六君子湯とは?効果や副作用、補中益気湯エキス顆粒との併用について解説
- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「六君子湯って何?」
「六君子湯の効果や副作用、飲み方について知りたい」
とお考えではありませんか?
六君子湯は胃腸の働きをよくする漢方薬です。全身倦怠感がある方で、食欲不振や胃痛、嘔吐など胃腸の不調が現れたときに処方されます。
こちらのページでは六君子湯の効果や副作用、飲み方や補中益気湯との併用について解説します。六君子湯が自分に適しているか判断できるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
六君子湯とは?胃腸の働きをよくする漢方薬
六君子湯とは、胃腸の働きをよくして水分の停滞を改善する漢方薬です。体力が低い虚証の人の胃腸薬として処方されます。
胃腸の働きをよくする「四君子湯」に水分停滞を改善する「二陳湯」を加えているのが特徴。主に胃もたれや吐き気、食欲不振などに効果が期待できます。
また、人間の体の不調は主に「気・血・水」の3つで原因が探られます。六君子湯は、「気」の流れが滞り、胃腸が不調を起こしている際に用いられる医薬品です。
六君子湯の成分は?胃腸に良い8種類の生薬の組み合わせ
六君子湯は、以下の8つの生薬が配合されています。
生薬 | 作用 |
---|---|
蒼朮(ソウジュツ) または白朮(ビャクジュツ) |
無駄な水分を取り除く |
茯苓(ブクリョウ) | 無駄な水分を取り除く |
人参(ニンジン) | 滋養作用がある |
半夏(ハンゲ) | 吐き気を改善する |
陳皮(チンピ) | 胃の機能を促進させる |
大棗(タイソウ) | 緩和作用がある |
生姜(ショウキョウ) | 吐き気や食欲不振を改善する |
甘草(カンゾウ) | 免疫力を高める |
また、六君子湯の中に含まれている陳皮には、グレリン分泌の促進作用が認められています。そのため、食欲や消化管運動にもいい影響を与えると報告されています。
六君子湯がおすすめの方 | 食欲不振や自律神経失調症の方
六君子湯は、以下のようなお悩みを持つ方におすすめします。
- 食欲が低下している
- 吐き気がする
- 胃がもたれる・痛い
- 胸やけがする
- 疲れやすい
- 便秘になる
など
六君子湯は胃腸虚弱や疲れやすい方、自律神経失調症の方向けの漢方薬です。食欲不振をはじめとする胃腸の不調を改善する効果が期待できます。
六君子湯の期待できる効果効能は?胃痛や食欲不振の改善
六君子湯は、以下の症状改善の効果効能を実感できます。
- 胃腸の機能低下
- 食欲不振
- 胃痛
- 嘔吐
- 口臭
- 便秘
- 不眠
など
グレリン分泌の促進作用や胃排出促進作用によって、食欲不振をはじめとする胃腸の不調を改善します。胃腸が弱く食欲がない方や、疲れやすい・貧血症で手足が冷えやすい方に使用される漢方薬です。
また水分代謝が悪いことからくる口臭も改善できるほか、便秘や不眠といった症状改善にも六君子湯が用いられます。
六君子湯はうつにも有効?精神安定の効果が期待できる
六君子湯はうつ気味の方に対して精神安定の効果も期待できます。これは、六君子湯に気を補う作用があるためです。
そのため六君子湯は、ストレスが原因で症状が体に現れやすい方に適しています。自律神経失調症や適応障害、機能性スペプシア、食欲不振の方に処方される漢方薬です。
ただし、漢方薬でうつ気味の症状を全て改善することはできません。医師やクリニックに相談して自分に適した治療を受けることが大切です。
六君子湯の効果が出るまでどのくらい?体質や症状で異なる
六君子湯の効果が出るまでの期間は、患者様の体質や症状によって異なります。
製品の添付文書を読んで用法・用量を守ってお飲みいただくことが大切です。
六君子湯が効かない場合は?医師やクリニックに相談
六君子湯を1ヶ月程度服用しても症状が改善されない場合は、一度服用を止めて医師やクリニックに相談しましょう。
自己判断で服用の方針を決めると、副作用リスクを招く可能性があるためご注意ください。
六君子湯の副作用は?むくみや下痢、ふるえなどがある
漢方薬にも多少の副作用リスクがあります。
六君子湯の服用で起こりうる副作用として、むかつきや食欲不振などがあります。副作用は次第に慣れていくことが一般的です。
重い副作用を起こすことはほとんどありませんが、配合生薬の甘草の大量服用によってむくみを生じたり、偽アルドステロン症を起こしたりする可能性もあります。
稀に起こる重い副作用には以下があります。
- 発疹
- 発熱
- むくみ
- ふるえ
- 吐き気
- 蕁麻疹
- 悪心
- 腹部満腹感
- 下痢
- 偽アルドステロン症
など
上記の症状が現れた場合は、担当の医師や薬剤師にご相談ください。
また尿量の減少や顔・手足のむくみ、まぶたが重くなる、体がだるいなどの症状が見られた場合は、すぐに六君子湯の服用を止めましょう。
