ヤーズフレックスとは?飲むと太る?避妊効果や副作用、ヤーズ配合錠との違いを解説
- 本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。
「ヤーズフレックスにはどんな効果が期待できる?」
「ヤーズフレックスで太ることはある?」
などとお考えではありませんか。
ヤーズフレックスは卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合した超低用量ピルです。連続して服用できることが特徴で、生理の頻度や痛みを減らすことができます。
ただし避妊効果は期待できない上、避妊を目的として処方されることはありません。
このページではヤーズフレックスに期待できる効果や副作用、飲み忘れた時の対処法、ヤーズ配合錠との違いについて解説します。生理でお悩みの方はぜひご覧ください。
目次
ヤーズフレックスとは?2種類の有効成分を配合した超低用量ピル
ヤーズフレックスとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の有効成分を配合した超低用量ピルです。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合したピルのうち、連続服用できる薬を「LEP製剤」と呼びます。
中でもヤーズフレックスは卵胞ホルモンの含有量を20μgに抑えているため、「超低用量LEP製剤」とも呼ばれます。卵胞ホルモンの量が少ない分、副作用リスクが少ないことが特徴です。
また、ヤーズフレックスは連続服用が可能なピルとして国内で初めて導入された薬です。
ヤーズフレックスに期待できる2つの効果
ヤーズフレックスには排卵を抑制して子宮内膜の肥厚を抑制する作用があります。
ヤーズフレックスに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンが脳下垂体に働きかけることで、卵胞を成熟させるホルモンの分泌を抑えられます。排卵が抑えられることで、子宮内膜が厚くならないよう対策が可能です。
ヤーズフレックスには、以下の2つの効果も期待できます。
- 子宮内膜症の痛み・PMS・月経困難症の改善
- 生理前のニキビ・肌荒れを改善
ここからは、それぞれの効果について説明します。
効果①子宮内膜症の痛み・PMS・月経困難症の改善
ヤーズフレックスは子宮内膜症の痛み・PMS・月経困難症の改善におすすめです。
ヤーズフレックスは子宮内膜が厚くなるのを抑制し、痛みの原因物質が生み出されないよう働きかけられます。
またヤーズフレックスは月経の回数を減らす作用により、PMSの頻度も減らすことが可能です。
効果②生理前のニキビ・肌荒れを改善
ヤーズフレックスは、生理前のニキビや肌荒れを改善する働きがあります。
生理前のニキビは、主に女性ホルモンの乱れが原因です。
黄体ホルモンの一種「プロゲステロン」には皮脂分泌を促す作用があり、特に排卵が起きて数日後から黄体ホルモンが急激に分泌されるようになります。
さらに保湿作用がある女性ホルモン「エストロゲン」は生理中に減少するため、生理前後では肌が乾燥しやすく、ニキビ・肌荒れを起こしやすいです。
ヤーズフレックスをはじめ、ピルにはホルモンのバランスを整える作用があるため、これらホルモンバランスの乱れによるニキビ・肌荒れの改善が期待できます。
ヤーズフレックスで痩せた?PMSによるむくみ・体重増加を改善
ヤーズフレックスに、痩せる作用があるか気になっている方もいるかと思います。
生理前に起こるPMSは食欲増進やむくみといった症状があり、生理前の3〜10日間に症状が現れやすいです。
ヤーズフレックスには、PMSによるむくみや体重増加を改善する効果が期待できます。
ヤーズフレックスは、生理前に体重が増加しやすい方や食欲が増えやすい方にもおすすめです。
ヤーズフレックスは避妊効果がない?妊娠確率は?避妊効果は期待できない
ヤーズフレックスは避妊効果がある薬としては処方されません。
妊娠確率を下げるためにピルの服用を検討している場合、トリキュラーやマーベロンなどの避妊を目的とする低用量ピルがおすすめです。
トリキュラー・マーベロンについて詳しく知りたい方は、それぞれ以下のページもあわせてご覧ください。
トリキュラーの3つの効果とは?21と28の違いや副作用、通販の危険性について解説
マーベロンの3つの効果とは?21と28の飲み方や副作用、通販のリスクについて解説
ファボワールとは?21と28の飲み方や副作用、避妊効果について解説
ヤーズフレックスの副作用 | 不正出血や眠気、吐き気などが起こる
ヤーズフレックスには以下のような副作用が出ることがあります。
- 不正出血
- 頭痛
- 吐き気
- 眠気
- イライラ
- うつ
上記のような副作用は、ピルの飲み始めによるホルモンバランスの変化が原因です。
そのため、ヤーズフレックスの飲み始めの時期に副作用が発生しやすいです。しかし、飲み続けることで症状は徐々に緩和されていきます。
副作用が長く続く場合や不正出血が多い場合には、医師に相談をしましょう。
ヤーズフレックスに重篤な副作用はある?血栓症を起こすことがある
ヤーズフレックスの重篤な副作用として、血栓症が起こるデメリットが挙げられます。
血栓症は血のかたまりが血管に詰まる病気で、症状が出た時には服用を中止して医療機関を受診する必要があります。血栓症の前兆として注意するべき症状は以下の通りです。
- 手足のまひや脱力感
- 足の痛みや腫れ
- ふくらはぎの赤みや痛み
- 胸の痛み
- 突然の息切れ
- 激しい頭痛
- 激しい腹痛
- 舌がもつれる
など
医療機関を受診する際には、ヤーズフレックスを服用していることを医師に伝えましょう。
ヤーズフレックス服用後に不正出血が止まらない!少量なら無視して良い?
