ルナベル配合錠LD・ULDとは?月経困難症への治療効果、副作用について解説
- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「ルナベルのLDとULDの違いは?」
「ルナベルの効果や副作用について知りたい」
とお考えではありませんか?
ルナベルは月経困難症や子宮内膜症の痛みに対して治療効果が期待できるピルです。低用量ピルの「ルナベル配合錠LD」と超低用量ピルの「ルナベル配合錠ULD」の2種類があります。
副作用には不正出血や頭痛、吐き気などがあり、メリット・デメリットを理解した上で使用することが大切です。
こちらのページではルナベルの効果や副作用、飲み方、ヤーズフレックスの違いなどを解説します。
目次
ルナベルとは?生理を軽くして痛みを緩和するピル
ルナベルは生理や子宮内膜症の痛みを緩和する効果が見込めるピルです。
低用量エストロゲンとプロゲスチンの配合剤「LEP製剤」の一種で、排卵を抑えることで生理痛を軽減する効果が期待できます。
ルナベルには、黄体ホルモンの「ノルエチステロン」と卵胞ホルモンの「エチニルエストラジオール」が含まれています。
またLEP製剤は月経困難症や子宮内膜症の治療・予防を目的としており、ルナベルは保険の適用で購入できることが特徴です。
ルナベル配合錠ULDとLDの違いは?低用量ピルと超低用量ピルの2種類
ルナベルには以下の2種類があります。
- ルナベル配合錠LD
- ルナベル配合錠ULD
それぞれの違いは卵胞ホルモン「エチニルエストラジオール」の含有量にあります。
LDはエチニルエストラジオールが0.035mgなのに対し、ULDは0.020mgと含有量が少ないです。LDは「Low Dose」、ULDは「Ultra Low Dose」の略です。
卵胞ホルモンの含有量が多いと、血栓症や乳がんになる可能性がわずかに高くなります。一方で含有量が少ないと不正出血を起こしやすいなど、それぞれに異なるリスクがあります。
ルナベル配合錠ULDとLDは切り替え可能?不正出血の具合で切り替える
エストロゲンの含有量が少ないと、不正出血を引き起こしやすくなります。
ルナベル配合錠ULDを服用して不正出血が長引いている場合は、LDに切り替えることで不正出血を抑えやすくなります。
しかしエストロゲンの含有量が多いと、血栓症や乳がんになりやすいリスクがあるため、ULDとLDの切り替えは医師に相談の上行いましょう。
ルナベルにジェネリック医薬品はある?フリウェルが該当
ルナベルには「フリウェル」というジェネリック医薬品が存在します。
効果や飲み方、副作用はルナベルとフリウェルに違いはありません。しかしジェネリック医薬品のため、フリウェルの方がルナべルより薬価が安いため購入しやすいです。
フリウェルについては、以下のページで詳しく解説しています。
フリウェルLD・ULDとは?効果や副作用、飲み方、モチダと他の違いを解説
ルナベルの効果は?月経困難症やPMSの治療に使われる
ルナベルは以下の症状に効果を発揮します。
名称 | 症状 |
---|---|
月経困難症 | 生理により日常生活に支障をきたすほどの痛みや抑うつ |
月経前症候群(PMS) | 月経前に出るイライラや抑うつ、頭痛、手足のむくみなど |
子宮内膜症 | 子宮内膜に似た組織が子宮の内腔ではない部分にできて、月経痛が強くなる |
ルナベルは女性ホルモンの体内分泌を抑えることで排卵を抑制。その結果、生理痛が緩和される効果が期待できます。
また子宮内膜症の病巣(卵巣など)の活動を低下させることで、疼痛を緩和する効果も見込めます。
ルナベルに避妊効果はある?避妊に失敗する?避妊目的で処方されない
ルナベルには避妊薬と同一成分が含まれており、ルナベルでも避妊できる可能性はあります。
ただしルナベルを避妊目的に処方してもらうことはできません。ルナベルの添付文書には「本剤を避妊目的で使用しないこと」との記載があります。
避妊率を示すデータがないほか、ルナベルは避妊目的の低用量ピルと比べてエストロゲンが少ないです。
