痛みあり
ピコウェイは照射時間が短いため、施術中は若干の痛みを感じる程度で済みます。
従来のQスイッチレーザーは、皮膚へダメージを与える時間が長く、照射時に痛みを伴いました。
一方、ピコウェイはダメージを与える時間が短いため、照射時の痛みを抑えられます。輪ゴムでバチンと弾かれたような感覚を覚えますが、強い痛みは感じにくいです。
医療機関によっては麻酔クリームの塗布ガオコン割れますので、痛みが苦手な方はご相談しましょう。
ピコウェイの治療後の経過とダウンタイム
ピコウェイの施術後、1~2週間は強い刺激や紫外線に注意しましょう。
具体的な経過は、以下の通り治療内容によって異なります。
照射モード | ダウンタイム |
---|---|
ピコショット | 1週間ほどで取れるかさぶたが生じるが、コンシーラーやテープで隠せる程度 |
ピコトーニング | まれに赤みや色素脱失、痒みや発疹を起こす場合がある |
ピコフラクショナル | まれに赤みや腫れ、点状出血を起こす場合がある |
なお、洗顔やメイク、シャワーは当日から可能です。ただし、肌が敏感な状態になっているため、できるだけ直射日光を避け、患部を強くこすらないようにしてください。
ピコウェイは保険が適用される?太田母斑などに適用
ピコウェイは基本的に保険適用外です。
シミや肝斑などの改善を目的とする場合、自由診療となり、治療費用は全額自己負担となります。
ただし、
- 太田母斑
- 異所性蒙古斑
- 外傷性色素沈着症
上記の治療を目的とする場合は、保険適用で治療を受けられる可能性があります。
ピコウェイとピコシュアとエンライトンの違い
ピコレーザーには、ピコウェイのほかにも複数の種類があります。
以下の表は、広く普及しているピコレーザー「ピコウェイ」「ピコシュア」「エンライトン」を比較したものです。
名称 | ピコウェイ | ピコシュア | エンライトン |
---|---|---|---|
メーカー | シネロン・キャンデラ社 | サイノシュアー社 | キュテラ社 |
波長 | ・1064nm ・730nm ・532nm |
755nm | ・1064nm ・532nm |
パルス幅 (照射時間) |
・246ps ・294ps ・339ps |
550~750ps (可変式) |
・750ps ・2000ps |
特徴 | ・パルス幅が短いため肌へのダメージを抑えられる ・最大パワーが弱い |
・パルス幅を細かく設定できる ・ピコレーザーのなかでも歴史が古い |
・ピコレーザーとあわせてナノレーザーも照射できる ・最大パワーが強い |
おすすめな人 | ・痛みをできるだけ抑えたい方 ・薄いシミを綺麗に治したい方 |
・治療実績の多いピコレーザーを使用したい方 ・幅広い症状を治療したい方 |
・濃いシミを目立たないようにしたい方 ・少ない施術回数で治療を進めたい方 |
ピコウェイは246psのパルス幅で治療できます。他のピコレーザーと比べても照射時間が短く、痛みやダウンタイムをより抑えられることが利点です。
一方、最大パワーがやや弱いため、症状によっては施術回数が増えてしまう欠点もあります。
以下の各ページでは、ピコシュアとエンライトンについて詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
ピコシュアとは?シミや肝斑、毛穴開きなどの肌トラブルを改善するピコレーザー
エンライトンレーザー(SR/Ⅲ)の治療効果とは?ピコシュア、ピコウェイとの違いも解説
痛みやダウンタイムを抑えたい方はピコウェイがおすすめ
ピコウェイはシミやそばかす、肝斑の治療に用いられる医療用レーザーです。ピコ秒という短い単位の間隔でレーザーを照射し、皮膚のメラニン色素を破壊します。
他のレーザーと比べても照射時間が短いことから、痛みやダウンタイムを抑えられることが特徴です。
また、ピコレーザーは次の症状に効果が期待できます。
- シミやそばかす、ほくろの改善
- 肝斑やくすみ、色素沈着の改善
- ニキビ跡や毛穴の開き、小じわの改善
- 刺青やタトゥーの除去
上記の肌トラブルでお悩みの方は、ピコウェイの治療をご検討ください。
なお、シミやくすみ改善などの美容効果に興味のある方はピコレーザーもおすすめです。
3つの照射モードを備えており、肌の悩みに合わせた治療ができます。ピコレーザーについて気になる方は下記の記事をご覧ください。
ピコレーザーとは?3つの照射モードや期待できる効果、失敗のリスクまで解説
「最近シミやそばかすが目立ってきた」 「ニキビ跡をきれいにしたい」 「昔入れたタトゥーを消したい」 などとお考えではありませんか? ピコレーザーはシミやくすみなどに効果が期待できる治療機器です。照射時 ...