服用後に不正出血が止まらないといった副作用は、低用量ピルの服用者の20%が経験する症状です。
少量の軽い不正出血の場合は無視して飲み続けても構いません。しかし、3日以上出血が続いた場合には、服用を中止する必要があります。
不正出血が続く場合には子宮頸がんのリスクも考えられます。子宮頸がんの検診は定期的に受けましょう。
また、休薬期間中に起こる出血は不正出血ではなく「消退出血」と呼ばれます。
ヤーズフレックスで太る?食欲が増して体重が増加することがある
通常、ピルを服用すると一時的にむくみや食欲増進による体重増加といった症状を起こすことがあります。
しかし、ヤーズフレックスは「抗ミネラルコルチコイド作用」でむくみにくいことが特徴です。
また、むくみや食欲増進による体重増加を防ぐためには、以下のような対策を取ることが大切になります。
- よく噛んで食べる
- おやつにはナッツ類を選ぶ
- 食事の量を減らして回数を増やす
- 運動を定期的に行う
など
食事のバランスを整えながら食べ過ぎないように過ごしましょう。
ニキビが増えた?好転反応でニキビが悪化することがある
ピルを服用すると、好転反応でニキビや肌荒れが悪化することもあります。
好転反応とは一時的に症状が悪化する状態のことです。ピルの服用を続けることで症状は徐々に落ち着いていきます。
ただし、ピルの服用を中止したり飲み忘れたりすると効果が薄くなり、ニキビが増えることもあるため注意が必要です。
ヤーズフレックスの飲み方 | 月経がはじまった日から飲み始める
ヤーズフレックスは月経がはじまった日から、1日1錠を飲み始めるのが正しい飲み方です。カレンダーシールを参考に1日1錠、一定の時間帯での服用を続けましょう。
ヤーズフレックスは28日周期で1ヶ月に1度生理が起きるように調整することが可能です。具体的な飲み方は次の通りです。
- 24日間連続服用する
- 25日から28日目の4日間は休薬する
- 休薬期間が終わったら服用を再開する
- 24日の服用と4日の休薬を繰り返す
ヤーズフレックスの服用時は、自分から休薬期間を設けて服用をコントロールする必要があります。
ヤーズフレックスはいつまで飲み続けられる?120日の連続服用が可能
ヤーズフレックスは120日間の連続服用が可能です。
120日飲み続けると生理を年3回まで減らせるので、仕事などに集中しやすくなるメリットがあります。120日飲み続ける場合でも121日目からは4日間の休薬期間を設け、妊娠していないかチェックすることが大切です。
ヤーズフレックスは24日継続して服用する必要がありますが、25日目以降から120日までの間は服用期間を自由に決められます。
ヤーズフレックスを飲み忘れた時の対処法 | 当日に2錠まとめて飲む
ヤーズフレックスを飲み忘れた時には、飲み忘れに気づいた時に1錠服用します。その後いつも飲んでいる時間帯に1錠服用します。
そのため、飲み忘れた日の翌日は1日に2錠の服用が必要です。
2日以上飲み忘れた時も同様に気付いたタイミングで1錠服用する必要があるため、1日2錠服用することになります。
ただし3日や4日以上飲み忘れた場合、不正出血が起こりやすくなるため飲み忘れには気をつけなければなりません。
ヤーズフレックスの休薬期間に生理がこない?考えられる2つの理由
ピルの休薬期間に生理がこない場合、妊娠しているか一時的に子宮内膜が薄くなっていることが考えられます。
「生理がこないので妊娠している」と判断するのではなく、妊娠検査薬を使ってから判断しましょう。妊娠検査薬が陽性の場合は、ピルの服用を中止して産婦人科を受診してください。
