熱破壊式と蓄熱式の違いは？それぞれのメリット・デメリットを解説

「脱毛を始める前に、熱破壊式と蓄熱式の違いをチェックしたい」

「それぞれどんな特徴があるの？メリットやデメリットを知りたい」

医療脱毛施術を受ける前に、熱破壊式と蓄熱式の違いを詳しく知っておきたいという方も多いはずです。

脱毛方式によって効果が変わるのか、痛みがあるのかなど気になるポイントは多いですよね。

それぞれメリット・デメリットがあるので、本記事の情報をチェックした上で気になる医療脱毛クリニックの無料カウンセリングを受けることをおすすめします。

熱破壊式脱毛の特徴やメカニズム

「熱破壊式脱毛(HR)」とは、毛根周辺の発毛組織である毛乳頭や毛母細胞をターゲットにし、高出力のレーザーで破壊する方法です。

レーザー脱毛は‘Selective Photothermolysis’の原理に基づいて行われる2）3）．レーザー脱毛のターゲットは毛の中に含まれるメラニンであり，レーザー光が毛に含まれるメラニン（‘chromophore’）に達した場合，毛は 100℃以上にまで上昇しその部分は気化する．ミリ秒単位の発振時間の場合，熱は周囲へと伝導し，毛包は壊死，熱凝固をきたす（extendedselectivephotothermolysis4））．

引用元：日本美容外科学会会報93p

永久脱毛効果があり、レーザー照射後早ければ1週間程度でムダ毛がポロポロ抜けてきます。

蓄熱式脱毛の特徴やメカニズム

「蓄熱式脱毛(SHR)」は、毛根よりも浅いバルジ領域を呼ばれる部分をターゲットにしています。

バルジ領域には発毛指令を出す役割があり、皮膚表面に近い位置にあるため産毛にも効果が出やすいです。

2006年に開発された蓄熱式脱毛レーザーは，メラニンとヘモグロビンの吸光度に差がある波長を用いて，皮膚表面を接触冷却し，低フルエンスで高速反復照射し，ハンドピースを動かしながら 1 ユニットに一定量のエネルギーを入れる方法である．
従来の高フルエンスによる単発照射で毛包を熱損傷させるに十分なエネルギーを与える機器（以下，単発式）と異なり，低フルエンス，複数発の照射によって毛包全体に蓄熱していく．

引用元：日本美容外科学会会報 Vol.44.特別号101p

低出力のレーザーを連続照射する痛みの少ない脱毛方法となっています。

熱破壊式と蓄熱式の違いをチェック！

続いて、熱破壊式と蓄熱式の違いを具体的に解説します。

1.レーザー出力とターゲットの違い

熱破壊式と蓄熱式では、レーザーの出力とターゲットが大きく異なります。

熱破壊式のレーザーは黒いメラニンに反応し、毛根周辺組織(毛乳頭や毛母細胞)を破壊する脱毛法です。

一方、蓄熱式レーザーは発毛因子にアプローチするので、これから生えてくる毛を抑制するイメージです。

熱破壊式レーザーは高出力、蓄熱式のレーザーは低出力なので、照射時の温度にも差があります。

2.脱毛効果の違い

脱毛効果に関しては、最終的に得られる効果に差はありません。

ただし、一般的に効果を実感しやすいのは「熱破壊式」であるとされています。

高出力のレーザーを照射するため、今生えている毛にアプローチでき短期間で毛が抜けること、蓄熱式よりも少ない回数で理想の仕上がりを目指せます。

蓄熱式脱毛は低出力のレーザーを当てていくので、効果を実感するまでに1ヶ月程度かかる可能性があります。

徐々に効果を実感できますが、熱破壊式よりは回数が必要になる場合が多いです。

3.施術時間の違い

施術にかかる時間は、一般的に蓄熱式の方が短いです。

脱毛方式の違いから、熱破壊式は1ショットずつの照射、蓄熱式は連続照射となります。

全身脱毛を蓄熱式の機械で施術を受ける場合は平均60分、熱破壊式の機械で施術を受ける場合は平均90分程度で完了できるので、どちらの機械で施術を受けても施術時間が2時間を超えることはほとんどありません。

4.痛みの違い

施術中の痛みは、蓄熱式(SHR)の方が少ない傾向です。

Results: The alexandrite laser is slightly more effective with fair skin types;the SHR mode is clearly more effective with dark skin types.
-アレキサンドライト レーザーは、色白の肌タイプでわずかに効果的です。SHR モードは、暗い肌タイプで明らかにより効果的です。痛みに関しては、明らかにSHRモードの方が優れています。–
引用：National Library of Medicine「国立生物工学情報センター」論文より抜粋

