モーニングアフターピル(緊急避妊薬)とは?正しい飲み方や処方の流れを解説

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「モーニングアフターピルとはどんな薬? 」
「モーニングアフターピルの副作用や飲み方には注意点がある?」

などのお悩みを抱えていませんか?

モーニングアフターピルは、避妊に失敗した時に望まない妊娠を阻止する緊急避妊薬です。正しい用法用量を守って服用することで、高い妊娠阻止率が期待できます。

このページでは、モーニングアフターピルは効果や副作用、正しい飲み方、注意点などについて解説します。

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モーニングアフターピルとは?避妊効果が期待できる緊急避妊薬

モーニングアフターピルとは、避妊をしなかったもしくは避妊が失敗した時に、妊娠を避けるために用いる緊急避妊薬です。

性行為が行われた72時間以内に服用することで、妊娠を阻止する効果が期待できます。

モーニングアフターピルは排卵抑制・着床防止の2つの作用によって避妊を目指します。

なお、「モーニングアフターピル」と「アフターピル」は呼称が異なるだけで、同じものを指しており効果に違いはありません。

モーニングアフターピル服用後の避妊成功率は?確率は薬によって異なる

モーニングアフターピルの避妊成功率は、服用する薬の種類によって異なります。

そのほか薬を服用するタイミングによっても異なりますが、72時間以内の服用で約70%以上の妊娠阻止率とされています。

推奨されている時間内に服用することで、正しい避妊効果を期待することが可能です。

ただし、排卵日前後(いわゆる危険日)に避妊をしない性行為を行った場合、妊娠する可能性が高まると考えられているため注意が必要です。

妊娠を阻止できたかどうか確認する方法

モーニングアフターピルを服用した後、生理予定日前後に通常通りの出血があれば妊娠を阻止できた可能性が高いです。

アフターピルを服用すると生理不順や不正出血が起きやすく、生理なのか区別ができない可能性があります。

性行為から3週間経過した時点で、妊娠検査薬で確かめることをおすすめします。

また、アフターピルを服用してから10日前後に少量の出血(消退出血)が起きた場合も、妊娠を阻止できている可能性が高いです。

生理が予定より1週間以上遅れた場合や、出血が通常より軽い場合は避妊に失敗している可能性があるため一度医療機関へご相談ください。

モーニングアフターピルの種類

モーニングアフターピルの種類

モーニングアフターピルにはさまざまな種類があります。中でもよく用いられるモーニングアフターピルには以下があります。

  • ノルレボ錠
  • レボノルゲストレル錠
  • プラノバール

ここからはそれぞれの特徴を紹介します。

ノルレボ錠 | 72時間以内の服用で妊娠阻止率は85%

ノルレボ錠は製薬会社「あすか製薬」が製造・販売しているアフターピルです。

現在は「ノルレボ錠1.5mg」で処方されており、医師の診察が必要です。

ノルレボ錠は黄体ホルモンの作用によって排卵を抑制し、排卵日付近の性行為で避妊に失敗しても受精卵を作らせない作用があります。

また、ノルレボ錠には受精卵を子宮内膜で着床させない作用もあります。性行為をして受精卵になっても、子宮内膜の増殖防止と体温の上昇を防ぐ黄体ホルモンの働きで着床を防ぎ、妊娠を回避することが可能です。

レボノルゲストレル錠 | ノルレボのジェネリック薬

レボノルゲストレル錠はノルレボ錠のジェネリック薬です。

ジェネリック薬(後発薬)とは、先発薬の特許が切れた後に同成分を配合して製造・販売される薬のことです。

レボノルゲストレル錠の成分はノルレボ錠と同じなので、効果や副作用に違いはありません。

ジェネリック薬であるため、ノルレボ錠と比較して安い価格で購入できるのがレボノルゲストレル錠の特徴です。

プラノバール | ヤッペ法として用いられる中用量ピル

プラノバールは中用量ピルです。モーニングアフターピルではありませんが、ヤッペ法と呼ばれる緊急避妊法として用いられることがあります。

プラノバールは婦人科系疾患の治療で使われるケースもあり、下記の症状を改善する効果が期待できます。

  • 月経周期の異常
  • 機能性子宮出血
  • 月経困難症
  • 過多月経
  • 子宮内膜症
    など

またプラノバールはモーニングアフターピルと比べて妊娠阻止率が低く、副作用も起こりやすいことが特徴です。

そのため、避妊を目的とする場合はノルレボ錠などモーニングアフターピルを利用するのが一般的です。

ヤッペ法とプラノバールの詳細に関して、それぞれ以下のページで解説していますのでぜひあわせてご覧ください。

ヤッペ法は緊急避妊法の一つ!ピルの飲み方や副作用、アフターピルとの違いを解説

プラノバールはエストロゲン配合の中用量ピル | 避妊効果や副作用について解説

モーニングアフターピルの飲み方

モーニングアフターピルの飲み方

「モーニングアフターピルはいつまでに服用しなければいけないの?」と、飲み方でお悩みの方は多いかと思います。

モーニングアフターピルは、避妊に失敗した後72時間以内に1回2錠服用するものです。さらに服用するタイミングが早いほど避妊の効果が高まります。

また、72時間以内に服用できなかった場合でも、妊娠阻止率は下がりますが120時間以内に服用すれば妊娠阻止の効果が期待できます。

低用量ピルとモーニングアフターピルは併用できる

モーニングアフターピルは低用量ピルと併用できます。

低用量ピルとは習慣的に服用して、継続的に避妊効果を期待するピルです。

低用量ピルを普段から使用している方で、避妊失敗時にアフターピルを服用した方が良い方は次の通りです。

  • 低用量ピルの飲み忘れが1週間以内に3錠分あった場合
  • 避妊効果を減少させる薬やサプリを服用した場合
  • 低用量ピルを3日以上飲み忘れた場合

低用量ピルの避妊効果が発揮されていない場合があるため、アフターピルを活用することで望まない妊娠を阻止することができます。

性行為で避妊に失敗していない場合は、アフターピルを併用する必要はありません。

モーニングアフターピルを飲んで避妊に失敗することはある?