また2シート連続で生理がなかった時は、妊娠検査薬を使って陰性と表示されても一度病院を受診することが大切です。
なお、ピルの作用で子宮内膜が薄くなっても、その後の妊娠に大きな影響はありません。
ヤーズフレックスの休薬のタイミングは?3日続けて出血したら4日休薬する
ヤーズフレックスは120日間、連続服用できるピルです。
ただし、3日続けて出血があった場合は翌日から4日間の休薬期間を設けてください。服用中に茶色のおりものや不正出血が3日以上続く場合にも、同様に休薬する必要があります。
また、茶色の出血が長く続く際には、医療機関への受診を検討しましょう。
ヤーズフレックスを飲み始めた時や飲み忘れが多い時には、不正出血が起こりやすいです。
ヤーズフレックス配合錠とヤーズ配合錠の違い
ヤーズフレックス配合錠とヤーズ配合錠は、いずれも同じ成分が配合されているピルです。
名称 | ヤーズフレックス配合錠 | ヤーズ配合錠 |
---|---|---|
保険適用の症状 | 月経困難症、子宮内膜症 | 月経困難症 |
服用方法 | ・1日1錠を24日間服用 ・25日以降も連続して服用 ・25日以降で3日出血したら4日休薬 |
・1日1錠を24日間服用 ・プラセボ錠を4日間服用 ・出血に関係なく29日目から新しいシートで服用 |
連続服用の期間 | 24日~120日 | 24日 |
特徴 | 120日の連続服用が可能 | プラセボ錠あり |
ヤーズフレックス配合錠は1シート28錠全てに有効成分が含まれていますが、一方ヤーズ配合錠は28錠中4錠がプラセボ錠となっています。そのため飲み方が異なります。
なお、ヤーズ配合錠からヤーズフレックス配合錠へ切り替えることも可能です。切り替える場合は、ヤーズ配合錠のプラセボ錠を飲み終えた翌日からヤーズフレックス配合錠を飲み始めます。
ヤーズフレックスのよくある質問
ヤーズフレックスのよくある質問と回答をまとめました。
Q.ピルの服用中にコロナワクチンの接種を受けても良いですか?
ピルの服用中に新型コロナワクチンを接種するかは、医師に相談して判断することが大切です。
現在、日本で使用されているワクチンには血栓症の報告があります。また、低用量ピル・超低用量ピルを内服している方は、服用していない方と比べて血栓症が起こりやすいです。
コロナワクチンで血栓症の発症率が上がるというデータはありませんが、慎重に検討しなければなりません。
特に、低用量ピルは飲み始めの3〜4ヶ月以内に血栓症リスクが高くなるため注意が必要です。
Q.ヤーズフレックスは保険適用になりますか?
ヤーズフレックスは月経困難症と子宮内膜症の改善を目的とする場合、保険適用での処方が可能です。
ニキビ治療を目的とする場合は保険適用外ですが、月経困難症の治療と併用する場合には保険診療で処方されます。
Q.ヤーズフレックスはオンラインや通販で処方してもらえますか?
クリニックによっては、オンライン診療で処方を受けることが可能です。
オンライン診療の場合、通販のように自宅で受け取れるのが特徴です。個人輸入品を通販で購入するよりも、衛生面のリスクが少ないというメリットもあります。
ヤーズフレックスは長期間生理を止められる超低用量ピル
ヤーズフレックスは長期間生理を止められる超低用量ピルです。大きく以下の2つの効果が期待できます。
- 子宮内膜症の痛み・PMS・月経困難症の改善
- 生理前のニキビ・肌荒れを改善
120日まで連続服用が可能なので、生理の回数を減らしたい方におすすめです。生理の痛みやPMSなどにお悩みの方は、ヤーズフレックスの服用をご検討ください。