避妊を目的としたピルの処方を希望するなら、「マーベロン」や「トリキュラー」などがおすすめです。それぞれの詳細は以下のページで確認できます。
マーベロンの3つの効果とは?21と28の飲み方や副作用、通販のリスクについて解説
トリキュラーの3つの効果とは?21と28の違いや副作用、通販の危険性について解説
ルナベルは胸が大きくなる?女性ホルモンにより大きくなることがある
ルナベルを服用すると、女性ホルモンの働きで胸が大きくなる可能性があります。
ルナベルをはじめとするピルには、女性ホルモンが含まれているためです。
女性ホルモンには保水作用や乳腺を発達させる作用があり、結果的にバストアップする可能性はあります。
ルナベルの副作用 | 不正出血や頭痛、抑うつ、ニキビなど
ルナベルの副作用には以下のようなものがあります。
- 不正出血
- 吐き気
- 腹痛
- 頭痛
- 抑うつ
- ニキビ
- 乳房の痛み、不快感
- めまい
- 貧血
など
ルナベルの添付文書によると、特に不正出血はLDで60.0%、ULDで81.1%の確率で発生しているとされています。
なお、不正出血や吐き気などの症状は飲みはじめの一時的に起こるもので、服用を継続することで症状が落ち着くケースがほとんどです。
ルナベルの副作用で血栓症になる?リスクは少ない
ルナベルを服用すると、まれに血栓症になる可能性があります。
血栓症とは血液が固まり血管が詰まる症状で、臓器が壊死したり脳梗塞を発症したりする病気です。血栓症になると、以下のような症状が起きます。
- 胸痛
- 激しい頭痛
- 脱力感
- 麻痺
- 吐き気
- 視力障害
など
ルナベルで血栓症になるリスクは少ないです。しかし万が一、上記のような症状が出たら血栓症の疑いがあります。その場合は早急に医師に相談してください。
ルナベルの副作用はいつから?初日から症状が出始める
ルナベルの副作用は初日から出始めます。数日間は症状が続きますが、4〜5日程度すれば収まることが多いです。
ルナベルの副作用は服用を続けると落ち着きます。飲み始めは不正出血や吐き気などの症状が出ますが、服用を続けてください。
ルナベルの副作用で太る?保水作用や食欲増進で太ることがある
ルナベルの添付文書によると、副作用として5%未満の確率で体重増加やむくみが認められています。
ルナベルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)には高い保水作用があり、プロゲステロン(黄体ホルモン)には食欲の増進作用があるため、体重が増加する可能性があります。
ルナベルの飲み方 | 飲み始めは原則として生理初日
ルナベルの飲み方は以下の手順を繰り返すものです。
- 生理初日に1錠服用する
- 毎日同じ時間に1錠服用し、21日間継続する
- 22日目から7日間休薬する
- 29日目から次のシートの服用を開始し、再度21日間継続する
ルナベルは28日周期で服用を行います。1シートあたり21錠あるので21日間継続して毎日飲んでください。
その後7日間休薬し、次の周期に入ります。
ルナベルをはじめとするピルは、生理初日を飲み始めとする「Day1スタート」を原則としています。生理が始まってから24時間以内にルナベルを服用しましょう。
ルナベルの服用中でも生理が来る場合がある
ルナベルを服用していると、基本的に休薬期間中に生理が来ます。
しかしルナベルの服薬期間中に生理が来ることがあります。これはルナベルを飲み始めたばかりでホルモンが安定していないために起こる現象です。
シートの途中で出血しても、服薬を続けることでホルモンが安定していきます。ルナベルを飲むのを辞めず、休薬期間まで服薬を継続してください。
ルナベルの休薬期間中に生理が来ないときは医師に相談する
ルナベルの副作用として、休薬期間中に生理が来ない「無月経」があります。
生理がこないと妊娠を心配するかもしれませんが、スケジュールを守って服薬していれば妊娠のリスクは極めて低いです。