モーニングアフターピルを飲んで避妊を失敗してしまうケースもあります。具体的に避妊が失敗してしまうケースには以下の5つが考えられます。

  • 避妊失敗から服用まで時間が経過しすぎた
  • アフターピルが偽薬や粗悪品だった
  • アフターピルの服用後、2時間以内に嘔吐した
  • 避妊効果を減退させる薬やサプリを服用した
  • 服用後に避妊せずに性行為をした

上記のケースの場合、モーニングアフターピルを服用しても妊娠の可能性があります。

モーニングアフターピルを服用して生理が予定より1週間以上遅れた場合は、妊娠検査薬を使用して確認しましょう。

排卵後のモーニングアフターピルは意味ない?服用時の注意点

排卵後のモーニングアフターピルは意味ない?服用時の注意点

モーニングアフターピルは、主に排卵を抑制・遅らせる作用によって避妊効果を得るものと考えられています。

そのため「排卵後にモーニングアフターピルを服用しても意味がないのでは?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

モーニングアフターピルは排卵後に服用しても効果は期待できます。子宮頸管の粘液に作用して、精子の侵入を防いだり着床を防止したりする作用があるためです。

ただし、排卵を遅らせる作用があることから、モーニングアフターピルの服用後に性行為すると妊娠する可能性があります。

モーニングアフターピルは排卵後の服用でも避妊効果を期待できますが、服用後の性行為は避けてください。

モーニングアフターピルの副作用 | 嘔吐や不正出血、生理不順などが起こる

モーニングアフターピルの副作用 | 嘔吐や不正出血、生理不順などが起こる

モーニングアフターピルの副作用には以下のものがあります。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 疲労
  • 胸の痛み
  • 生理不順
  • 不正出血
  • 下腹部痛

安静にして過ごせば副作用は徐々に引いていくので、中絶手術と比較すると副作用の負担は軽微です。

ただし、モーニングアフターピルを服用して2時間以内に嘔吐してしまうと、十分な避妊効果が期待できません。

仮に嘔吐してしまった場合は、処方元の医師とすぐに相談して処方し直してもらう必要があります。

モーニングアフターピル服用後は生理周期が不安定になる

モーニングアフターピルを服用後は、一時的に生理周期が不安定になります。

特に排卵前や排卵期にモーニングアフターピルを服用すれば、通常の生理周期よりも早く生理(消退出血)が起こり、合計で月に2回生理が来ます。

自身の生理周期を把握している方は、モーニングアフターピルを服用することによって、通常とは異なるタイミングで消退出血が起こることを理解しておきましょう。

モーニングアフターピルの副作用はいつまで続く?24時間以内におさまる

モーニングアフターピルの副作用は24時間以内におさまることが多いです。副作用の有無は個人差があり、身体に負担がほとんどない方もいます。

アフターピルによる副作用が発生するタイミングも人それぞれ異なります。服用してすぐに発生したり数日後に発生したりとさまざまです。

モーニングアフターピルは通販や薬局で買える?個人輸入は危険

モーニングアフターピルは通販や薬局で買える?個人輸入は危険

モーニングアフターピルは薬局や通販で購入することはできません。医療用医薬品に該当するため、医師から処方してもらう必要があります。

なお個人輸入の通販サイトを利用して購入することは可能です。ただし個人輸入はリスクが高いため推奨はできません。

即日受け取れるメリットはあるものの、粗悪品や偽薬が届いたり到着までに時間がかかったりする可能性があります。リスクを避けるためにも、クリニックなどで診察を受けた上で処方してもらいましょう。

モーニングアフターピルの処方の流れ

モーニングアフターピルの処方の流れは下記の通りです。

  1. ご来院
    予約制にしているクリニックもあるため、事前に電話などで確認しましょう
  2. 問診
    問診票を活用したカウンセリングなどが行われます。最後に行った性行為や月経の日時について尋ねられます
  3. ピルの説明
    処方するモーニングアフターピルの服用方法や注意点、副作用などについて解説します
  4. 処方
    必要な用量のアフターピルを処方されます

モーニングアフターピルは緊急性が高いため、処方までの流れがスムーズです。

モーニングアフターピルはクリニックで処方を受けてください

モーニングアフターピルはクリニックで処方を受けてください

モーニングアフターピルは避妊をしなかったもしくは避妊が失敗した時に、妊娠を避けるために用いる緊急避妊薬です。

モーニングアフターピルは下記の作用で妊娠を阻止します。

  • 排卵を抑制
  • 着床を防止

高い避妊効果が期待できますが、通販や市販のものを購入すると粗悪品や偽薬などが届く可能性があります。

緊急の場合でもクリニックで診断してもらってからの処方をご検討ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医
略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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