蓄熱式は、熱破壊式に比べてレーザーの出力が低く、広範囲にじわじわと照射するイメージなので、肌への負担も少ないです。

施術時に痛み軽減の麻酔を使用できるクリニックも多いため、痛みが気になる方は麻酔を追加して施術を受けることもできます。

出力を下げてもらうこともできますが、得られる効果も低くなるので、施術を受けるスタッフの医師・看護師と相談してみましょう。

5.照射範囲の違い

照射範囲は蓄熱式の方が広いです。

熱破破壊式は高出力のレーザーを一点集中で照射し、蓄熱式は広範囲に低出力のレーザーを連続照射していきます。

熱破壊式は一部の肌質・毛質に対応できませんが、蓄熱式はほぼ全ての肌質・毛質に対応可能となっています。

特に全身脱毛を受ける方は、蓄熱式の機械で施術を受けると施術時間の短さを実感しやすいでしょう。

6.価格の違い

施術料金は、各クリニックで導入している脱毛機によって大きく変わってきます。

ほとんどのクリニックでは、厚生労働省や米国FDA(食品安全医薬品局)の承認機を導入しているケースが多いため、機械を購入するためのコストが多くかかります。

OEMで機械を自社開発しているクリニックではコストを抑えられるため、価格が安い傾向です。

また、施術料金の設定には、クリニックの立地・広告費・人件費なども関わってくるため、同じ機械を導入しているクリニックでも価格差はあります。

公的機関の承認を受けている機械だと安心感はありますが、OEMの機械が悪い・効果がないということではないため、契約前にしっかりと特徴を確認した上で決定することをおすすめします。

熱破壊式脱毛がおすすめの方

熱破壊式脱毛がおすすめの方は下記の通りです。

熱破壊式脱毛は永久脱毛効果が高く、太くて濃い毛やヒゲ脱毛に最適です。

レーザーを照射してから毛が抜け始めるまでの期間も短いため、即効性を期待する方におすすめできます。

ただし、対応できる肌質は限られる場合があるため、一般的に施術可能だとされている色白〜通常肌の方(日焼けしていない方)はチェックしてみてください。

蓄熱式脱毛がおすすめの方

蓄熱式脱毛は、以下の項目に当てはまる方におすすめできます。

蓄熱式は、痛みが少ない医療脱毛を受けたい方や産毛をしっかり脱毛したい方にぴったりです。

黒いメラニンに反応しにくいため、幅広い肌質や毛質に効果が期待できます。

熱破壊式に比べて完了までの回数・期間はかかるので、脱毛完了までの期間にこだわらない方におすすめです。

熱破壊式と蓄熱式のデメリットや選ぶ際の注意点

最後に、熱破壊式と蓄熱式のデメリットや選ぶ際の注意点を解説します。

熱破壊式は日焼け肌や色黒肌に対応できない場合がある

熱破壊式のレーザーは黒いメラニンに反応するため、基本的に日焼け肌や色黒肌には照射できません。

肌トラブルが起こるリスクも高くなるため、施術を断られる可能性があります。

波長の長い「YAGレーザー」は黒いメラニンに反応しにくいため、幅広い肌質・毛質に対応できますが、YAGレーザーを搭載した機械を導入しているクリニックは限られています。

また、YAGレーザーは肌内部までレーザーが届くため、効果は高いですが痛みも強いです。

通いたいと思えるクリニックが見つかっても、必ずしも施術を受けられるわけではないということを覚えておいてください。

蓄熱式は効果を実感できるまで時間がかかる

蓄熱式のレーザーは痛みや肌への負担が少ないですが、効果を実感できるまで時間がかかります。

バルジ領域にアプローチし、発毛を抑制するため、最初は「効果がない」と感じるかもしれません。

施術回数を重ねれば徐々に脱毛効果を実感できますが、熱破壊式のように目に見えて短期間で効果を実感しにくいのがデメリットです。

まとめ：あなたの肌質・毛質に合わせた上で効果の高い脱毛方式を選ぼう

熱破壊式と蓄熱式の違いを解説しましたが、どちらの方が優れているというわけではなく、あなたの肌質や毛質に合わせて最適な方を選ぶことが最も大切です。

例えば、効果の高さを重視して熱破壊式の脱毛機を導入しているクリニックを選んでも、あなたの肌質に対応できなければおすすめとは言えません。

熱破壊式・蓄熱式の両方の機械を採用しているクリニックも増えてきているので、ぜひ無料カウンセリングやテスト照射を受ける目的で足を運んでみてくださいね。

当記事が、今から脱毛を始めるあなたの参考になれば幸いです。