六君子湯の飲み方は?1日7.5gを2~3回にわけて飲む
六君子湯の味は甘いのが特徴です。1日7.5gを2~3回にわけ、食前または食間に水もしくはぬるま湯で飲みましょう。
ただし、具体的な飲み方は症状で異なるので、寝る前などではなく医師の指示に従って服用してください。一度に二回分飲んだり、医師の判断なしに飲むのをやめたりしてもいけません。
また、飲み忘れた場合は気が付いたタイミングで飲みましょう。次に飲む時間が2時間以内の場合は前回分を飛ばして飲んでください。
六君子湯の長期服用は問題ない?飲み続ける場合は注意
六君子湯を長期服用する場合は、偽アルドステロン症にご注意ください。配合生薬の甘草の大量服用により、むくみや血圧上昇が起こりえます。
特に、複数の漢方薬を長期併用する際は注意しましょう。
ひどい倦怠感や強い吐き気、発熱といった肝障害の症状が現れた場合も服用をやめて医師やクリニックにご相談ください。
六君子湯の飲み合わせには注意が必要!自己判断で服用しない
六君子湯と他の漢方薬を併用する際は専門的な知識が必要です。
自己判断で飲み合わせや服用中止を判断するのは止めてください。副作用などで健康に影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中や授乳中の女性は飲んでも大丈夫?医師の判断を仰ぐ
妊娠または授乳中の方は、六君子湯の使用前に医師の判断を仰ぎましょう。アレルギー症状や他に使用している薬も含めて医師にご相談ください。
また、六君子湯は乳幼児や小児の手が届かないところに保管することが大切です。
六君子湯と補中益気湯と併用できる?より高い効果が期待できる
六君子湯と補中益気湯は、消化吸収機能を促進し自然治癒力を高める漢方薬です。それぞれで期待できる効果としては、次の通りです。
名称 | 期待できる効果 |
---|---|
六君子湯 | ・不眠症改善 ・胃腸機能の促進 ・胃痛や嘔吐の改善 など |
補中益気湯 | ・胃もたれの改善 ・全身倦怠感の改善 など |
併用することでそれぞれの効果を期待できます。ただし、補中益気湯にも六君子湯にも甘草が配合されており、飲み合わせによって過剰接種になる可能性があるため注意が必要です。
飲み合わせは医師や薬剤師に相談して行いましょう。
補中益気湯に関して、以下のページで詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
補中益気湯は元気を補う漢方薬 | 期待できる6つの効果や副作用、注意点を解説
ツムラとクラシエの六君子湯の違い
六君子湯を取り扱っている代表メーカーとして「ツムラ」と「クラシエ」の2つが挙げられます。それぞれの六君子湯の違いについては、次の通りです。
メーカー | ツムラ | クラシエ |
---|---|---|
成分 | ・蒼朮:2.0g ・茯苓:2.0g ・人参:2.0g ・半夏:2.0g ・陳皮:1.0g ・大棗:1.0g ・生姜:0.25g ・甘草:0.5g |
・白朮:2.0g ・茯苓:2.0g ・人参:2.0g ・半夏:2.0g ・陳皮:1.0g ・大棗:1.0g ・生姜:0.25g ・甘草:0.5g |
効果 | ・胃腸の機能低下改善 ・食欲不振の改善 |
・消化不良の改善 ・食欲不振の改善 ・胃痛・嘔吐の改善 |
副作用 | ・発疹 ・蕁麻疹 ・悪心 ・腹部膨満感 ・下痢 |
・発疹 ・発赤 ・かゆみ ・発熱 ・全身のだるさ |
服用方法 | 1日2回、食前に水またはぬるま湯で服用 | 1日3回、食前または食間に水もしくはぬるま湯で服用 |
用法・用量 | ・成人(15歳以上):1回1包 ・15歳未満7歳以上:1回2/3包 ・7歳未満4歳以上1回1/2包 ・4歳未満2歳以上1回1/3包 ・2歳未満:服用しない |
・成人(15歳以上):1回1包 ・15歳未満7歳以上:1回2/3包 ・7歳未満4歳以上1回1/2包 ・4歳未満2歳以上1回1/3包 ・2歳未満:1回1/4包 |
それぞれの六君子湯に大きな違いはありません。ただし、患者様の体質や症状に適したものを医師に判断してもらい、処方を受けましょう。
六君子湯は市販で購入できる?Amazonで購入が可能
六君子湯は、Amazonなどの通販や市販で購入できます。ただし、自分に適したものを医師に判断してもらいたい方は病院やクリニックで処方を受けましょう。
自分で判断せず医師や薬剤師などに判断を仰ぐことが大切です。
六君子湯は虚証の人に使われる漢方薬
六君子湯は体力が低い虚証の人に処方される漢方薬です。胃腸の働きをよくする効果が期待できます。
六君子湯は、次の症状でお悩みの方におすすめです。
- 食欲が低下している
- 吐き気がする
- 胃がもたれる・痛い
- 胸やけがする
- 疲れやすい
- 便秘になる
など
ストレスが原因で、食欲低下や吐き気など胃腸に関わる症状が現れやすい方は、六君子湯が適しています。医師に指示された用法・用量を守って服用しましょう。