しかし休薬期間中に生理が来ないときは少なからず妊娠の可能性もあります。不安な方は妊娠検査薬を使ったり、医師に相談したりしましょう。
ルナベルを飲み忘れたときの対処法
ルナベルを飲み忘れたときの対処法は、飲み忘れの日数によって異なります。
飲み忘れの日数 | 対処法 |
---|---|
1日 | すぐに1錠を服用し、当日分もスケジュール通りに飲む(1日2錠服用することになる) |
2日以上 | すぐ前日分の1錠を服用し、当日分もスケジュール通りに飲む。それ以降もスケジュール通り1日1錠服用する |
ルナベルを飲み忘れると、ホルモンが乱れて出血する可能性があります。出血してもルナベルを多く飲んだり、服用を止めたりしてはいけません。
ルナベルで生理をずらせる?生理を遅らせる・早める飲み方
ルナベルで生理をずらす方法は、遅らせる場合と早める場合で異なります。
飲み方 | |
---|---|
生理を遅らせる | 生理の5日〜7日前から服用を始め、生理を避けたい日まで1日1錠飲み続ける。(ずらせるのは7日〜10日程度まで) |
生理を早める | 生理が始まって5日目までに服用を始める。14日以上飲み続け、飲み終えると2〜3日後に生理が来る |
生理を避けたい日が決まっていないと、予定通りにずらせない可能性があります。
生理をずらす場合は1ヶ月以上前から計画するのがおすすめです。
ルナベルの禁忌 | 妊娠中や血栓症、糖尿病患者は服用できない
以下に該当する方は、ルナベルを服用できません。
- 妊娠または妊娠している可能性がある
- 授乳中の女性
- 高血圧患者
- 血栓症患者
- 糖尿病患者
- 乳がん・子宮がん患者
など
上記に当てはまる方は、医師に一度相談して用法用量は医師の指示に従いましょう。
ルナベルとヤーズフレックスの違いは?どちらも同じLEP製剤
ルナベルと同じLEP製剤に「ヤーズフレックス」「ヤーズ」があります。それぞれの違いは次の通りです。
ルナベル | ヤーズフレックス | ヤーズ | |
---|---|---|---|
成分 | ・黄体ホルモン:ノルエチステロン ・卵胞ホルモン:エチニルエストラジオール |
・黄体ホルモン:ドロスピレノン ・卵胞ホルモン:エチニルエストラジオールベータデクス |
・黄体ホルモン:ドロスピレノン ・卵胞ホルモン:エチニルエストラジオールベータデクス |
目的 | ・月経困難症の治療 ・子宮内膜症の痛みの軽減 |
・月経困難症の治療 ・子宮内膜症の痛みの軽減 |
月経困難症の治療 |
副作用 | ・不正出血 ・頭痛 ・腹痛 ・吐き気 など |
・不正出血 ・頭痛 ・吐き気 など |
・不正出血 ・頭痛 ・吐き気 ・むくみ など |
特徴 | ヤーズより血栓症リスクが低い | 休薬期間なしで服用できる | 卵胞ホルモンが少量で吐き気やむくみが少ない |
ルナベルとヤーズ・ヤーズフレックスの違いは成分にあります。ヤーズとヤーズフレックスに含まれる「ノルエチステロン」は、ルナベルの「ドロスピレノン」より血栓症リスクが低いとされています。
ヤーズフレックスの大きな特徴が、休薬期間なしで服薬できることです。休薬期間に起こる頭痛やイライラのような症状が軽くなる効果が期待できるほか、生理を自由にずらせます。
ヤーズフレックスについては、以下のページで詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
ヤーズフレックスとは?飲むと太る?避妊効果や副作用、ヤーズ配合錠との違いを解説
ルナベルは月経困難症や子宮内膜症の痛みに有効な低用量ピル
ルナベルLD/ULDは、生理痛や子宮内膜症の痛みを緩和する効果が期待できます。主に以下の症状を治療する目的で処方されます。
- 月経困難症
- 月経前症候群(PMS)
- 子宮内膜症
ルナベルは避妊薬と同一成分が含まれているため、避妊効果が現れる可能性はありますが、避妊目的で処方してもらえません。
ルナベルの処方は医療機関でのみ行っています。月経困難症や子宮内膜症などでお悩みの方はルナベルの使用をご検討ください。